Thyme タイム
  香りをお届けできないのが残念です。何とも言えない気品のある香り。ヨーロッパの人たちはこの香りが大好きで、 様々な料理に使います。欧風料理の香りの基礎になっていると言えるでしょう。

防腐作用があるので、古代ギリシア(前5〜7世紀)以来食品の保存に広く使われ、 肉食中心のヨーロッパの都市を支える大きな役割りを果たして来ました。 古代ギリシアでは「タイムの香りの人」というのは勇気と気品を現す最高のほめ言葉だったと言います。

品種 シソ科ティムス属。乾燥ぎみの砂っぽい土地に生える草丈30cmぐらいの多年草。生命力が強く挿し木ですぐに根付きます。 枝を生のまま使う他、葉と花穂の部分をもみ落として乾燥させたもの、またはその粉末の状態のものが売られています。 生ハーブ用には一年中収穫しますが、乾燥品を作る時には最も香りが強い花の咲き始めに収穫します。
原産地 南ヨーロッパ。
種類 古くから各地で栽培されているので、100種以上の変種があります。
  • コモンタイム−(ガーデンタイム)普通に売られているタイムです。さわやかな香りが強い。 コモンタイムの中でも色々な変種があります。
  • レモンタイム−園芸用ですが料理にも使われます。少しレモンの香りがします。
現在の主産地 フランス、スペイン等。品種が同じでも産地の気候・環境によって香りが違います。
成分 香りの主成分はチモールとカルバクロール。チモールには強力な殺菌・防腐作用があります。
利用方法 肉、魚全般と相性が良く、色々な料理に幅広く使われます。 ぬるま湯ぐらいの時に最も香りが出るので、煮込む時には水から入れましょう。
  • ブイヨンをとる時のブーケガルニ(香草の束)の材料として欠かせません。パセリやローリエと組み合わせて使うのが定番です。 煮込む時は、生のものの方が後で回収しやすいです。乾燥した葉を使う時はティーバッグのような香辛料入れに入れて使います。
  • タイムをオリーブオイルに漬け込んで香りを移し、肉や魚をグリルする時にこのオイルをかけてから1時間ほどおいてから焼きます。
  • クラムチャウダーには定番
  • ハムには昔から防腐剤としてタイムが使われていました。
肉1kgに対する標準的な使用量 : 0.2g
粉のタイム小さじ一杯で     : 0.8g(生のタイムの小枝2本分に相当)
雑学 蜂はタイムの花が大好きで、古代ギリシアの時代から養蜂にはタイムがよく使われていました。


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制作日:2003年10月13日
更新日:2003年11月2日
上田 泰久