うど(独活)

Yama_udo

鮮烈な香りとシャリシャリとした歯ごたえが春の野山を感じさせます。 風も無いのに自分から動いているように見えるので"独活"。 またウゴク(動く)がなまってウド。数少ない日本原産の野菜です。

品種 ウコギ科タラノキ属の多年草。"土当帰"とも書きますが、これは"ドトウキ"と言うウドの別名の漢字を当てているからです。 "ウドの大木"などと言いますが、ウドは木ではなく草です。 草丈が3メートルにもなりますが、食べられるのは春に出る芽の部分だけです。 涼しい気候にあうようで、長野県、関東北部などに多く自生しています。 漢方薬として使われる場合は同じ"独活"という字を"ドッカツ"と読み、根を乾燥させて使います。
原産地 野生種は日本、中国、韓国に自生していますが、日本で改良され栽培化された日本原産の野菜と言えます。 10世紀頃にはすでに栽培されていたと言われますが、食料が十分でなかった時代に、 春に芽を食べるためだけにウドを栽培していたのでしょうか。
現在のような軟化栽培は江戸時代に始まりました。
種類 寒中でも芽が出て11月〜2月に出荷される寒ウドと、 3月〜5月に発芽して出荷される春ウドがあります。春ウドの方が軟らかく香りも良いようです。
また、単に"ウド"として売られる軟白ウド(東京ウド)と芽の先が緑がかった"山ウド"と言われるものがあります。
  • 軟白ウド−単にウドと言われます。畑で栽培した根株を秋口に地下の室(ムロ)に移し、暗闇の中で発芽させたものです。 発芽させてから1ヶ月程度で80cmぐらいに育てて出荷されます。
  • 山ウド−本来は天然のウドの事を言うのでしょうが、市場では軟白ウドを出荷前に太陽にあてて芽に緑色を付け、 香りを強くしたものが"山ウド"として出荷されます。"緑化ウド"とも言います。
産地と旬 春ウド出荷のピークである3月〜5月が旬です。 ウドはめずらしい東京特産の野菜で、三鷹市、立川市などが有名。住宅地の地下に3〜4mの深さの地下室(ムロ) を掘って栽培されているそうです。関西方面では中国地方の大山ウドが有名。
成分 クロロゲン酸という抗酸化性を示す物質を含んでいます。 その他、アスパラギン酸、コリンなどが豊富。
調理法 やはり生のまま拍子木に切って味噌や梅肉を付けて食べるのが一番。 ハマグリと共にお吸い物にするのも美味です。
アクが強いので皮を厚めにむいて酢水につけます。皮はキンピラにして食べられます。


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制作日:2003年4月12日
上田 泰久