ゆりね(百合根)

Yurine   柔らかな甘味とホクホク&モッチリとした歯ざわりが百合根の持ち味です。 ヨーロッパの人たちはユリの花が大好きなので、「ユリの根を食べる」と言うと驚きますが、 根のほうも花に負けずにゴージャスさと清楚さを併せ持つすばらしい食材です。 和え物、蒸し物など、関西で特に好まれる食材。
鱗片がたくさん合わさっているところから「百の根が合わさる」という意味で百合根という漢字があてられました。

品 種 ユリ科ユリ属のヤマユリ、コオニユリ、オニユリの球根です。ユリには多くの種類がありますが、 他の種類の球根は苦くて食べられません。
これらのユリを栽培するだけなら、痩せた土地でも鱗形やムカゴ(オニユリの場合)を植えるだけで育ちますが、 大きなユリネを作るためには大変な手間がかかります。植付けから収穫まで3年かかり、その間ずっと蕾(つぼみ)を取り (花に栄養を取られると球根が大きくならないので)、病気にならないように気をつけていなければなりません。 収穫の時も、傷つけないように一個づつていねいに掘り出してオガクズに詰めて出荷します。
原産地 ユリは世界中の温帯に分布していますが、ヤマユリは東北から近畿に分布する日本固有の種。コオニユリは日本各地と韓国、 中国北部に分布しています。オニユリは日本・中国北部・ロシア東部に分布していますが、日本には中国から持ち込まれたようです。
ユリネを食用にしているのは日本と中国だけだと言われます。日本では太古の昔から食べられていたようなイメージがありますが、 鎌倉時代以前の文献では唯一"新撰字鏡" (809〜901年−平安時代に成立した漢字辞典)に「根を干す」という記述が出てくるだけで、 いつ頃から食べられていたかよくわかりません。畑で栽培されて一般に食べられるようになったのは17世紀(江戸時代)からです。
産地と旬 ほとんどが北海道産。霜が降りる10月頃に収穫し、正月用の食材として12月に出荷のピークをむかえます。 収穫してから2〜3ヶ月経った頃の方がデンプンが糖分に変わって甘味が増しています。 正月が過ぎて値が下がった頃が買い得ですね。
食べ方 鱗片を一枚づつ剥がして使うのが基本です。ゆでる時は塩を多めに入れるのがコツです。
家庭料理としては、茶碗蒸し、カツオだしのあんかけ等にする事が多いと思いますが、私はシンプルな唐揚げが一番好きです。 ユリネ本来の持ち味を十分に引き出していると思います。
市場 日本での年間生産量は約4,000トン。95%が北海道産です。
一方、その70%が関西圏で消費されます。


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制作日:2004年1月2日
上田 泰久