ふき(蕗)

Fuki 数少ない日本原産の野菜の一つ。平安時代から野菜として栽培されていますが、 今でも全国の野山に自生しているので、4〜6月に若い葉柄(ようへい)を採って山菜として楽しむ事もできます。 フキは野菜でもあり山菜でもあるわけです。 透き通った淡緑色の葉柄は独特の香りと苦味を持ち、さわやかな春を表現する食材です。
春一番に出てくるフキのツボミがフキノトウです。
(写真は野生種。2002年4月、東京都港区にて。)


品 種 キク科フキ属の多年草。日本原産で近縁種の少ない独特の野菜です。 サハリン、朝鮮半島、中国の一部にも自生しています。名前の由来は「冬葱(ふゆき)または冬黄(ふゆき)」で、 冬にでる浅葱色の植物(または冬に黄色い花が咲く)という意味です。 寒さに強い地下茎を持ち、地上に出るのは葉とその柄(え)の部分、 そしてフキノトウとして有名な花の部分です。 雌雄異株で花が黄色いのが雄株、白が雌株です。
種類 野生種−日本全国の野山に自生していますが、近年は開発でさすがに数は減ってきました。 やや日陰で水分の多い場所を好むようで、またそうした場所のフキの方が柔らかでおいしい。 春から秋までありますが(冬になると地上部分は枯れてしまう。)美味しく食べられるのは4月から6月です。 7月を過ぎると固くなり苦味も強くなって、食用に適さなくなります。 なお、フキには葉柄の赤い赤ブキと緑色の青ブキがあり、青ブキの方が苦味が少ないと言われています。

栽培種−柄が太くて長いわりには繊維が少なく苦味の少ない種類が”野菜”として栽培されています。
  • 愛知早生フキ(あいちわせ)尾張フキとも言います。現在市場に出回っているのは、 ほとんどがこの愛知早生です。愛知では江戸時代からフキの栽培がさかんで、 今から150年〜200年程前に早生の品種が発見され選別栽培されたという事です。 雌株しかないので種子で繁殖できず、現在に至るまで株分けで栽培されています。
  • 水フキ(京フキ)−京都と奈良で栽培されています。柔らかで苦味が少ない。
  • 秋田フキ−秋田の名物になっている巨大なフキ。柄の長さが2m、葉の直径は1mに達します。 北海道のラワンブキから分化したとも言います。固いので野菜として出荷される事は少なく、 加工して砂糖漬けの和菓子として出回ります。仁井田地区が有名。
なおツワブキはフキに似ていますが別の種類です。
特産地と旬 栽培種の特産は愛知県。路地物の旬は野生種と同様に4月から6月です。最近はハウスものが通年出回っています。
食べ方 葉柄 は塩で板ずりしてからゆでて皮をむいて調理します。タイの卵や筍(たけのこ)との煮物、ゴマ和え、キャラブキなど。 (香木の伽羅(きゃら)に似た茶褐色に煮あがるのでキャラブキと言います。) 野生種の場合はゆでた後で水にさらしてアク抜きをしてから調理します。
は苦味が強いのですが、ゆでてから水にさらしてアク抜きし、みじん切りにして佃煮にするとおいしい。 ごはんと良く合います。
雑学 アイヌの神話に出てくる妖精コロボックルとはアイヌ語で「フキの下の人」という意味だそうです。
市場 栽培物の年間生産量は約2万トン。約40%が愛知県産で、そのうち80%が知多半島で作られています。


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制作日:2002年4月14日
上田 泰久