グリーンピース

Greanpeas グリーンピースは初夏の味覚です。冷凍や缶詰で一年中出回っていますが、 サヤから出してそのままゆでたグリーンピースは、さわやかな色と香りで新緑の季節を告げてくれます。 エンドウ豆(豌豆)の未熟の実で、サヤごと食べるサヤエンドウ(絹サヤ)と同種です。


品種 マメ科エンドウ属。グリーンピースはエンドウの未熟の実です。さらに未熟の実をサヤごと食べるのがサヤエンドウ。 また中国料理で使われる豆苗(とうみょう)は、エンドウの若い芽です。3月〜4月に紅色や白のきれいな花を咲かせます。
原産地 野生種が見つかっていないので確かな事はわかりませんが、地中海北岸かイランのあたりと考えられています。 ヨーロッパでは石器時代の遺跡からもエンドウ豆が発掘されるそうで、最も古い作物の一つと言えるでしょう。 長い間穀物として(豆として)利用されてきましたが、品種改良によって17世紀にサヤエンドウが、 18世紀にグリーンピースができました。 日本には「続日本書紀」にもエンドウに関する記述が見られることから、7〜8世紀にはすでに遣唐使などによって、 持ち込まれていたと考えられます。サヤエンドウとグリーンピースは江戸時代にヨーロッパから入ってきました。
産地と旬 鹿児島で全国の約50%、2位の福岡と合わせれば約75%が作られています。この2県での出盛りは4月か5月。 6月になると、関東や東北産のものが出てきます。
成分 各種ミネラル、ビタミン、タンパク質、糖質、食物繊維などをバランス良く含んでいます。
調理 グリーンピースはサヤから出すとすぐに皮が固くなってしまうので、なるべくサヤ付きを買いましょう。 せっかくの旬の味覚ですから。
ゆでる時はフタをしない事。沸騰しているお湯で2〜3分ゆで、なべのまま水を流しっぱなしにして冷やします。 この時に冷たい水が豆に当たらないように。こうすると皮にシワがよりません。 豆ご飯の作り方は色々ありますが、私はご飯に少量の酒と塩を入れて、豆を除いた後のサヤ(5〜6本)を入れて炊きます。 豆は一緒に炊きません。ご飯が炊き上がる直前に豆をゆでて、炊き上がったごはんに後から混ぜて (この時、最初から入れていたサヤを取り除いて捨ててしまいます。)10分ほど蒸らします。
この他、ポタージュや甘煮など、グリーンピースの香りと色を引き出す料理を工夫しましょう。
紫エンドウ Murasaki_Endo ツタンカーメンのエンドウ豆をご存知ですか?墓の副葬品の中にエンドウ豆があり、 それを蒔いたところ 3000年の時を超えて発芽したそうです。花もサヤも紫色で豆は緑色(熟すと茶色)。 今では世界中に広まって大事に栽培されています。もちろん食べられます。 現代のエンドウ豆に比べると、ちょっと小粒で淡白。上記の"豆ご飯"の炊き方のやり方で紫のサヤを10本ほど入れてご飯を炊くと、 ご飯が薄紫に色づいて美しい。ぜひ試してみてください。


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制作日:2002年5月19日
更新日:2003年6月1日
上田 泰久