生でも美味しいきのこ”シイタケ”を干して旨みをさらに増強しています。コクのある深い味わい、独特の香り。 日本のほこる強力な食材です。(写真は”どんこ”) |
原材料 | しいたけ。主にブナ科の広葉樹の枯れ木に生じるキノコです。東アジアから南太平洋のニューギニアまで分布していますが、 日本が本場とみなされています。学名はレンティヌス・エドデス。このエドデスはもちろん、江戸です。ほとんどが 人工栽培です。 |
種類 | ”どんこ”、”こうしん”などの種類がありますが、同じ種類のシイタケで笠の開き加減だけの違いです。
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作り方 | シイタケを天日乾燥してして作りますが、天日乾燥だけだと10日以上かかります。最近ではほとんどが熱風乾燥 1日だけです。 |
歴 史 | 12世紀にはすでに日本の乾シイタケが中国に渡り、ダシを取るのに使われていたそうです。
もちろんこの頃使われていたのは天然ものです。人工栽培が一般的になるのは江戸時代の17世紀で、
最初の特産地は伊豆の天城山一体です。すぐに筑後でも作られるようになりました。 ただし、この頃の人工栽培は、シイの木などの枯れ木に切れ目を入れ、林の中に並べて自然に胞子が着くのを 待つというもので、うまくキノコが出るかどうかは”なば師”(”なば”はキノコのこと)と言われる栽培師の腕と勘 しだいでした。現在のように培養した菌糸を種駒として枯れ木に打ち込む方法が確立したのは1943年、 森 喜作さんによってです。 戦後、都市ガスやプロパンガスが普及して薪が使われなくなると、里山・雑木でとれる薪が余るようになり、 それがシイタケ栽培のホダ木として使われるようになって、大都市近郊でのシイタケ栽培が盛んになりました。 1990年頃には、オガクズなどを固めた培地にシイタケの種菌を接種して育てる菌床栽培が登場しました。 現在では国内の生シイタケの半分近くが菌床栽培で生産されています。原木栽培に比べて発生までの期間が 短くなるようです。ただし乾シイタケに関して言えば、日本では原木栽培のシイタケしか使っていないそうです。 |
市 場 | 生シイタケとして出荷されるのが8万トン、乾シイタケとして1万トンです。毎年1,000トンの乾シイタケが香港、 シンガポールなどに輸出されています。現在では大分県が乾シイタケの生産量で日本一になっています。 |
成 分 | 乾シイタケの旨み成分はグアニル酸です。グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸、コハク酸などと並んで、日本料理 の主要な旨み成分の一つです。また、太陽光線にあてることによってビタミンDになるエルゴステロール、 コレステロールを低下させるエリタデニンなどの成分が含まれています。 |
調 理 | 戻す時のポイント。早く戻す時はぬるま湯を使います。砂糖を少量入れた水で戻すとうまくもどります。(砂糖の親水性) でも味だけを考えると冷水で5時間以上かけてもどすのがいいそうです。”どんこ”は一晩かかりますね。 容器ごと冷蔵庫にいれて冷やしながらもどすといいでしょう。グアニル酸の量が増えるそうです。 |