いか(烏賊)

Yariika   イカには多くの種類がありますが、大きく分けてスルメイカのような筒型のツツイカと楕円形で甲のあるコウイカの 2つのタイプに分けられます。スルメイカの項で書きましたが、イカ類の旬ははっきりしません。下記にある旬は 東京近郊の多数派意見です。(写真はヤリイカ)

ヤリイカ スルメイカに比べるとやや小型で身が薄く、柔らかくて癖の無い上品な味を持っています。耳もコリコリしておいしい。 皮むきもスルメイカよりずっと楽で便利なイカです。旬は6月から10月。
ケンザキイカ スルメはケンザキスルメとして最高の扱いを受けます。裂きやすく上品でコクのある味で、 「一番スルメ」と言われて中国に輸出されます。(これに対してスルメイカのスルメは裂きにくく、 コクはあるのですが野暮ったい味で中国では喜ばれません。国内で消費されるので、「二番スルメ」と言われます。)
アカイカ 本当の名前はバカイカ。同調が50cm以上になる大型のイカでヤリイカを大型にしたような感じです。 味も大味です。スルメイカに次ぐ漁獲高で1998年度は5万5千トン、日本での漁獲高の14%でした。
ホタルイカ こちらをご覧ください。  
コウイカ スミイカ、ハリイカとも言います。胴が楕円形で皮に灰色の模様があります。胴の中に甲があるのが名前の由来で、 甲羅の先端がとがっていて胴の下部からわずかに出ています。さっと塩茹ですると歯切れが良く、柔らかく て旨みが濃い。大変おいしいイカです。旬は9月から1月。  
シリヤケイカ 以前はマイカとも呼ばれていました。コウイカに似ていますが、甲の先端が胴の下から顔を出していません。 コウイカやカミナリイカと混同されていています。味は濃いのですが、コウイカより固く歯ごたえがあります。  
カミナリイカ モンゴウイカとも呼ばれます。コウイカを大型にしたようで、胴に派手なキスマークのような模様(紋)があります。 房総半島から南に分布しています。身が厚いわりには柔らかく旨みがあり、かつ重量感のあるおいしいイカです。 漁獲が少なく、幻の高級イカになってしまっています。  
ヨーロッパコウイカ カミナリイカの代用品としてアフリカから輸入されるようになったイカで、通称”モンゴウイカ”です。胴長50cmを 超えるものもある大型のイカで、カミナリイカと同様に派手な模様があります。カミナリイカよりやや大味。 カミナリイカとの見分け方は、触(長い足)に特大の吸盤が無いことです。輸入イカの半分はこの種で、 加工されて「ロールイカ」として輸入されることが多いようです。1998年に4万5千トンでした。  
アオリイカ コウイカのように楕円形の胴を持った大型のイカ。バショウイカとも呼ばれます。上品な味でおいしい。夏が旬です。  
シイイカ これは種類の名前ではありません。コウイカやモンゴウなどの子供のイカで、椎の身に形が似ているのでシイイカと 呼ばれるようです。夏の終わりになると、高級鮨屋に入ってきます。身が柔らかく、艶があって美しく、繊細で上品な 味です。シイイカを食べると「もう夏も終わりなんだなぁ」と思う、季節感の強い食材です。  


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制作日:2001年8月18日
更新日:2002年10月14日
上田 泰久