原材料 |
カツオが原材料ですが、あまり脂ののったものはむきません。現在では小笠原諸島近辺で採れたカツオ
(冷凍)がよく使われているそうです。
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作り方 |
- カツオを五枚におろす。(亀節を作る時は三枚におろす。)
- おろした身を茹でます。「煮塾」という工程で、温度が高すぎると身が締まり過ぎてしまい
低すぎると身が伸びてしまうので、温度管理にコツがいります(75度から85度)。
亀節で45分から60分、本節で60分から90分です。煮塾が終わったら一時間ほど冷まして
身を引き締めます。この状態が「なまり節」です。
- 「焙乾」。桜、椎、樫の木などを燃やしてカツオをナマリ節を燻して乾燥させます。
燻す事によって、生臭みが取れるそうです。燻すのは一度ではありません。
一日一回、8時間から9時間燻し、亀節で8回(8番火まで)、本節で10回から15回繰り返します。
焙乾を終えたものを荒節(鬼節)と言います。
- 次は焙乾によって表面に付いたタール分を取って形を整える「削り」という作業です。
身が欠けてしまった場合は、他のカツオの身を使って修復します。
- 「カビ付け」湿度85%、温度25度から26度のカビ部屋でカビ付けを行います。最初のカビ(一番カビ)は
12日から13日で発生します。カビがついたら日に干して、ブラシでカビを落としてしまいます。
その後またカビ部屋にいれてカビを付けます。二番カビは20日で発生します。
同じ作業を4回から6回繰り返します。(3回目以降はカビ部屋でなく外気で行う。)
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種類 |
仕上げによる種類:
- 荒節−仕上げの段階でカビ付けを行わない。関西圏で好まれる。ストレートな香りでコクのあるダシがとれます。
- 枯節−仕上げにカビ付けを行う。関東圏で好まれます。上品な味。何度もカビ付けをおこなったものを本枯れ節
と言うこともあります。
使用するカツオの部位による種類:
- 亀節−カツオを三枚に下ろしたままのもの。亀の形に似ているのでこう呼ばれる。
- 雄節−背節とも言う。カツオの背側を使うので、脂肪分が少なく上品なダシがとれます。一番だしにむいています。
- 雌節−腹節。腹側を使うので、脂肪分が多く、コクのあるダシがとれます。雄節と雌節の両方(つまり亀節ではないもの)
を本節と言います。
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歴 史 |
奈良時代には生のカツオを干した堅魚(カタウオ)や、カツオを煮て干した煮堅魚(にかたうお)という記述がみられます。
平安時代には早くも粥を炊く時のダシのような使われ方をされていたようです。
この頃のカツオブシは天日乾燥でした。
1670年頃に紀州(和歌山県)の甚太郎という人物が現在の「煤乾」(煙で燻しながら乾燥させる)の基礎を開発します。
甚太郎は1674年に土佐(高知県)にこの技術を伝え播磨屋佐之助と共に改良を加えていきました。
その後、1760年前後に紀州の与一という人物が煤乾方にさらに改良を加えながら、房州、伊豆などに伝え、
さらにこれらが全国各地に広まっていきました。 |
成 分 |
旨みの主成分はイノシン酸。特有のこうばしい香りはフェノール類中のグアヤコール、4−メチルグアヤコール、
2・6−ジメトキシフェノールの3つの成分が中心になっています。
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目利き |
たたくとカンカンと澄んだ音のする物、表面全体にカビが薄く付き中は黒褐色で艶のあるものが良品です。
あまり黄色いものは古くなっています。
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保存方法 |
真空パックになっていないものは湿気をきらうので保存が厄介です。虫もつきます。冬場は1ヶ月に一回。夏場は
二回ほど天日乾燥させましょう。
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調理 |
ダシをとる時にコツはとにかくたくさん使うことです。水の量に対して重量費で4〜5%が基本です。
カツオブシを入れたらグラグラと煮立てないように。あまり煮立てると香りがとんでしまいます。
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