和食の味のまさに基本です。海藻をダシに使うのは世界的に見てめずらしいそうですが、 料理に奥行きと格調を与えてくれる立役者です。代表的な旨み成分のグルタミン酸を発見したのは 東京帝大の池田菊苗博士ですが、博士は湯豆腐を食べていてその美味しさに気づき興味を持ったとのことです。 (写真は真昆布) |
品種 | コンブ科。寒流の流れる北海の海岸に近い岩場に育ちます。 |
産地と旬 | 日本では90%が北海道で採れます。それぞれの地域ごとに採れる種類が異なります。 下記の地図と種類の説明をご覧ください。 北海道では7月から10月に収穫されます。波がおだやかで、 採った昆布がその日に干せるようによく晴れた日でなければ収穫できません。 |
歴 史 | 奈良時代には朝廷に献上される貴重品でした。江戸時代になって北前船(きたまえぶね) によって大阪をはじめ全国に運ばれるようになって一般に広まってきました。 北前船が寄航する各地で様々な加工品にされるようになりました。昆布の集積地である大阪では、ダシを取った 後の昆布を煮詰めて作る塩昆布。福井県の敦賀(つるが)では、とろろ昆布やおぼろ昆布が発明されました。 |
成 分 | 旨みの主成分はグルタミン酸ソーダ。アルギン酸やアラニン、マンニットも含まれています。 旨み成分は昆布の表面に多いので、昆布を使う時は洗わずに固く絞った布巾でふくだけにします。 また、海藻なのでカリウムやマグネシウムなどのミネラル分を豊富に含んでいます。 |
目利き | 緑褐色でツヤのあるもの。肉の厚さが均一でよく乾燥しているものを選びましょう。 天然と養殖物があり、表示義務は無いのですが天然は天然と表示してあります。 | 調理 | 湿気を嫌うので、使う大きさに切って密封できる容器にしまいましょう。 常温でダシをとる時の最適な時間は30分です。これより短いと旨みが足りず、 一時間かけると昆布の匂いとクセがでてきます。30分たったら加熱して、 沸騰直前に火を止めて3分後にとり出すというのが最も美味しいダシをとる方法です。 |
真昆布 | 山出し昆布と言われることもあります。(函館から山を越えて運ばれてくるから)ダシ用コンブの最高級品です。 厚みがあり、長さは6m程度。澄んだダシにほんのりと甘味がのります。 採れる場所により切り口の白いタイプと黒いタイプがあり、白いタイプの方が商品価値が高いようです。 |
利尻昆布 | 真昆布に次ぐダシ用昆布の高級品。コクは真昆布よりも薄いのですが、 澄んでいて塩味の効いた上品なダシがとれます。利尻昆布でダシをとると料理も洗練された感じに仕上がります。 懐石料理で喜ばれ、京都では最も高く評価されています。 |
羅臼昆布 | ラウスコンブと読みます。正式には利尻系エナガ鬼昆布といい、単に鬼昆布ともいいます。 茶褐色でダシに使うと香りが良くコクのある濃いダシがとれます。真昆布と並ぶ高級品。 |
三石昆布 | 薄くて柔らかいので昆布巻きなどの煮物に適しています。日高(ひだか)地方で採れるので、日高昆布とも呼ばれます。 7mに達します。ダシに使うと青白くにごることがあります。 |
長昆布 | 全長15mに達します。生産量の最も多い昆布。三石昆布とともに昆布巻きなどに使われます。 沖縄に運ばれて、沖縄で野菜代わりに食べられるようになりました。 |
細目昆布 | 幅が細目で、1年目に採取されます。表面は黒っぽいのですが切り口は全昆布のうちで最も白く、おぼろ昆布、 とろろ昆布に使われます。 |