まぐろ(鮪)

Honmaguro 鮮やかな赤。かぐわしい赤身の香り、とろける脂はまさに刺し身の王様の風格です。 漁獲の減っている近海物の本マグロは非常に高価になってしまいました。
(このページでは主に本マグロ(黒鮪)について書きます。 めばちまぐろ、きはだまぐろ、びんなが(びんちょう)、 みなみまぐろ(インドマグロ)、などについてはその他のまぐろ をごらんください。)

品 種 サバ科の大型回遊魚。世界中の熱帯から温帯の海に分布しています。 本マグロは台湾近海で生まれ、イワシ、イカなどを食べて急速に成長します。 日本近海で1年ほど過ごしてから北回りで太平洋を周回します。
成長によって名前が変わり、生後1年ぐらいの20kg以下の時はメジ、2年から5年ぐらい、 20kgから40kgのものを中房、それ以上の大きさのものをマグロと呼びます。 最大で3メートル、600kg以上になります。特に大きなマグロをシビと呼ぶことがありますが、 これは熟成に4日かかるという意味です。食べるには200kg以下が柔らかく美味。
産地 と旬 遠洋で捕獲して冷凍されてくるので季節感はなくなってきていますが、日本近海物の旬は10月から1月です。 メジの旬は5月、中房は9月から10月(金華山沖から北海道にかけて)です。
成 分 脂質がマグロの味の特徴の一つです。食品成分表(四訂)では赤身の脂質が1.4%、トロが24.6%となっていますが、 冬場になると赤身で10%、トロでは40%にも達するということです。しかし不飽和脂肪酸が多いので、 なめらかでくどさがありません。赤身肉にはイノシン酸、アラニン、タウリンが多く、旨みとコクを与えています。 また、結合組織が少なく身が柔らかいのもマグロの美味しさの一因です。  
調理方法 刺し身、寿司、ヌタなど生で食べるのが一番ですが、 カマに近い部分をぶつ切りのネギと醤油で炊き上げたネギマもいいですね。

おいしく食べるために熟成の仕方とタイミングが重要です。40kg以上のマグロでは氷温で3日以上の熟成が必要です。 熟成が足りないと、筋が固くて噛み切れない、血なまぐさい、味の深みに欠ける、という刺し身になってしまいます。 たいへんもったい無い。反対に時間を置きすぎると、色が悪くなってきます。
冷凍ものは、死後硬直が起こる前に冷凍してしまっているので、解凍中に死後硬直と熟成がおこりますがタイミングを 計るのが非常に難しいです。 
ポイント 漁獲の仕方によってマグロの状態が違ってきます。マグロはエラをパクパク動かして呼吸する魚ではありません。 いつも高速で泳ぎ、流れ込む水で呼吸しています。延縄だと仕掛けにかかると泳げなくなって苦しくなるので、 さんざん暴れまわって死にます。さらに100kmもの延縄を引き上げるのに10時間以上かかります。 (たまたまかかってからすぐに引き上げられるものもいるわけですが。) この間に旨み成分のたんぱく質やアミノ酸が分解してしまうので、味にコクがなくなってしまいます。 一本釣りならそういう心配はありません。青森県の大間で10月から1月にあがるマグロが最高と言われています。 100kg以上のマグロが月に300本から400本あがるそうですが、最近は減少傾向で大変高価です・・・
では現実的なポイントを。
  • サクで買うときは木目が平行で、ある程度の間隔があるものを選ぶようにしましょう。 間隔が狭く、サクの片方に向けてさらに狭くなっているものは尻尾に近い部分で味が落ちます。
  • 12月下旬から正月にかけては非常に割高になります。厳冬の季節が旬というイメージがありますが、 10月から11月にも最高レベルのものがあがります。
 
コメント 最近、メジマグロを売っているのを良く見かけるようになりました。中房よりもさらにあっさりしていますが、 小さくても本マグロの香りをもっています。5年たてば立派なマグロになるのにもったいないです。 資源保護の事を考えると、大事な幼魚を採りまくってしまっていいのかと心配になりますが・・・  
市場 毎年国内の生食用として50万トンが消費されます。このうち27万トンが輸入です。  


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制作日:2001年7月15日
制作日:2002年4月27日
上田 泰久