まつたけ(松茸)

独特の香りと、ずっしりとした歯ごたえ、そして旬の一時しか味わえない希少価値でまさにキノコの王様。いや、秋の味覚の王様と言ってもいいでしょう。 国産品はめっきり減ってしまい、今や輸入物がほとんどです。 Matsutake

品種 キシメジ科。主に赤松の根に生える(共生する)菌根菌のため人工栽培が難しく、多くの人々の願いと努力にもかかわらず、 いまだに完全な人工栽培には成功していません。やせた土地を好むので、松の枯葉が厚く積もって腐葉土になっているような場所では生えません。 また適当に陽の差す場所の方がよく、深山ではなく、無駄な枝をはらったり落ち葉を掃いたりと、適当に人手の入った場所によく生えます。 ガスや電気が普及した近代では火付けに使うために松の枯葉を集める事もなくなったので、松林が富栄養化し雑菌が繁殖。 雑菌に弱い松茸の菌糸はシロを作る事ができずに、松茸も生えないという状況になってしまっています。
原産地 日本原産と言われていますが、ご存知のように中国・韓国にも自生しています。
旬と産地 旬は桜前線と反対に、北から南へと移動します。8月下旬に東北・北陸、9月に長野、10月になると初旬に京都近郊、 中旬に山陰、下旬に四国・九州と出始め、その後2週間で終わってしまいます。 まれに、梅雨時にでる早松茸(さまつ)というものもありますが、味・香りは秋の松茸にかないません。 昔からの有名な産地は石川・長野・岐阜・京都・岡山・広島など。
成分 香り成分は桂皮酸メチルエステル、マツタケオール、イソマツタケオール。これらは1940年代に合成に成功しています。
調理法 香りと歯ごたえを最大限に生かすためには、奉書にくるんで水に浸してから炭火で焼く奉書焼き、 エビギンナンと一緒に出しダシ汁でさっと加熱する土瓶蒸しなどが定番。 その他、松茸ごはん、天ぷら、釜飯、など。 ぜいたくですが、鶏肉のすき焼きに薄切りの松茸をたっぷりと入れると、香りと歯ごたえが際立ちます。
目利き 表面が湿っていて、軸の部分が固いものが良品。触ってみて柔らかいものは虫食いかもしれません。
傘が完全に開いてしまうと1〜2日で香りがとんでしまうので、関東では傘が開いていないもの、 関西では少し開いたものが好まれます。
市場 国内もので市場に出たのは97年=272トン、99年147トン、2001年は非常に少なく79トンでした。 それに対して輸入物は毎年3,000トン程度輸入されています。中国産(6月〜10月。国土が広いので)、 北朝鮮(8月下旬〜10月上旬)、韓国(9月上旬〜10月下旬)、カナダ(9月上旬〜11月)などが主な産地です。


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制作日:2002年11月6日
更新日:2003年1月4日
上田 泰久