にんにく

Ninnniku イタリア料理、スペイン料理、そして韓国料理の香りの主役です。牛肉や羊肉との相性がよく、 油で炒めた時の香ばしさはなんとも食欲をそそります。 日本ではカツオのタタキなどの土佐料理でうまく使われてきました。


品種 ユリ科ネギ属(アリウム属)。ニンニクの語源は忍辱(ニンジョク)。屈辱に耐えて修行するという仏教用語で、なにか スゴイ感じがします。古名は大蒜(おおひる)。蒜はネギ属の総称で、小蒜(こひる)はニラの事。 野蒜(のびる)という野草もありますよね。 ネギが”ひともじ”と言われたのに対して”にもじ”と言われていたこともあります。 ニンニクの茎や葉はネギとよく似ていますが1.5mぐらいまで成長します。
原産地 中央アジアのキルギス地方が原産ですが、古くからヨーロッパ各地で栽培されていました。古代エジプトの労働者がピラミッドを作る スタミナ源としてニンニクを食べていたという話は有名ですね。ギリシア時代には貴族にはその匂いで嫌われていたが、 奴隷にはせっせと食べさせていたという話です。
日本には奈良時代に韓国経由で入り、カゼ薬として使われていましたが、 禅宗において精がつきすぎるとの事からネギとともに「葷酒(くんしゅ。くんはネギ属の総称)山門に入るを許さず」 と言われて食用禁止になってからはほとんど食べられなくなりました。
唯一、例外的に食べ続けられていたのは土佐で、 カツオのタタキやドロメ(生のシラスをニンニクの若芽と酢味噌であえたもの)が有名です。 一般的に食べられるようになったのは戦後です。肉食の普及、韓国料理の普及とともに一般的な薬味になりました。
種類 最近はホワイト六片種という品種がほとんどです。 鱗片(りんぺん)という中のカケラが6個程度なので使いやすい。薄皮が白いの外見の特徴です。 この他に皮が薄紫色の品種もあります。
乾燥工程 ニンニクは収穫後に温室で20日ほど乾燥させ、 水分を30%ほど落としてから出荷されます。こうすることにより長期保存が可能となり、味と香りも良くなります。
産地と旬 青森県が全国の生産量の70%を締めています。三戸郡田子(たっこ)町が有名。 6・7月に収穫され乾燥工程が終わって市場に出てくるのは8月です。
成分 硫化アリルの一種アリシン。 細胞の中では無臭無刺激のアリイン(イオウを含んだアミノ酸)で存在しているのですが、 細胞が壊れて空気に触れるとニンニク自身が持っている酵素アリイナーゼの作用を受けてアリシンに変化します。 アリシンはニンニクやネギの香りの正体で、強い殺菌作用を持ち、ビタミンB1を保護し活性化させる働きをします。


食材事典のホームへもどる



制作日:2001年12月11日
更新日:2002年4月27日
上田 泰久