青く輝く魚体が、太陽を象徴する魚として信仰の対象にもなりました。京都の葵(あおい)祭りの時にサバ鮨を食べるのは、 そのなごりだそうです。サバ鮨を食べる時にそんな背景に思いをはせるのもいいのではないでしょうか。 |
品 種 | マサバ(ヒラサバ)とゴマサバ(マルサバ)がいます。普通にサバと言ったらマサバのことで、 日本各地の沿岸に広く分布しています。背中に”く”の字の黒い模様が続いているのが特徴です。 最近はノルウェー・マサバというマサバの近縁種をノルウェーから輸入するようになりました。 外見はよく似ていますが、”く”の字の模様が単純ではっきりと出ています。 ゴマサバは体の断面が丸く”く”の字の模様が薄く、腹のほうに小さな黒い斑点があります。 中部以南に分布しています。 |
旬 | マサバの旬は「秋サバ」と言われるように9月から11月で、この頃は産卵を終えた後で、
冬に備えて猛烈にエサ食べている時で、脂ののりが大変よくなっています。 ゴマサバはもともと脂質が少ないので、一年を通してあまり味が変わりません。 マサバの味が極端に落ちる春から夏にかけて重宝されます。 |
成 分 | サバにはヒシチジンという物質が多く含まれていて、これが時間が経つとヒスタミンに変化します。 このヒスタミンがアレルギーの原因になり、また生臭みの成分でもあります。 ヒシチジンの1gあたりの含有量だけを見るとサバの390mgに対して、 カツオ550mg、マグロ580mg、 ブリ490mgとなっていて、むしろサバのほうが少なめです。 なぜサバだけがアレルギーや生臭みを指摘されるのでしょうか。 それはサバがイワシなどと同様に水圧の低いところにいる表層魚で、 ヒラメのように肉質がしっかりしていないので細胞間の水分の移動が多く、 その結果、死後の成分の変化がはやく、鮮度落ちが早いからです。 |
調理方法 | サバは鮮度落ちが早く、生臭みのもとになる成分が多いので調理に工夫が必要な魚でした。 酒のコハク酸で匂いを消したり、 味噌のコロイド状物質で匂いの成分をからめとったりするのがコツです。味噌煮や竜田揚げで。 最近は流通が良くなっているので新鮮なものが手に入りやすくなりました。新鮮なものなら塩焼きや酢締めで。 新鮮なものでも地付きのサバ以外はなるべく生食は避けましょう。 |
ポイント | 関鯖が有名ですが、各地に群れから離れた地付きのサバがいます。 アジと同様にこうした地付きのものは身が固くしまっていて大変な美味です。 |
市場 | 一年魚なので、年による漁獲高の変動が大きいのですが、30万トンから80万トンぐらいです。 食用が30%から40%で、残りは養殖魚のエサや飼肥料になってしまいます。輸入は3万トンほどで、 ほとんどがノルウェーからです。輸入物は文化干しや酢締めに加工されます。 |
さば節 | こちらをご覧ください。 |