酒(日本酒)

日本料理に品格とコクを与えます。日本酒自身の香りもいいものですが、 素材の香りを引き出すという重要な役を果たしてくれます。

歴 史 アジア各国のお米文化圏にもお米のお酒はありますが、日本酒の大きな特徴は澱粉から糖分を得るための糖化に、 麹カビ(コウジカビ)を使っている事です。その他のアジア各国では自然に発生するクモノスカビやケカビを利用していますが、 日本では稲藁に付く麹カビを選別的に培養して使います。 (コウジカビは自然の状態ではあまり多く存在しないのですが、蒸した米の上で猛烈に繁殖する事と、 他の菌が繁殖しにくい35度以上の温度でよく繁殖するという性質を利用して選別的に培養します。 さらに室町時代になると、蒸した米に木の灰をまぶしてアルカリ性にして他の菌を死滅させ、 コウジカビだけを純粋培養する技術が確立します。)麹の形も日本では散麹(バラコウジ) と言われるようにお米に付けたままのパラパラした形のもので、 他の国のように餅状に固めたものではありません。この事から、酒造りは中国や韓国からも伝播されたが、 日本でも独自に発展してきたと考えられています。
平安時代から江戸時代にかけて、現在も使われている様々な酒造りの技術が開発されてきました。
原材料・造り方 こちらをご覧ください。
種 類
  • 純米酒、本醸造酒、普通酒:純米酒は米、麹、酵母、と水だけで作るお酒ですが、 本醸造酒はそれに他のものから作ったアルコール(醸造アルコール)を加えています。 ただし日本酒の規定で醸造アルコールは、使用する白米の重量の10%までとなっています。
    さらに普通酒では醸造用の糖分を加えることが認められています。
  • 吟醸、大吟醸:原料の米粒は中心部ほど澱粉が多く、周辺部ほどタンパク質が多くなっています。 飲料としておいしい酒とは「スッキリとしてキレのいい酒」ですので、 タンパク質が分解されたアミノ酸などの成分は邪魔になります。そこで原料のお米の外側を削り、 中心部だけを使ってお酒を造るのですが、もとの米粒の60%の重量まで削って使うのが吟醸、 50%までけずってしまうのが大吟醸です。この削る作業を「米を磨く」と言います。
  • 生酒:お酒として完成した後も、酵母やその他の菌が残っていると、味が変化していきます。 通常はそのような変化を止めて味を安定させるために、加熱して酵母や麹を死滅させます。 しかし生酒はこのような工程を得ないで出荷するものです。
成 分 酒の旨みの主成分はコハク酸だと言われますが、 ワインと比較すると白ワインの方がコハク酸が多いものが多くなっています。むしろグリシン、アルギニン、 アスパラギン酸など各種アミノ酸の含有量が、ワインよりも格段に多くなっています。
調理における酒の効用
  • 各種アミノ酸やコハク酸が、旨みを加えます。
  • 素材を柔らかくします。ミリンは素材を固くすることがありますが、酒はその反対の働きをします。
  • コハク酸の作用で魚などの生臭さを抑えます。
  • 素材に染みこみ、再び染み出てくる時に内部の香り成分を引き出してくれます。
調理のポイント 調理に使う酒は、アミノ酸を多く含んだ酒の方がはっきりと効果がでます。 アミノ酸の少ない吟醸酒は値段は高いが効果は薄いのでやめましょう。 一番いいのは飲むとくどいような味の純米酒ですが、本醸造酒でもかまいません。
アルコール分が邪魔になる時には沸騰させてから使います。



酒(日本酒)の造り方

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制作日:2001年9月25日
更新日:2001年9月28日
上田 泰久