さわら(鰆)

Sawara

あらゆる魚の中で最もおいしいという人もいます。身肉と皮の色が冴えないので、色を大事にする和食では タイやヒラメのような別格扱いはされていませんが、「サワラの刺し身で皿をなめた」と言われるように 味は格別です。鮨ネタとしても最高なのですが、大変身割れしやすいので扱いに技術が必要です。 「サワラぬ神に祟り無し」と言われて鮨屋から恐れられているとか・・・・。(写真は60cm程度のサゴチ)

品 種 スズキ目サバ科サワラ属。普通にサワラと言われるのは本鰆"Scomberomorus niphonius"です。細長い魚で全長1mぐらいが普通です。60cm以下の小さいものは サゴチ(関西ではサゴシ)と言います。近縁種にやや腹の張ったヒラサワラオキザワラカマスザワラ(オキザワラとも言う)、ヨコジマザワラオカメザワラなど種類が多く、本サワラよりはやや繊細さに かけますが、どれも結構おいしい魚です。どれも大型の魚でオキザワラなどは150kg以上になるそうです。
産地 と旬 温帯の海に広く分布していて、近縁種は地中海にもいます。能登半島、相模湾、瀬戸内海が有名。 旬は産地により異なり、駿河湾では10月から11月、瀬戸内海では3月から5月ということです。 最近は韓国からの輸入物も増えています。
調理方法 西京付けが一般的です。柔らかい身が締まり、西京味噌の甘味が上品なサワラの旨みを引き立てます。 旬の時期に新鮮なものが手に入ったら刺し身が圧倒的に美味。旨みはタイとシマアジの両者を併せたようで、 トロに似た食感があります。 ただし鮮度落ちが早いので、締めてから24時間以内に食べられるようでないとおいしい刺し身にはなりません。 また生の時は身割れしやすいので、扱いに注意が必要です。 地中海沿岸でも、生のサワラに一塩したものをオリーブオイルで食べるそうです。  
市場 近縁種も含めた国内の漁獲は2000年で11,000トン。 1997年の2,300トンを底にV字型回復しています。 長崎、宮崎、鹿児島の3県で約50%の水揚げがあります。  


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制作日:2001年8月18日
更新日:2006年4月23日
上田 泰久