旬については、分かりやすさのために各ページでズバリと明記していますが、実は結構複雑で、
同じ魚介類であっても人によって意見が違うこともあります。それは以下の理由によります。
- 何をもって旬とするかの考え方の違い。最もおいしい時期を旬とするか、大量に採れる時期を旬とするか
です。最もおいしい時期とは普通は脂がのっている時期です。(初ガツオ
のように例外もあります。)脂がのるのは産卵を控えた時期か、
寒さに耐えるために脂を蓄えた冬場です。(マダイは産卵を控えた春のタイを
サクラダイと言って最もおいしいとする説と、厳寒期の方がおいしいという説があります。)
通常は産卵期に魚は産卵のために沿岸の浅場に寄ってくるのでよく漁にかかるようになりますので、近海で大量
に採れる時期はだいたい美味しい時期です。しかしこの時期が食い違うことも多々あります。
(クルマエビは以前は夏場によく採れましたが冬は冬眠するので採れませんでした。漁獲からすると夏が旬です。
しかしおいしいのは春のマキと呼ばれる14cm前後の季節と秋口の冬に備えて栄養を蓄えている時期だと言われます。
ただし最近では冬眠中のクルマエビも電気を使って起こして採るという話もあり、天然物でも冬場も採れます。)
- どの部分を食すかによって美味しい時期が違います。カワハギの場合、身の部分は産卵期を控えた
7月頃がおいしいのですが、肝は11月から12月にかけてが大きくおいしくなります。
- どんな料理に使うかによっても違います。特に1年で成長してしまうようなものは、それぞれの料理にむいた
最適の大きさがあります。刺し身の場合には小さめの繊細な味が好まれるが鍋料理に使うのであれば、十分に
成熟したもののほうが味が濃いという具合です。
- 産地によって季節の移ろいが違うので旬がずれてくる場合。輸入物では当然、旬の時期は全然違います。
- 沿岸の地付きの魚と回遊している魚では旬が違います。
- 養殖物では当然ながら旬は天然物とは違うでしょう。
各ページでは東京近郊で一般的に言われている時期を記しています。
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