すずき(鱸)

銀色に輝く力強い容姿、ボリューム感のある白身にほのかに磯の香りを残しています。 (切り身の写真ですみません。) Suzuki

品 種 成長とともに名前の変わる出世魚で、30cm以下をセイゴ、30cmから60cmをフッコ、60cm以上をスズキといいます。 大きくなると1mを越します。フッコの時までは大きな河川の喫水域より上に住み、成魚のスズキになると、 喫水域の近くの海に住みます。秋から冬にかけて産卵します。
産地 と旬 島根県宍道湖のスズキは有名で、スズキの奉書焼きはこの地方の名物料理になっています。その他、東京湾を始め、 全国の大きな河川の流れ込む内湾に住んでいます。旬は6月から8月。
調理方法 身を締めて磯の匂いを消すために、アライを酢味噌で食べるのが一般的。 刺し身にする場合も皮を霜降りにして残し、涼感のある食べ方をします。奉書焼きなどの蒸しものもいい。 椀種も上品でかつ力強い白身と美しい皮目が生きます。 フッコは繊細で淡白な味ですが、スズキは力強い身の質感が他の白身魚に無い魅力です。 フッコもスズキも腹側はクセが強く、背側は比較的淡白です。  
市場 2000年の漁獲量は9,300トンで微増傾向です。  
コメント 幼少時を河川で過ごすので、どうしても河川の汚れの匂いを身につけてしまいます。 この匂いは成魚になってもとれません。産地が同じでも、固体によって匂うものとそうでないものがあり、 外見からでは全くわからないのでやっかいです。しかし最近では河川の汚れにも歯止めがかかったせいか、 こうした匂いを持つ魚も減ってきているようです。  
雑学 平家物語の舞台となっている平安後期は熊野信仰の全盛時代。 後白河上皇をはじめ貴族たちは競って熊野(紀伊半島南部)にお参りに行きました。 その道中には"精進潔斎"(身を清める)のため魚・肉・ニンニクなどを断たなければ なりません。
平清盛がまだ安岐守(あきのかみ)だった頃、熊野詣のために伊勢から船を出しました。すると突然、 大きなスズキが飛び込んできたのです。同乗していた先輩の修験者は意外にも「これは熊野権現の下さったごりやくです。 どうぞ召し上がってください。」とすすめます。昔、周の武王の船に白魚が飛び込んで来たのが武運を招く吉兆とされている 事を知っていたからです。清盛は精進潔斎の最中ですが、「熊野権現のごりやくを受ける」と決意して、 このスズキを自ら調理して食べ、家臣たちにもふるまいました。 禁を破ったにもかかわらず、その後の清盛には幸運が続き、平家一門の繁栄を招きます。 そこで人々は「平家は熊野権現の力を得ている」と噂するようになりました。(平家物語の"鱸の事"より)  


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制作日:2001年8月18日
更新日:2004年6月20日
上田 泰久 (yumilk@star.odn.ne.jp)