たら(鱈)

名前の漢字を見てください。魚へんに雪。雪の降る真冬に鱈チリをフーフー言いながら食べる様子が浮かんできます。

品 種 タラ科。真鱈(まだら)、スケソウダラ(スケトウダラ、助宗鱈、"魚へんに底"とも書く)、 コマイの3種がいますがこのページでは主に真鱈について書きます。
  • 真鱈は北半球の寒帯に広く分布し、日本では東北・北海道で採れます。体長1m以上になります。 食欲がとても旺盛で、いつもお腹が膨れているところから「タラフク」という言葉ができました。 外海を回遊する"沖鱈"と、岩場に住みつく"根鱈"がいます。
    普段は深海にいるので沖合いの底引き網で漁獲しますが、 冬に産卵のため浅瀬に来るところを刺し網や延縄でも採ります。 水分が多く身が柔らかいので、淡塩で身を締めて塩鱈としても流通します。
  • Suketo_Tara スケソウダラはやや小型で北太平洋に分布。日本では北海道、三陸沖、日本海側の佐渡などで漁獲されます。 70年代は北洋漁業の中心で日本全体の漁獲量の3分の1を占めるほどでしたが、 近年は日本近海ではほとんど採れなくなり、沖合い漁業では200海里の規制で漁獲が激減してしまいました。 すり身にしてカマボコに使われます。
    韓国語でスケソウダラの事を”メンタイ”といいますが、辛子明太子やタラコはスケソウダラの卵巣です。 また韓国料理の逸品であるチャンジャはスケソウダラの胃をキムチ風の味付けにした塩辛です。 一匹で数グラムしかとれない胃を集めてヒダの掃除をして漬け込む手間は大変なものでしょう。
なおヒゲダラとギンダラは別種の魚です。
タラコ・白子 Tarako 真鱈の卵巣は黒くてグロテスク(写真右)なので商品になりにくいのですが、煮付けにすると美味しく食べられます。
白子は雄の精巣です。真鱈やスケソウダラの白子は細かいヒダが菊の花のようなので、 菊子と呼ばれています。 ネットリとした質感で濃い旨みがあり、 ポン酢、モミジオロシとワケギで食べるとほのかな甘味もあって大変おいしいです。 ただし鮮度が命で一日たつと輪郭がくずれてベタベタになってしまいます。
産地と旬 北海道、青森県などの内湾に産卵にくるタラを刺し網でとったものが有名ですが激減しています。 12月から2月までの厳寒期が旬です。
成分 水分が多く身肉の脂質が0.4%と非常に少ないのであっさりした味わいです。旨み成分もトリメチルアミンオキサイド、 アンセリン、メチルヒシチジンなどのあっさり系のものが多くなっています。
調理方法 鮮度落ちが極めて早い魚で、氷蔵しても一日で匂いが出てしまいます。 刺し身も美味しいそうですが産地でしか食べられません。 淡白な身は昆布ダシと相性がいいので、タラチリなど昆布だしを利かせた鍋が一般的です。煮えやすいので煮すぎに注意。 青森ではジャッパ汁(ジャッパとはアラの事)と言って、身・頭・内臓・卵巣・白子まで全部入れて野菜と一緒に鍋にします。 味噌仕立てが多いようです。
タラは外国でもよく食べられており、フライ、ムニエル、カルトッチョ(ホイル蒸し)など幅広く使われます。
なお塩鱈は塩がきつ過ぎたら塩抜きをして使いましょう。  
目利き 切り身はピンクがかって透明なものが新鮮です。冷凍物は白く濁っています。  
市場 真鱈の漁獲は約5〜6万トンで、60%が北海道で水揚げされます。漁獲量はほぼ横ばい。 スケソウダラの漁獲は2000年に30万トン、12年前の4分の1に減ってしまいました。 86%が北海道で水揚げされます。200海里問題で北方海域での操業ができなくなり、代わりに輸入が増えました。 現在は親魚の輸入が15万トン。卵巣(タラコ)の輸入も6万トン以上あります。  


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制作日:2002年1月16日
更新日:2003年11月16日
上田 泰久