豆腐(とうふ)

Tofu 低カロリーだが栄養価が高く、かつ栄養の吸収率も高いという健康食品です。淡白な味なので多様な調理方法と 他材料との組み合わせが楽しめます。夏場の冷奴、冬の湯豆腐など、シンプルに食べるのもおいしいですね。
原材料 大豆と凝固剤と水です。大豆にはフクユタカ、エンレなどの種類があるが、エンレ種が一般的。 凝固剤は豆乳に溶け込んでいる大豆タンパクを固まらせる役目をします。伝統的にはニガリ(塩化マグネシウム)で、 海水からを作る時に副産物としてできます。 ニガリの他にもスマシ粉(硫酸カルシウム=石膏)、塩化カルシウム、グルコノデルタラクトン、 グルコン酸ナトリウムなどが作る豆腐の種類に応じて(あるいは調合されて)使われます。 ニガリは戦時中に軍需物質として使われて不足したのを切っ掛けとして使用が減ってきましたが、 最近の自然ブームで再び使用が増えてきました。ニガリを使うと大豆の甘味を引き出すと言われていますが、 凝固作用が強く豆乳に入れるとすぐに固まってしまうので、扱いが難しいと言われています。
豆腐の80%以上はですので、原料として使う水は、 豆腐の味に直接影響を与えます。軟水がいい。
この他、豆乳の泡を消すためにグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン樹脂などの消泡剤が使われます。
作り方 大豆を一晩水につけてから細かく砕き、水を混ぜる。水の量は大豆の5倍(絹ごし豆腐)から10倍(木綿豆腐)。 この汁を煮るのだが急に温度が上がらないように蒸し器などでじょじょに加熱する。煮あがったものを布で絞れば 豆乳ができます。絞り粕が”おから”です。また豆乳の上に自然にできる膜が”湯葉(ゆば)”です。 豆乳をもう一度加熱し、凝固剤を入れると固まって豆腐になります。
この後の工程は”種類”の項目を参照してください。
種 類 木綿豆腐:大豆の10倍の水で豆乳と作り、凝固材を入れて固めた後、一度形を崩して型箱に入れて押し固めます。 型箱には水切りの穴が開いていて、布をひいて使います。この時の後が木綿豆腐の布目になります。 型箱に入れずにそのまますくったものが”寄せ豆腐”。ザルにあげて自然に水切りをしたものが”ザル豆腐”です。
絹ごし豆腐:大豆の5倍の水で濃い豆乳を作り、穴の開いていない型箱に流してから凝固剤を入れて、 そのまま固めたものが絹ごし豆腐です。水切りをしていないので、水分が多くなめらかな食感になります。
充填豆腐:絹ごし豆腐と同じ濃い豆乳を作り、一旦冷やします。これを凝固剤とともにパックに入れ、密封してから 加熱して固めます。戦後の新しい方法です。食感は絹ごし豆腐と同じです。
歴 史 豆腐は中国で2000年前から作られていたと言われます。豆腐の「腐」の字は、「くさる」という意味ではなく、 中国語で「固まる」とか「柔らかい固体」という意味です。日本には奈良時代に中国への留学僧によってもたらされ、 鎌倉時代までは主にお寺で作られ食べられていたようです。また、沖縄には中国との貿易を通して、 土佐には朝鮮からの豆腐職人の入植によって、それぞれ独自のルートで伝えらました。
室町時代になると、一般庶民も豆腐を食べるようになり、さらに江戸時代には安価で色々な料理に適合する食品と して不動の地位を築くことになります。
成 分 タンパク質、いくつかの必須アミノ酸、リノール酸やリノレン酸などの必須脂肪酸、ビタミンB1とビタミンE、鉄や亜鉛、 カルシウムなどのミネラル分など、人間が生きるために欠かせない大事な成分が豊富に含まれています。 しかも、豆腐ではタンパク質や脂肪が吸収されやすい形になっています。
調 理 豆腐百珍(1782年に大阪で出版された。238種類の豆腐料理が記載されている。)にもあるように、昔からあらゆる 調理方法が試みられてきました。調理全般に共通するポイントは水にさらして残っているニガリを抜くことと、調理に あわせてきちんと水切りをすることです。冷奴なども、買ってきた豆腐を水にさらしておき、 さらにさっと湯にくぐらせてから再び冷やして食べると見違えるように豆腐の持っている甘味が現れてきます。
コメント ニガリ豆腐とグルコン豆腐 −  Tofu ニガリで作った豆腐は固めで豆乳の甘さが出ます。グルコノデルタラクトンを主に使ったものは、舌触りがなめらかで 絹ごし豆腐のツルンとした感じが好きな人に好まれます。また長時間加熱してもスが入りにくく、 煮崩れしないという特徴があります。
現状では、数種類の凝固剤がブレンドして使われる事がほとんどで、 また凝固剤の種類の表示義務が無いため表示の不完全な製品もあって分かりにくいのですが、 豆腐を選ぶ時の参考になると思います。
ごく最近でてきたグルコン酸ナトリウムは大豆の匂いを隠す作用があるので、豆腐をデザートなどに使い、 他の香りを付ける時にむいているという事です。


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制作日:2001年8月12日
更新日:2002年1月5日
上田 泰久