鶏肉

物価の優等生として日本人の食生活を助けてきましたが、最近では価格をなるべく抑えながらもよりおいしい鶏肉を 提供しようという試みが盛んになってきています。そういった意味で今後最も注目される食材です。

品 種
  • ブロイラー : 市場に出ている90%はブロイラーです。ブロイラーは種の名前ではなく、 白色プリマスロックの雌とコーニッシュの雄をかけ合わせた一代雑種など、肉用に改良された交雑種を 生後8週間で2.5kg程度に育てて出荷する通称「若鶏」の事を言います。 この間に与える飼料は5.0kg。つまりエサ2.0kgあたり肉1.0kgに なるという驚異的な飼料効率を誇ります。おとなしい性格なので、鶏舎にぎゅう詰にして飼うことができます。肉は柔らいが 味、コクがありません。味の点で色々と言われることの多いブロイラーですが、鶏肉の価格を下げたという点 では評価しなければなりません。
  • 銘柄鶏 : 肉がおいしいと言われる品種でも、飼料効率がほどほど高く、飼いやすくないと商品としては でまわりません。市場に出ている銘柄鶏はほとんどが、肉がおいしいと言われる兼用種と肉用種との交雑種です。 地鶏・銘柄鶏
  • 在来地鶏 : 昔から飼育されていたのは、卵も良く生むし肉もほどほどおいしい兼用種です。 肉用に高度に改良されたブロイラーや採卵用の白色レグホーンが導入される以前は、 そのような兼用種がもっとも経済的だったからです。ただし本当の在来地鶏はすべて天然記念物になっているので 食べられません。市場に出ているのは銘柄鶏と同様に地鶏と肉用種との交雑種です。 銘柄鶏と区別する為に、地鶏の血統が50%以上、等の基準を設定しています。 地鶏・銘柄鶏
  • フランスのブレス鶏(赤ラベル) : 味わいの奥深さ、歯ごたえ等、最高と言われる鶏です。
  • 卵用種の廃鶏 : 現在、採卵用の鶏の90%は白い卵を産む白色レグホーンです。(10%の赤玉は、 ロードアイランドレッドと白色レグホーンの交雑種のタマゴです。)廃鶏とは卵を産めなくなった雌鶏で、 肉用種ではないので肉量が少なく固く、ほとんど市場に出回りません。トリガラとしてはブロイラーの若鶏に 比べれば格段にコクのあるダシが取れるそうですが、残念ながら入手が困難です。
産 地 鹿児島県、宮崎県、岩手県の3県で全国の鶏肉生産の約半分を占めます。肉屋で市販されているものは大体、国産品、 ファミリー・レストランではタイ、アメリカ、ブラジルなどからの輸入物を主に使っているそうですが、どうなのでしょうか?
部 位 大きく分けてモモ肉、ムネ肉、手羽、内臓と骨(ガラ)です。この他に胸部の内側にあるのがササミです。 モモ肉は歯ごたえとコクがあります。ムネ肉は脂が少なめでいくぶんあっさりしています。 手羽には羽の先端の手羽先、手羽中(チューリップ)、手羽元があります。ササミは淡白で柔らかいのですが、中央に 筋があるのでこれを取り除いて使いましょう。加熱しすぎないように。
内臓は一般的には心臓、砂肝(2番目の胃袋)、レバー、輸卵管、と卵巣を食べます。卵巣は未成熟の卵黄が連がった もので、すき焼きなどに入れるとすごくおいしいのですが、産卵期の雌鶏にしかりませんので現在はブロイラーでは 売られていません。
調理方法 鶏肉の熟成は牛、豚に比べてかなり早く進むので、なるべく買ってきた日に食べましょう。 4℃での貯蔵で8時間が最もイノシン酸が多くなるという事ですので、魚なみの新鮮さが要求されます。
ブロイラーの若鶏は味が薄く柔らかいので、調理で積極的に味付けをするような調理が向いています。 煮物にはむいていません。ブランド品は、水炊き、野菜との煮物、すき焼きなどがおいしいです。  
市場 2001年に国内生産は骨付き肉ベースで89万トン、輸入は41万トン (中国14万トン、タイ12万トン、ブラジル9万トン、アメリカ6万トン)でした。  
コメント ブロイラーでも適切な飼料を与えて14週〜16週育てると、味がぐっと濃くなり歯ごたえもでてきておいしくなります。 もちろん飼料効率はどんどん落ちてきますし、9週目以後に羽根が抜け替わるので飼育に手間がかかり 割高になってしまいますが、これを”100日鶏”と名づけて売っていた時期もありました。 しかし価格のせいか、今一つ人気が出なかったようで最近はあまり見かけません。 (これに対し、8週で出荷されるものを”若鶏”と言っています。)鶏肉の需要がニ極分化していて、 おいしい高級品は名古屋コーチンなどのブランド品、ブロイラーにはただひたすら低価格が望まれていて、 100日育てたブロイラーは中途半端なのでしょう。  


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制作日:2001年8月13日
更新日:2002年3月8日
上田 泰久