安くて栄養価が高いということで、日本の食卓でおなじみの納豆です。 黒豆納豆などのバリエーションも増えてきました。 |
種 類 | 納豆には、大きく分けると2つの種類があります。一つは納豆菌で発行させた糸引き納豆。 もう一つは塩納豆(寺納豆)と呼ばれるもので、 麹菌(こうじ)等を使って何ヶ月も熟成させて作るものです。このページでは糸引き納豆について記述しています。 |
原材料 |
大豆と納豆菌です。主流の小粒納豆は、「地塚」「生娘」などの極早生品種が多く使われます。
庄内のだだちゃ豆を使った”だだちゃ納豆”、丹波の黒豆を使った
”黒豆納豆”などもあります。 納豆菌は好気性で、胞子の状態では日光、乾燥にも強く、零下100度でも熱湯の中でも死滅しないと 言われています。だから稲わらを蒸気で殺菌して、他の菌が死滅してから残った納豆菌を大豆に付ける ということができるのです。 |
作り方 | 大豆を一晩水につけてから5時間ほど煮ます。(蒸してもよい)。納豆菌を付けてから摂氏40度、 湿度90%で20時間程度、醗酵させて作ります。 |
歴 史 |
語源としては、中国の僧院で作られていた「納所大豆」が基になっています。納所とは、僧侶の食料(お布施)
を入れておく場所。 本当の起源は、弥生時代から自然に発見されて伝えられていたと言われています。日本の各地に 「煮豆がいつのまにか納豆になっていた」という逸話が残っています。アジア各地にも、煮豆をバナナの葉 などに包んで醗酵させる納豆の相当品がありますので、 各地で自然発生的にできたと考える方が自然です。 ただし、日本以外の国では包む葉に自然に付いているクモノスカビや細菌による醗酵が多いのに対して、 日本の納豆はワラを干して乾燥させ、さらに蒸して他の細菌、カビを死滅させ、納豆菌だけを純粋培養して 使っている所が特徴です。 近代的な納豆は大正7年に北海道大学応用菌学教授の半沢洵博士が「納豆改良会」を設立し、 純粋培養した納豆菌と管理された環境下でおいしく衛生的な納豆を効率よく作る運動を始めたのが切っ掛けです。 半沢博士の功績無しには今日の納豆の普及は考えられません。 |
うまみ成分 |
納豆のうまみ成分は、グルタミン酸をはじめとする豊富なアミノ酸です。大豆のたんぱく質が、
納豆菌の出す酵素で分解されてできます。納豆は安い食材ですが、うまみ成分の量は爆発的です。 アミノ酸と甘味成分はよくかき混ぜるほど増えていきます。農林水産省食品総合研究所の実験では、 アミノ酸は100回かき混ぜると1.5倍、300回かき混ぜると2.5倍。 甘味成分は100回かき混ぜると2.3倍、400回かき混ぜると4.2倍にもなったそうです。 |