さざえ

Sazae 磯の香りのする刺身と深い味わいの味壷焼。全く異なった美味しさをみせてくれます。 さざえを買った時にはいつもどちらにしようか悩みますよね。

品 種 刺がある貝と無い貝がありますが同種です。養殖物や波の静かな内湾で育ったものは刺が ありません。成長すると刺を除いて10cmぐらい。ワカメ、テングサ、トサカノリなど を食べています。食べる海藻の種類によって色が変わると言います。 雄は生殖腺が白、雌は深緑色。
産 地 北海道南部から九州までほぼ全国に広く分布しています。
春から初夏という説と、冬から春という説があります。だいたい魚介類の旬に関しては 近海物に限っても産地や、水揚げ量と味のどちらを優先するか、などで諸説あるので複雑 です。
成 分 足の部分を生で食べるとコリコリして硬いのは硬たんぱく質であるコラーゲンが多量に 含まれているからです。コラーゲンは加熱するとゼラチンになりやわらかくなります。 一方、肝に近い奥の方の身は、刺身で食べるとやわらかいが、壷焼きにすると硬くなりま す。この部分にはミオゲンなどのたんぱく質が含まれていて、これは加熱すると逆に硬く なる性質も持っているからです。エキス分は貝類の旨みの特徴であるコハク酸がアワビの 2倍含まれており、逆にタウリン、グリコーゲンは少なめになっている。ビタミン、 ミネラル分も豊富に含まれています。  
調理方法 刺身にする場合は生のままで身を引き出さなければなりません。ふたを下にして20分ほど 伏せて置いておくと、ふたが緩んできます。すきを見てフォークを突っ込み、ふたが閉まる のを防いでおいて貝割りか小型の包丁を軸に沿って、つまり内側に入れてスジを切ります。 失敗したら刺身はあきらめて壷焼きにしましょう。
壷焼きの場合は、そのまま焼いて醤油を垂らしただけでも十分美味しいです。身を細かく 切ってシイタケや銀杏を入れる場合には、やはり身を殻から引き出さなければなりません。 ただしどうせ加熱してしまうので、電子レンジで1分ほど加熱してから身を引き出すと簡単 です。ゆでるとエキス分が流れてしまうので、電子レンジの方が優れています。  
市場 2000年の日本での漁獲高は9,800トンで安定しています。  


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制作日:2000年3月25日
更新日:2003年6月1日
上田 泰久