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<16>妙行寺にあるお岩さんの墓

夏と言えば怪談話。
日本の幽霊の元祖ともいうべき「お岩さん」
はあまりにも有名だ。

お岩さんは四世鶴屋南北作の世話物
『東海道四谷怪談』の主人公であるが
そのお岩さんの墓が西巣鴨・妙行寺
(みょうぎょうじ)にある。

と言うと、「お岩さんて実在の人物なの?
『四谷怪談』はフィクションでしょ」と思わ
れる人が多いだろう。

しかし芝居の脚本が書かれる約200
年前お岩さんは実在したのだ。
妙行寺はもと四谷にあり、お岩さんの
家は妙行寺の檀家であった。

寺の過去帳に法名と没年が載っており
末裔の田宮家では「お岩さんは
貞女だった」と主張する。

お岩さんの眠る西巣鴨の妙行寺

『東海道四谷怪談』は四世南北(1755〜
1829)が71歳の時に書いたもので
文政8年(1825)7月、江戸・中村座で
三世尾上菊五郎のお岩・小平・与茂七の
三役、七世市川団十郎の伊右衛門、五世
松本幸四郎の直助らにより初演された。

歌舞伎の見せ場としては、浪宅で
髪の毛が抜けて変貌する「髪すき」の場
隠亡堀では戸板の裏表に張り付けられた
お岩・小平の幽霊が現れる「戸板返し」
また「提灯抜け」や「仏壇返し」などの
仕掛けが見られ、お岩の役は尾上家の
家芸として継承されている。

お岩さんを芝居や映画にする時
興業が無事に終るようにお詣りしないと
祟りがあると信じられている。
お岩さんの墓。
中央、多重塔の形をしたもの。
右は法名「得證院妙念日正大姉」
の刻まれた石塔
四谷三丁目にある「於岩稲荷田宮
神社」はお岩さんゆかりの神社。

末裔の方によると、
「実在のお岩さんは夫婦仲良く貞淑な妻
で屋敷内の稲荷社を信仰し、そのお陰で
傾きかけた家が再興された。
このご利益にあずかろうと江戸中の
人気を集めた。従ってお岩さんの祟り
とか怨霊は全くの創作だ」とのこと。

この「於岩稲荷神社」の向い側に
日蓮宗・陽運寺がある。

こちらにも於岩稲荷の赤いのぼり
旗が立っている。

ここにはお岩さんの木像があり、
お願いすれば拝観出来る。

お岩さん没後360余年、
今後も「四谷怪談」とともに、
お岩さんの名は語り継がれて
いくことだろう。

虚実織り交ぜて。
新宿区左門町にある於岩稲荷
田宮神社(右)と陽運寺の
於岩稲荷(左)の二つののぼり旗
陽運寺にあるお岩さんの木像
台座とも36cm、江戸後期に製作
されたものという
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