数学基礎論サマースクール 2012 (終了しました)

    ◆ 計算可能性とランダムネス ◆


数学基礎論サマースクール 2012は、111名の方にご参加頂き、盛会のうちに無事終了いたしました。ご参加してくださった皆様に、お礼申し上げます。

集合写真撮影参加者有志        集合写真撮影参加者有志

    写真集: 集合写真  講義風景


数学基礎論サマースクールは年一回夏に開催されています。 毎年テーマを決めて、その道の専門家の方を講師としてお招きして、入門的な内容から最新の話題までさまざまな講義をしていただいています。

数学基礎論サマースクール 2012は、「計算可能性とランダムネス」をテーマに開催します。 今年のサマースクールは、基礎コースおよび、それに続く発展コースからなり、 特に基礎コースでは、チューリング生誕100年を記念して、入門講座「計算可能性の理論」を開催します。 本スクールでは、対象を数学基礎論専攻の方に限定せず、市民、学生そして一般の数学者の皆さんに興味を持って頂ける話題を提供する予定です。

◆ 実施概要

テーマ
計算可能性とランダムネス
主催
日本数学会 数学基礎論および歴史分科会
日時
2012 年 9 月 4 日 (火) 午後 〜 9 月 7 日 (金) 午前
会場
東京工業大学 大岡山キャンパス 西9号館 W933講義室 (大岡山キャンパスへの交通案内大岡山キャンパスマップキャンパス内での西9号館の位置
定員
120名(当日先着順、事前申込不要)
参加費
全課程無料
世話人
幹事:只木孝太郎(中央大学)、鹿島亮(東京工業大学)、鈴木登志雄(首都大学東京)

    スケジュール


  9月4日(火曜日)
   13:30 		開場
   14:00 〜 15:30	基礎コース入門講座「計算可能性の理論」T  (鹿島 亮)
   15:40 〜 17:10	基礎コース入門講座「計算可能性の理論」U  (鹿島 亮)
  
 9月5日(水曜日)
    9:30 〜 11:00	基礎コース入門講座「計算可能性の理論」V  (鹿島 亮)
   11:10 〜 12:40	基礎コース入門講座「計算可能性の理論」W  (鹿島 亮)
   12:40 〜 14:00	        昼休み
   14:00 〜 15:30	発展コースアルゴリズム的ランダムネス入門T  (只木 孝太郎)      講義資料
   15:40 〜 17:10	発展コースアルゴリズム的ランダムネス入門U  (只木 孝太郎)
  
 9月6日(木曜日)
    9:30 〜 11:00	発展コース代表的ランダム性T  (樋口 幸治郎)      講義資料
   11:10 〜 12:40	発展コース代表的ランダム性U  (樋口 幸治郎)
   12:40 〜 14:00	        集合写真撮影,昼休み
   14:00 〜 15:30	発展コースランダムの概念はどう使えるか  (宮部 賢志)      講義資料
   15:40 〜 17:10	発展コース歪んだコインとフラクタルT  (木原 貴行)      講義資料
     18:00 〜		        懇親会
 
  9月7日(金曜日)
    9:30 〜 11:00	発展コース歪んだコインとフラクタルU  (木原 貴行)
   11:10 〜 12:40	発展コースランダムの概念はどう発展してきたか  (宮部 賢志)      講義資料
  

    基礎コース: チューリング生誕100年記念事業 ◆ 入門講座「計算可能性の理論」


数学基礎論サマースクール 2012 「基礎コース」では、 チューリング生誕100年を記念し、計算可能性の理論を広く社会の皆さんに理解して頂くため、計算可能性の理論についての入門講座を開催します。

チューリングなどによって創始された計算可能性の理論は、コンピュータで計算できること、できないことの明確化など、コンピュータの動作の普遍的な原理に関する数学です。 本講座ではこの理論の本格的な内容を、チューリングマシンといった仮想的なモデルではなく現実のC言語を使用してわかりやすく説明します。 本講座はどなたでも受講可能です。 計算可能性の理論に興味を持つ市民、学生、研究者の皆さんの参加を歓迎します。

テーマ
C言語による計算可能性の理論入門
日時
9月4日 (火) 14:00 〜 17:10 (前半)
9月5日 (水) 9:30 〜 12:40 (後半)
講師
鹿島亮 (東京工業大学)
内容
C言語を用いて計算可能性を定義した後に、万能関数の計算可能性、停止問題の計算不可能性、再帰定理、ライスの定理など、 計算可能性理論の核となる内容を教科書第4章までを使って丁寧に説明します。 その後、原始帰納的関数、帰納的関数、チューリング機械、P≠NP予想、計算不可能性の階層などの話題を、教科書第5章から第10章までに沿って簡単に説明します。
使用教科書
鹿島亮,『C言語による計算の理論』,サイエンス社 (各自でご用意ください。東工大生協大岡山購買書籍店でも購入可能です(在庫が少しあります))
まえがき・目次・各章の冒頭を立ち読みできます:pdfファイル(7.9MB)
参加費
無料

    発展コース: アルゴリズム的ランダムネスと数学


数学基礎論サマースクール 2012 「発展コース」では、例年の数学基礎論サマースクールと同様に、 その年のテーマに沿った最新の話題について、専門家の方を講師としてお招きし、講義をしていただきます。

今年のテーマは「計算可能性とランダムネス」です。 具体的には、計算可能性の理論の一分野であるアルゴリズム的ランダムネスAlgorithmic Randomness)が今年のテーマです。 コイン投げを繰り返し行って0と1の系列を生成した場合、その系列は“ランダム”であると考えるのが自然でしょう。 しかしそもそも、0と1の系列のランダム性とは、数学的にはどのように定義されるものなのでしょうか? アルゴリズム的ランダムネスは、一見すると捉えどころがない概念であるランダム性について、正確な定義を与えることを可能にする研究分野です。 アルゴリズム的ランダムネスは、 アルゴリズム的情報理論Algorithmic Information Theory)とも呼ばれ、 現在特に、再帰理論(Recursion Theory)の中心的存在として、大きく発展しています。 しかしながら、アルゴリズム的ランダムネスは、数学基礎論に限定せず、 解析学一般(フラクタル幾何学、微分可能性など)や確率論(ブラウン運動、確率概念の基礎付け、マルティンゲールなど)、 そしてエルゴード理論、更には統計力学、暗号理論とも密接に関係しています。

この「発展コース」では、主に、 アルゴリズム的ランダムネスの分野で成果を挙げる気鋭の若手研究者の皆さんに、アルゴリズム的ランダムネスと数学一般との関わりについてお話しいただきます。 数学基礎論専攻の方に限らず、一般の数学者、学生の皆さんに興味を持って頂ける話題を提供する予定です。

◆ 講師

只木孝太郎(中央大学)
樋口幸治郎(東北大学)
宮部賢志(京都大学)
木原貴行(北陸先端科学技術大学院大学)

講演概要


    懇親会


以下のように懇親会を開催します。この懇親会はどなたでも参加可能です。 講師-参加者、参加者同士の気軽な交流の場にしたいと思いますので奮ってご参加ください。

  日時:2012年9月6日(木)18時から
  場所:東工大生協第1食堂(立食形式)
  会費:3千円
  

◆ 参加される方は9月3日(月)までにメールで kashima@is.titech.ac.jp (鹿島亮)宛に連絡をください。


過去の数学基礎論サマースクール


問合せ先

只木孝太郎
中央大学研究開発機構
〒112-8551 東京都文京区春日1-13-27
E-mail: tadaki at kc dot chuo-u dot ac dot jp
Since March 30, 2012
Last update: September 16, 2012