第45話
〜魔術師と呪われた天使(後)〜
図書館の奥の奥、誰も足を踏み入れてはならない【青い扉】…そこに精霊界との記録書や大事な歴史資料が眠っている。
ダーツはその青い扉に唯一入れる鍵を使って、扉を開けた。
ここへの出入りは王のみ許されていて、碧海でさえ来たことはない。
杏花も初めて足を踏み入れたが、その膨大な数の書物と本棚に圧倒され上を向いて目を開くばかりだった。
ダーツは見たい資料がどこにあるか把握しているのか、迷うことなくある本を取り出した。
ぺらぺらと勝手にページがめくられ、ピタリと止まる。
「…おかしいな。」
「どうしたの?ダーツさん」
「杏花、砂金はその男が【龍涎】という名前を名乗っていたと言ったのだろう?」
「えぇ、そう聞いてるわ」
「…ここに龍涎という名前を与えられた石は記録されていない。この本には、精霊界で発掘された全ての石の所在などが記載されているのだが…そもそも龍涎という名前の石がないのだよ」
「えぇっ!?じゃぁ、砂金さんに呪いをかけたのは誰なの!?」

「解らないな…その男を見てみない限りは。碧海、瑠璃と翡翠と天麗を連れて花園に向かいなさい。砂金を王宮にて保護する」

「はっ!仰せのままに」
碧海はダーツと杏花より先にそこを出ていく。
ダーツは本を閉じてしばらく考えると、また違う本を取り出した。
杏花はダーツの横顔を眺めながら、どうしたのかと問いかける。
「ただのコピー石が砂金に呪いをかけれるとは思えない。もしかしたら…」
「その龍涎さんって人に心当たりが?」
「琥珀と瑠璃を精霊界で引き取った時、石を扱う商人が話した事を思い出したんだ。彼らが発掘された時、地盤が歪んで山に亀裂が走った。その時、いくつかの石が駄目になった、と…まさか…」
ダーツは悲しそうな瞳をしながら、杏花と共に花園へと向かうことにしたのだった。
   
   
   
   
   
   

一方、琥珀を無理矢理に帰した砂金は琥珀の居なくなった花園を歩いていた。

すると、後ろから音もなく龍涎が現れる。
だが、砂金は驚きもせずに振り返った。
「そろそろお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ?愛しの砂金さんの為ならば何でもお答え致しましょう。そうですね、まずはお互いのスリーサイズから…」
「結構です。私はあなたの真実が知りたいのですから」
あっさりと冗談を打ち返されて、龍涎は苦笑する。
どこか曖昧にして、茶化して誤魔化す癖は琥珀そっくりだと砂金は思った。
龍涎はステッキを器用に回しながら肩を労うように叩くと、やれやれ味気のない…とため息をついた。
「ご覧の通り、私は琥珀と瑠璃によく似ています。それもそのはず…私は同じ時間、同じ場所、同じ山から発掘された石なのです」
「では、琥珀さんと瑠璃さんは双子ではなく三つ子のようなものだったと?」
「その通り!…ですが悲劇の女神は私だけに微笑んだ。あろうことかその瞬間に山が悲鳴をあげて落盤事故を起こしましてね。私はそのせいで石にヒビが入った【欠陥品】となったのです」
あぁ、可哀想な私…なんてどこからかスポットライトに当てられた龍涎が嘆くが大根すぎるので笑えもしない。
砂金が黙って聞いていると、龍涎はにやりと笑う。
「天界に二流品を渡しては精霊界の名折れですからね。私は当然、スクラップ行きでしたが…それを可哀想に思ったゾーク様が私を拾って命を吹き込んでくれたのです」
「…ですが、あなたから一ミリもゾークへの忠誠は見られませんが?」
「失礼な。小さじ一杯分くらいはありますよ?まぁ、その忠誠の無さが私の二流品故の理由でしょうが。傷を負っている私には、忠誠心というものが欠けているらしいんですよね」
まぁ、さして生きる分には困らないのでどうでもいいですけどね。
龍涎はクスクス笑いながら、シルクハットを被り直した。
「さぁ、これでご満足頂けましたか?今度は貴女の番です。貴女の答えを聞きに参りました」
「私の答え?」
「はい、この花園を…琥珀を捨てて私の元へ来るか。呪われたまま白い翼を背にして大空の中、生きていくか…」
「天秤の秤が不安定すぎます。その選択肢は不釣り合いではありませんか?本当は、生きるか死ぬかのどちらかではないのでしょうか」
「はははっ!お見事、正解です。言葉にすると陳腐すぎて少々言いにくかったのですよ。私のものにならないのなら…死んでくださいなんてね」
シルクハットのせいで目元が隠れているがにやりと笑う口元は見える。
たまに狂気に満ちた雰囲気が出る所さえ、琥珀と似ていて砂金は冷や汗を流した。
少しだけ、龍涎の瞳が冷たいような気がするのだ。
二人に睨み合いという沈黙が流れた。
「さぁ、どうしますか?砂金さん…あの男を取るか、私を取るか、どちらかです」
「何故、そこまで琥珀さんと私に構うのですか?貴方のその執着はどこから来るものなのですか?」
「そうですね。貴女へは興味から愛へ。あの男はただの対抗心からの嫉妬ですよ…だって、少しでも運命が変わっていたなら、あの男がいるべき場所は私のものだったのだから…」
ほんの小さな囁きが、龍涎の答えであり本音なのかもしれない。
龍涎は自分が二流品になった事実を心のどこかで否定したいのだ。
忠誠心がないのは、性格からだとかゾークにさほど興味がないとか…そんな簡単な理由で解決したい。
そうすることで現実から目をそらしてきた。
そして、琥珀が持っている全てが羨ましくもあった。
唯一無二の弟、頼れる仲間、忠誠すべき主、愛する人。
いつも話の中心にいて、誰からも愛されて光の中で生きている琥珀を。
あとほんの少し、落石がずれていたら…自分と琥珀の運命は変わっていたのかもしれない。
悔やみきれない過去が、龍涎を苦しめているのだ。
「貴女が欲しい。貴方さえ私のものになってくれるのなら他は何も望みません。ただ、貴女の愛が欲しいのです」
   
「龍涎さん…あなたは、なんて…」
   
「砂金さん、どうか…私の…」
   
砂金に手を差し伸べた時、龍涎の体に突き刺さるような殺気が感じられた。
すぐさま本能が警告を発する場所へ目を向けると刀を振り下ろす琥珀がいた。
その素早さは風のようで、一瞬の内に龍涎の間合いに入る。
龍涎はステッキで琥珀の刀を受け止めると琥珀ごと弾き返した。
琥珀は弾き返された力を利用して軽やかに宙を舞うと砂金の前に出て砂金を背中に回す。
   
「くっ…!」
   
「琥珀さんっ…!」
   
「なんや、よう解らんが…人の女に手ぇ出す不届き者っちゅーことでええんやな?」
   
龍涎の顔を見つめる琥珀も心のなかでは自分に似ていると感じていた。
姿だけではない、本質自体が似ているのだ。
これではまるで、この男も兄弟のようで琥珀は腹が立った。
「くくっ、驚きましたか?あなたによく似ているでしょう?私…」
「せやな、確かに男前や。俺ほどでは無いけどな」
「お会いできて光栄ですよ。資料では私が最初に発掘されたみたいです。言うなれば三つ子の長男でしょうかね」
「はっ!寒すぎて凍るわ、ギャグのセンス皆無な兄ちゃんなんて御免やで」

「おやおや…手厳しい」

「そんなん、どーでもえぇ。砂金に呪いかけとるんやて?ボッコボコにしたるから、早よ解けや」
ちり、と殺気がちりつく。
今にも殺し合いをしてしまいそうな雰囲気である。
砂金は琥珀を止めようとしたが、琥珀は
「砂金、下がっときぃ」と一言だ。
龍涎も退くつもりはないようで、くるくるとステッキを回すと瞬時にそれがサーベルのような細い剣へと変わる。
その時、花園の扉が開いて瑠璃、天麗、碧海、翡翠がやって来た。
「兄者!砂金さん、無事か!?…あいつが話にあった龍涎か!」
「瑠璃、アホみたいな冗談言いやがるねんあいつ。俺とあいつとお前で三つ子やて」
「………兄者みたいなんは、もう要らんわ」
「え!?るーちゃん、お兄ちゃん軽くショックやねんけど!?」
さすが双子、この二人が揃うといつも漫才になってしまう。
だが、瑠璃と拳を構えて話し合いでの和解は考えていないようだ。
他の仲間もそのようで、龍涎は「頼もしいお仲間ですね」と拍手する。
「せやねん、琥珀と愉快な仲間達、舐めてかかったら痛い目見んで?」
「琥珀、まずはてめぇを痛い目見せてやろうか?おい、あんた。いいからさっさと呪いを解きやがれ!」
翡翠が龍涎にそう言うが、龍涎は全く呪いを解くつもりはないらしい。
   
「ならば平和的に解決致しましょう。貴方達を石に戻してゾーク様に売りさばいたら、私は砂金さんと愛の逃避行…めでたしめでたし♪…ね?」
   
「ざっけんな!!!」
   
翡翠が素早く影に入って龍涎の背後から襲撃するが、龍涎はハンカチを取り出すとそれがマントのくらいの大きさになり龍涎を包み込む。
手品みたいに、布に包まれた龍涎はあっという間に消えて背後からの攻撃をあっさりと避けた。

翡翠の一撃はハンカチを真っ二つにしただけで、奴は何処だと目を見張る。

すると、頭上から殺気が降り注ぎ翡翠は真上を見上げた。
垂直に降りてきた幾多の剣は翡翠を串刺しにするつもりだったのだろう。
「あっぶね!」と冷や汗を流して後ろに飛んだ翡翠は空に浮かぶ龍涎を見た。
龍涎は「ブラボー!よく避けましたね」と拍手を送り、今度は外しませんよ、と大きな箱をハンカチから取り出した。
龍涎と一緒に宙に浮く大きな箱は手品によくある【串刺しマジック】に使われる長方形型のものだ。
あの中に人を入れて、ナイフで串刺しにする。
観客が目を見張る中、串刺しにされたはずの人間が笑顔で脱出する有名なマジックである。
パカッ!と開いた箱は勢いよく風を吸い込み翡翠を飲み込んだ。
   
「翡翠!」
   
「くっ!うわぁっ!」
   
「its show time!!彼の脱出劇をとくとご覧あれ!」
   
バタン!と閉められた箱に勢いよく幾多の剣が突き刺さる。
琥珀達は息をのみ、その光景を見るしかなかった。
しん、と静まる箱の中…ゆっくりと開いた箱には翡翠の姿は無かった。
確かにあの箱に吸い込まれたのに…そう思っていると琥珀の影から翡翠が顔色を青くしながら勢いよく飛び出してきた。
   
「ぶはっ!!!はぁ、はぁ…死ぬかと思ったぜ…!」
   
「翡翠!」
「いや、俺らも死んだと思ったわ!」
「馬鹿野郎!助けろよ!」
   
翡翠は影を移動できる。
箱の中が暗闇だったから脱出出来たのだ。
翡翠で無かったら、串刺しにされていただろう。
龍涎のマジックは殺人マジックなので、本人を助けることなどない。
本当に、マジシャンが手を貸さずに自力で脱出しないと死ぬしかない【デッド・オア・アライブ】な能力なのだ。
   
「楽しんで頂けましたか?翡翠さん」
「楽しめるか!!人をおちょくりやがって…どうやら琥珀の兄ってのは本当らしいな」
「ちょぉ、待てや。俺は認めんで」
「ふふ、あなたが認めようと認めまいと事実は変わりませんよ。さて、そろそろ終わりに致しましょうか…」
   
降りてきた龍涎は琥珀に剣を向ける。
琥珀も一歩前に出て、剣を握りしめた。
どうやらお互い一騎討ちがしたいらしい…瑠璃はこういう時兄者が誰の言うことも聞かないことは知っていたので全員を下がらせた。
   
   
「待て、琥珀よ」
   
   
しかし、二人の間に割って入ったのはダーツだった。
遅れてやって来たダーツと杏花は二人のちょうど真ん中に近い場所に降り立つ。
まさかダーツ本人が来るとは思わなかった琥珀と龍涎は目を見開いた。
   
「お前が龍涎か…話は聞いた。やはり、あの時商人が言っていた石だったのだな」
   
「天王様!あかんです、下がって…」
   
「初めまして、天王様。龍涎と申します。まさか玉座から降りてくださるとは思いもしておりませんでした」
「大事な部下の一大事だ。さっそくだが…砂金にかけた呪いを解いてくれないか?」
   
「…嫌だと、言ったら?」
   
龍涎の答えに、ダーツはゆっくりと龍涎の方に歩み寄る。
琥珀達が動こうとするが、片手でそれを諫めているので全員は待機するしかない。
杏花もダーツが何をするか解らないので見守るしかなかった。
だが、本当に琥珀に良く似た彼ならば…と杏花はひとつの思いを馳せていた。
   
「…頼む。砂金を失う訳にはいかないのだ。」
   
ダーツの行動に全ての者達が目を見開いた。
一番驚いたのは目の前の龍涎だ。
あの天王が、二流品で欠陥品のたかが石の能力者に「頼む」と頭を下げたのである。
静かに、穏やかな泉にある透き通った水のようにそれは自然な流れで行われダーツの声が響いた。
龍涎の心に直接響いてきたのだ。
   
「何故、私ごときにあなたが頭を下げるのです?あなたは孤高にして至高…私ごときに頭を下げていい存在ではないはずだ!!」
   
先程の余裕たっぷりな龍涎が焦ったような、傷ついたような顔をする。
ダーツは目を閉じていたがすっと開いて顔をあげた。
真っ直ぐに龍涎を見つめ、その透き通るような声で龍涎の心に直接響かせる。
王、としての器量からか…この本質が誰よりも怖いものである。
心に直接語りかけられるものほど、揺さぶりをかけられる他ないのだ。
「私は王だ。だが、時に王だからこそ頭を下げなければならぬ時がある。力でお前を屈服するのは容易いだろう。だが、そこから何かが変わるとは思えぬのだ」
   
「…貴方という、お方は…」
   
「砂金の答えをまだ聞いていないだろう。最後は彼女次第だ。」
   
すっかり牙を取られた龍涎は、剣をステッキに変えた。
砂金はダーツに目配せをされ天麗に付き添われていた手を離した。
天麗は「大丈夫なの?」と聞いたら砂金は「大丈夫です」と答える。
ダーツが下がり、砂金は龍涎の前に出た。
砂金が龍涎の顔を覗きこむとまるで叱られた子供のような顔をしている。
自分が、惨めで、可哀想で、どうしようもない、それをダーツの瞳から見てしまったようで…心のなかで小さな龍涎が泣いているように思えた。
   
「龍涎さん…」
   
「答えは解っています、私に追い討ちをかけないでください」
「あなたは私のよく知る人にそっくりですけど、ひとつだけ違う所がありますね」
「…え?」
「彼よりひねくれていて、可愛い人です。だけど、彼と同じ…あなたは優しい人ですよ」
   
微笑み龍涎の頬を包み込む砂金に龍涎の瞳が揺れた。
全てを見透かしていたと思っていたのに、逆に見透かされていた。
龍涎はその事に気がついて、自分を嘲笑うように苦笑する。
   
「呪いを解く代わりに、ひとつだけお願いしてもよろしいですか?」
「はい、なんでしょうか?」
   
「また、会いに来ますね…愛しい貴女に」
   
自然な流れのように、砂金にキスを贈った龍涎は周りの目など気にしないらしい。
「んな!?」と口をあんぐりと開けた琥珀は龍涎と砂金を引き離そうとしたが瑠璃が羽交い締めにして止める。
さすがの琥珀も馬鹿力の瑠璃には勝てずもがいていた。
離された唇に名残惜しさを覚えた龍涎だが「これであなたの呪いは解けました」と微笑む。
そして、ステッキをくるくると振り回したら花園の花びらが舞って辺りを包み込む。
皆が目を閉じてしまった後、もう一度見た景色には龍涎の姿は無かった。
   
「…ちっ、逃げたか。」
   
碧海が法律書を片手に辺りの気配を探るが、龍涎の気配は完全に見失っている。
つまり、天界の領地にはすでに居ないと言うことだ。
琥珀はすぐに砂金に駆け寄ると、砂金はにこりと微笑んで「大丈夫です」と答える。
「大丈夫な訳ないやん、もう本当心臓に悪いからやめてや…」
「琥珀さん、私…」
「ストップ。俺らの話は俺ら二人きりで話そ?」
「あ…」
ちょん、と琥珀の指が砂金の唇に当たる。
はっとして辺りを見れば皆が居て、心配していた。
砂金は皆に深々と感謝と謝罪の意味を込めて「ご心配おかけしました」と話した。
その言葉に、全員が安堵したのである。
   
   
   
   
   
   
その夜、寝室で二人きりのダーツと杏花はそろそろ寝ようかとサイドテーブルの明かりを消した。
杏花は寝る前に一つ、聞きたいことがあった。
「ダーツさんはあの時、どうして頭を下げたの?龍涎さんを止めるなら頭を下げなくてもきっと解ってくれたと思うわ」
「そうだね、私が来たことだけでも彼は酷く動揺していた。だけどね、頭を下げる価値はあったと思う。砂金のこともそうだが…あの時私が彼も引き取っていたらと悔やんだ気持ちに対してもね」
「…ゾークさんって、本当はいい王様なのかな?」
「さぁね、ゆっくり話したいけれど…私を嫌っているから仕方ないよ。ただ、このままではいけないとは思っているよ…」
ぽつりと呟いたダーツは、杏花に微笑み「おやすみ」と頭を撫でた。
   
   
   
   
   
   
次の日、琥珀もすっかりいつもの調子になり杏花はホッと胸を撫で下ろした。
それは他の皆も同じことで、やはり琥珀には砂金がいないと駄目なのだと改めて思った。
「兄者、あの龍涎って男がほんまに兄者にそっくりならまだ油断は出来へんで。兄者なら、しつこい性格しとるからな!」
「当たり前やで!人間そこで諦めたらアカンのや!少年ジャ●プでも言うやんけ!しつこいと言われようが諦めたらアカンって!」
「お前のポジティブ思考はやっぱり他人に迷惑をかけるもんだな」
「見とれよあのキザ野郎…!今度会ったら鳩と一緒に丸焼きにしたるわっ!」
ぐぬぬ、と拳を握りしめる琥珀は砂金の唇を奪われた事に対しての怒りを忘れてはいない。
瑠璃曰く、兄者は一度受けた怒りや屈辱は絶対に忘れないしつこい性格や、と。
まぁ、何にせよ琥珀も砂金もいつも通りの笑顔を取り戻して良かったと杏花は笑った。
   
   
続く