| ◆ 日本のVISA(査証、ビザ)の手続きについて ◆ |
?1 日本に入国するための必要な手続きについて教えてください
外国人が日本に入国するための条件としては,
○ 外国政府が発給した有効なパスポートを所持していること
○ 大使館、領事館等の在外日本公館において有効な日本のビザ(査証)を受けていること
が必要です。
このビザというのは,外国人が持っているパスポートが確かに有効なものであることを確認し、彼らの入国および在留の目的が「ビザに記載されている条件でよろしいですよ」という推薦状の役割をするものです。
日本に入国する目的にもよりますが、観光など「短期滞在」の場合は、在外の日本大使館、領事館(これは外務省の管轄です)がビザの申請を直接受け付けています。それ以外の在留資格(就労や就学、日本人の配偶者など身分に関する資格)で入国する場合は、あらかじめ日本の地方入国管理局(これは法務省の管轄です)において「在留資格認定証明書」を発給してもらいましょう。
この証明書は、日本の入管当局が「この方はこの在留資格で活動してもいいですよ」として発給される、いわばお墨付きみたいなものであり、これをもらって外国人本人が現地の日本大使館なり領事館にビザの申請をするしくみです。こうすれば在外公館でのビザ取得や入国に際しての上陸審査がスムーズに運びます。
?2 「在留資格認定証明書」とはどのようなものですか
つまり「在留資格認定証明書」とは、日本に入国しようとする外国人について、その滞在目的が日本の入管法によって定められた資格要件を満たすものであることを、ビザ取得に先立ってあらかじめ法務大臣が証明したものです。この証明があれば、在外公館でのビザ取得や入国に際しての上陸審査がスムーズに運びます。
?3 日本の在留資格にはどのようなものがありますか
外国人は入国、在留の目的に応じて27種類の資格が与えられ、その資格が規定する範囲内でのみ活動が許されています。この在留資格は、入国の際、入国審査官が必要な条件を満たしていると判断した上で与えられるものです。この27種類の在留資格を大きく分けると次のようになります。
(1)就労が認められている資格
「投資・経営」外資系企業の経営、管理に携わる活動
「人文知識・国際業務」通訳、語学の教師など外国人ならではの活動
「企業内転勤」外国企業からの転勤者として行う活動
「技術」エンジニアなどの活動
「技能」調理師、工芸品の職人などの活動
など
(2)基本的に就労が認められない資格
「留学」大学などで教育を受ける活動
「就学」高等学校、各種、専門学校などで教育を受ける活動
「研修」研修の範囲で行う活動
「家族滞在」外国人転勤者の配偶者や子などが行う日常範囲の活動
「短期滞在」観光、会議の短期出張などの活動
など
(3)身分または地位に関する資格
これらの資格には就労活動が認められています。
「永住者」法務大臣より永住を認められた者
「日本人の配偶者等」日本人の配偶者、実子、特別養子など
「永住者の配偶者等」永住者の配偶者、日本で生まれ引き続き在留している実子など
「定住者」インドシナ難民、日系人など
?4 在留資格の取得後、日本で必要となる手続きについて教えてください
○与えられた在留期間を超えて今の活動を続けたいとき
⇒ 「在留期間の更新許可」の申請手続きがあります
○許可されている資格を変えて引き続き在留したいとき(例えば留学生が就職して「人文知識・国際業務」の仕事をしようとする場合)
⇒ 「在留資格の変更許可」の申請手続きがあります。
○許可された活動以外の活動をしたいとき(例えば就学生がアルバイトをしようとする場合)
⇒ 「資格外活動の許可」の申請手続きがあります。
○許可された在留期間内に一時的に日本を出国し、再び同じ在留資格で入国したいとき
⇒ 「再入国の許可」の申請手続きがあります。
○その他外国人がしなければならない手続き
⇒ 外国人が90日以上日本に滞在したいとき、お近くの市区町村の窓口にて「外国人登録」をしなければなりません。申請すれば当日登録されますが「登録証」が交付されるまで1週間から2週間かかります。外出するときも登録証は常に携帯していなければなりません。不携帯の場合は処罰の対象になりますので注意してください。
| ◆ 帰化および永住について ◆ |
?1 帰化とはどんな制度ですか
外国人が法律上、日本人となること、つまり、外国人が日本国籍を取得することです。外国人が外国人の身分のまま永住できる「永住」とは違います。帰化するための手続きは、申請書類を地方法務局(あるいは支局)に提出して法務大臣の許可を受けなければなりません。
?2 日本の国籍を得て日本人になりたいのですが、そのための条件などあるのでしょうか
帰化するには、国籍法に定められている条件に適合する必要があります。すなわち
(1) 引き続き5年以上日本に住所を有すること(居住要件)
(2) 20歳以上で帰化しようとする外国人の本国法により能力を有すること(能力要件)
(3) 素行が善良であること(素行要件)
(4) 自己、または生計を同じくする配偶者その他の親族の資産または技能によって生計を営むことができること(生計要件)
(5) 国籍を有しないか、または日本の国籍を取得することによってその国籍を失うべきこと
(6) 日本国政府を暴力で破壊することを主張、企て、またそのような趣旨の団体を結成、加入したことがないこと
※ そのほか日常生活に困らないレベルの日本語能力、日本社会への適応度(納税義務を果たしているか、公の機関より表彰された善行の実績があるか、交通事故を含む法律違反を犯していないかなど)も考慮されます。
※ 家族全体の国籍の一体化をまもるため、世帯単位による申請もできます
(一家の主人が帰化要件を満たしていれば、家族全員で申請することができる制度です)。
<簡易帰化制度について>
以下に該当する者に対しては、帰化の許可基準が緩和されています。
○ 日本国民であった者の子(養子を除く)で引き続き3年以上日本に住んでいる者
○ 日本人の外国籍配偶者で引き続き3年以上日本に住んでいる者、あるいは日本人と結婚後、外国に3年、かつ日本に1年以上住んでいる者
(以上2つは居住要件および能力要件を問わず)
○ 日本国民の子(養子を除く)で日本に住んでいる者
○ 日本国民の養子で1年以上日本に住んでおり、かつ縁組の時、本国法で未成年であった者
○ 日本国籍を失った者で日本に住んでいる者。ただし日本で一度帰化した後、日本国籍を失った者は除く
○ 日本に生まれ、かつ無国籍のまま出生の時より3年以上日本に住んでいる者
(以上4つは居住要件、能力要件および生計要件を問わず)
?3 帰化と永住権の違いについて教えてください
| 帰化と永住とはどのように違うのでしょうか | |
| 帰化 | 永住 |
| 日本の国籍を持つことができる | 外国人の身分のまま |
| 市役所に届ければ 自分の戸籍を持つことができる |
自分の戸籍は持てない |
| 日本の公務員になることができる | 一部を除き日本の公務員になるのは難しい |
| 選挙権、被選挙権が与えられ、 日本の国政に自由に参加できる |
一部の自治体を除き選挙権、被選挙権は与えられず、日本の国政には自由に参加できない |
| 日本のパスポートを持つことでき、 外国で日本政府の庇護が与えられる |
外国人の身分のままなので、 そのような日本人としての特権は与えられない |
| 強制退去制度の適用は受けない | 退去強制制度の適用を受ける |
| 再入国は申請しないでも自由にできる | 再入国は申請しないとできない |
?4 永住とはどんな制度ですか
永住とは、外国人が外国人の身分のまま日本に住み続けることのできる制度です。この点、日本の国籍を取得する(つまり法律上日本人になるということ)帰化の制度とは違います。
?5 永住の資格は外国人にとってどんなメリットがあるのですか
「永住」の資格は、外国国籍の人が取得する資格として最も安定した資格といえます。つまり離職したり離婚しても入管に出頭して資格を更新したり、在留期間を更新する必要もありません。このように安定した資格ですので、銀行など金融機関からの信用も厚くなり、融資も得られやすくなります。ただし再入国するときは許可が必要となります。
?6 外国人なら誰でも永住できるのでしょうか
外国人なら誰でも永住者になれるとは限りません。永住の許可を得るには、以下の条件を満たしていることが必要です。
(1) 独立の生計を営める程度の資産、技能を持っていること
(2) 素行が善良で、健康であること
(3) 永住を希望する者の身元を保証する人がいること
(4) 永住を希望する者が日本の利益にかなうこと
など
その他、入管当局が特に要求する条件があります。
例えば
* 日本滞在期間が10年上であること
* 留学生として入国、卒業後日本で就労する場合、就労資格に変更後5年以上の在留経歴があること。
このほかにも永住が認められる入管の条件が具体的事例に則してございます。
⇒ 例えば地域のボランティア活動経歴、学術上の貢献、国・自治体からの表彰を受けた外国人など
※ なお「わが国の貢献による永住許可・不許可の事例」が法務省のホームページに掲載されております。ぜひ参考にしてください。
<簡易永住制度について>
日本人、永住者、特別永住者の配偶者、その実子、特別養子につきましては、以下のように、永住要件の基準が緩和されております。
○ 日本人、永住者、特別永住者の配偶者
日本における在留期間が3年以上あること。
ただし外国において婚姻、同居していた場合、外国にて婚姻後3年経過し、かつ日本において1年以上在留期間があれば足りるとされています。
○ 日本人、永住者、特別永住者の実子、特別養子
日本において引き続き1年以上在留していれば足りるとされています。
?7 永住の手続きについて教えてください
必要な申請書類を作成して、お近くの地方入国管理局(またはその支局、出張所)に提出し、法務大臣の永住許可を得ます。
| これから永住資格の申請を考えられている方、そして不幸にして永住資格の申請が不許可となられた方に対し、当事務所では個別具体的なご相談を承っております。希望される方はここをクリックしてください。 |
| ◆ 国際結婚および国籍について ◆ |
?1 日本で国際結婚するには何か要件があるのですか
国籍が異なるカップルが結婚する場合、それぞれの国の法律で定められている結婚年齢や条件が異なりますので、この点をクリアしなければ日本でも結婚できない場合があります。
<日本において日本人と外国人が結婚する場合>
日本に住む国際カップルが日本で手続きをする場合、お近くの市区町村役場に「婚姻届」をする必要があります。詳しい手続きは次の質問を読んでみてください。一方、外国人である配偶者の国(大使館や領事館等公的機関)へ報告(届出)すれば、相手の国でもその結婚は有効になります。
※ なお各国法制度の違いにより、最初に外国人配偶者の国(あるいは在日大使館などの公的機関)で手続きを行わなければ、結婚が法的に成立しないケースもあります。この点は各国の大使館などに確認をとってください。この場合、大使館等で発行された結婚証明書とその日本語訳を結婚後3ヶ月以内にお近くの市役所に提出してください。こうすることによって相手国方式での結婚が日本でも有効に成立することになります。逆に、日本での婚姻届が正式に受理された後でないと、相手国方式で手続きすることができない国もありますので注意してください。
婚姻届が受理されましたら、日本人配偶者を筆頭とする新戸籍が編製されます。しかし相手の外国人は、たとえ日本人と結婚しても日本人にはなれない(日本国籍をもたない)ので戸籍の身分事項にその旨が記載されるだけです。特に女性の場合、外国人と結婚しても姓が変わるわけではありません。要するに国際結婚では"夫婦別姓"があたりまえなのです。子供が生まれたら、その国籍は日本ですので当然戸籍には載りますが、その戸籍の記載を見ると何だか独身者のような感じです。そこで外国人の姓を名のりたいのならば、結婚後6ヶ月以内に限り「氏の変更届」をお近くの市役所(海外在住の場合は現地日本大使館など)に出せば、戸籍の上では相手方外国人の姓に変更することができます。ただしこの6ヶ月という期間を過ぎますと家庭裁判所の許可が必要です。
<日本において外国人同士が結婚する場合>
日本の法律によれば、外国人同士の結婚であっても、日本で有効にその結婚を成立させるためには、地元の市区町村役場に届出て、適法に受理なければなりません。といっても外国人には戸籍がないわけですから、「婚姻届」ではなく「婚姻事項記載届」という方法になります。必要な添付書類としてはパスポート、婚姻要件具備証(外国文の場合は日本語訳必要)などです。
?2 日本における国際結婚の手続きについて教えてください
日本において日本人と外国人が結婚するための手続きは以下のとおりです。
<必要な書類の提出>
以下の書類をそろえて市区町村役場の戸籍課の窓口へ提出することになります。
○ 婚姻届 窓口に備え付けられています。
○ 戸籍謄本 日本人配偶者が本籍地以外で届け出る場合、必要です。
○ 結婚要件具備証明書 外国人配偶者が独身であること、本国法の結婚要件(年齢など)を満たしていることを証明するものです。在日大使館などで発行してもらいます。提出の際、日本語の訳文も必要です。
国によっては発行していないところもありますが、その場合、証明書に代わる書類として宣誓書(本人が本国の領事の前で宣誓することにより、領事が発行する)、本国の公証人証書、戸籍(戸籍制度のある国)などを提出します。
○ 外国人配偶者の国籍を証明する書類
パスポート、場合によっては外国人登録証明書など。正式のパスポートを所持していない場合、大使館などで再発行してもらうか(偽造、紛失など)、これに代わる証明書(トラベル・アフィダビットあるいはトラベル・ドキュメントと呼ばれる)などを発行してもらいます(提出時に日本語訳文も必要)。
<届出の受理>
役所の窓口で書類が受理されてから戸籍に記載されるまで1週間から1ヶ月ほどかかります。受理時点で「婚姻届受理証明書」を発行してもらいましょう。外国人配偶者の大使館などに届け出る必要があるからです。
もし結婚の事実に疑わしい点があり、役所から法務局の方へ「受理伺い」がなされますと、調査に数ヶ月かかる場合もあります。なお外国人配偶者がオーバーステイだからといって結婚が認められないということはありません。
<外国姓である配偶者の氏への変更>
外国人の姓を名のりたいのならば、結婚後6ヶ月以内に限り「氏の変更届」をお近くの市役所(海外在住の場合は現地日本大使館など)に出せば、戸籍の上では相手方外国人の姓に変更することができます。ただしこの6ヶ月という期間を過ぎますと家庭裁判所の許可が必要です。
◎ <日本人配偶者等への在留資格の申請>
結婚手続きを無事終えて、日本に住み続けるために「日本人の配偶者等」の在留資格を申請しましょう。
この資格を取得するには、偽装結婚の疑いを晴らすために比較的厳格な審査が行われます。申請のため提出する書類もいろいろ要求されることになるはずです。申請が許可されるためには、以下のポイントを押さえて書類を収集、作成することがコツといえます。
○ 日本人との結婚が法律上、有効に成立していること
○ 結婚後も同居し、お互い助け合いながら生活している事実があること
○ 経済的にも独立した生計を営み、公共の負担にならずに生活していけること
したがって日本人配偶者と死別した場合、離婚した場合、またいわゆる内縁関係にある場合は、この資格の対象にならないことになります。
「日本人の配偶者等」資格が付与されれば、「永住者」資格と同じく、日本で自由に就労し、経済活動を営むことができます。また結婚後、この資格で3年以上日本に住みつづければ「永住者」資格が認められる可能性もあります。
◎ <外国人配偶者に外国籍の連れ子がいる場合>
外国人配偶者に本国からの連れ子がいる場合、日本人と結婚したからといって、そのまま合法的に一緒に生活できるわけではありません。ただし外国人親が「日本人の配偶者等」の資格を取得すれば、その連れ子には「定住者」資格が与えられ一緒に住める可能性もあります。その場合の要件としては
○ 外国人親の実子であること
○ 未成年であること
○ 未婚であること
○ 外国人親の扶養を受けて生活していたこと
となっております。
このためこれらの事実を証明する書類を収集、作成することが、この資格を取得できるポイントとなります。
?3 日本において外国人のフィアンセとの間にベイビーが生まれました。この場合、国籍はどうなるのでしょうか
日本で生まれたからといって自動的に日本国籍が与えられるとは限りません。一般的に正式に結婚しているかどうかにかかわらず、母親と子供の血縁関係は明白であるため、子供は母親の国籍を取得することになっています。ただし両親が不明の場合や無国籍の子供であれば、法律上、日本の国籍が与えられることになっています。
<正式に結婚しているカップルの子供の国籍について>
正式に結婚しているならば、夫あるいは妻が日本人なら子供には日本の国籍が付与されます。外国籍を選ぶことも可能ですが、その要件は外国の法律によりますので、詳しいことは大使館や当事務所にご相談ください。
日本では、二重国籍は認められておりませんが、22歳までは二重国籍でいることはできます。ただし22歳になったらどちらかの国籍を選ばなければなりません。また20歳以降に外国籍を取得して二重国籍になった者は、その時から2年以内にどちらかの国籍を選択しなければなりません。
国籍を選択できる期間内に選択を行わなかった場合、法務大臣は書面により国籍選択の催告を行えるとされています。そして催告を受けてから1ヶ月以内にどちらか選択しませんと、日本国籍は自動的に喪失してしまいます。
<結婚に至らないカップルの子供(いわゆる婚外子)の国籍について>
○ 父親が外国人、母親が日本人のケース
結婚の有無にかかわらず、生まれた子供は日本国籍を取得することができます。父親の外国籍を取得できるかどうかは個々の外国の法律によります。
○ 父親が日本人、母親が外国人のケース
この場合、母親の国籍が自動的に与えられることになります。父方の日本国籍を与えたいならば、父親が自分から「私の子供である」と法的に認める「認知」という行為が必要になってきます。認知は子供が母親の胎内にいるときに父親が認める「胎児認知」ならば出生後に日本国籍を取得できますが、生まれた後に認知する「生後認知」ならば正式に結婚して「準正」という手続きを経ない限り、子供は日本国籍を取得できません。
「準正」の要件を満たしているならば、父親がその後離婚あるいは死亡しても、その子供は日本国籍の取得は可能です。その際、子供は
○ 日本国籍を取得したことがないこと
○ 年齢は20歳未満であること
○ 出生の時および現在、あるいは父親死亡の時、父親は日本国民であったこと
-等の確認が必要となります。
準正により日本国籍を得ますと、子供は父親の戸籍に入り、父の氏を称することになります。
?4 子供が海外で生まれても日本の国籍は取れるのでしょうか
海外で子供が生まれても日本の国籍となります。ただし国によっては当地の国籍が自動的に与えられ二重国籍者になってしまうことがあります(例えばアメリカ合衆国)ので、このような場合は出生の日より3ヶ月以内に当地の日本大使館または領事館で「国籍留保」の手続きをとってください。これを怠りますと日本人カップルであっても子供は日本国籍を得られません。ただし20歳までならば、日本に帰国して住所を定めることにより、「日本国籍の再取得」の手続きを行うことができます。
?5 二重国籍者が外国籍のほうを選んだ場合、あるいは日本人が外国人として帰化した場合の
国籍喪失の手続きについて教えてください
日本人が外国人親と養子縁組したり、外国人と結婚したとしても、ただちに日本国籍を喪失するわけではありません。しかし、わが国と同様な国籍選択制度を有する相手国の法令にしたがって外国籍を選んだ場合、あるいは自発的に外国籍を取得し帰化した場合などは、日本の国籍を喪失することになります。日本国籍を喪失したら、喪失の事実を知った日から1ヶ月以内(ただし海外で喪失した場合は、3ヶ月以内)に、本籍地またはお近くの市町村役場(外国在住の場合は大使館などの在外日本公館)に「国籍喪失届」を提出します。このとき外国国籍を選んだ事実あるいは帰化した事実を証明する書類(外国あるいは大使館などの在外日本公館発行のもの)が必要です。その際、外国人登録の申請も同時に行います。また日本国籍を失った日から60日以上日本に在留する予定の方は、喪失日より30日以内にお近くの入国管理局で在留資格取得の申請を行ってください。
| ◆ 国際間の養子の受け入れについて ◆ |
養子縁組とは、本来血統関係のない者の間に、実の親子と同一の関係を創設する法律行為です。養子縁組しますと、日本人である養親の戸籍に、身分事項として、その旨が記載されます。
【普通養子】
制度の趣旨:
養親と養子のお互いの合意により成立する養子制度です。
成立の方法:
市区町村役場に養子縁組届を提出することにより成立します。
要件:
◎ 養親となる者は、成人であること。
◎ 養子となる者は、年齢は問われません。しかし、未成年者を養子にする場合は、家庭裁判所の許可を要します。ただし、自分あるいは配偶者の実子(実の親子)である場合は裁判所の許可は要しません。
◎ 養子となる者が15歳未満の場合、親権者など法定代理人による承諾が必要です。
◎ 養子となる者が養親の尊属(父母、祖父母など)あるいは年長者でないこと。
など。
【特別養子】
制度の趣旨:
生みの親との親子関係を完全に断絶させることにより、養父母との間に実子(実の親子)同然の関係を成立させる養子制度です。虐待された子供を救わなければならないなど、養子にするべき特別な理由があることが必要です。
成立の方法:
養父母が家庭裁判所に審判を申し立てることにより成立します。このあと、裁判所の審判書(謄本)を添付し、市区町村役場に届け出ます。
要件:
◎ 養親となる者は、25歳以上、結婚していること。
◎ 養子となる者は、審判申し立ての時に6歳未満であること。
◎ 養子となる者の両親の同意を得る必要があります。
など。
未成年者を養子にする場合、配偶者と共同して縁組しなければなりません。ただし、養子となる者が夫や妻の連れ子などの場合は、その必要ありません。
【普通養子】 日本人、永住者、特別永住者、定住者(ただし1年以上の在留期間のある者に限る)が扶養する外国籍の養子(ただし6歳未満に限る)に対しては「定住者」の資格が与えられます。
【特別養子】 日本人の親子と同等視されますので「日本人の配偶者等」の資格が与えられます。
以上からお分かりのように、養子となる外国人が成人の場合、養子縁組により在留資格が与えられるわけではありませんので、ご注意ください。
?3 外国人の子を養子縁組する場合、どこの国の法律が適用されるのですか
国際間の法律適用のルールを定めた法例20条によれば「養子縁組は縁組当時の養親の本国法による」と規定しております。国籍の異なる配偶者との共同縁組の場合は、養親それぞれの本国法が適用されます。もっとも、どちらか一方の養親の本国法が養子制度を認めていなくとも、もう一方の養親が単独で縁組することはかまいません。
さらに養子を保護するために、養子の本国法が本人やその実父母の承諾、同意、あるいは裁判所や公的機関の決定、許可等を必要としている場合は、その要件も満たす必要があります。
このように国際間養子については、養親、養子双方の本国法がかかわってきますので、手続きもまちまちです。もし外国から養子を受け入れることを本気でお考えの方は、ここをクリックして当事務所にご相談ください。個々のケースに応じてアドバイスいたします。
| ◆ 国際離婚について ◆ |
?1 日本に住んでいる日本人と外国人の夫婦が離婚する場合、どこの国の法律が適用されるのでしょうか
外国人との国際離婚につきましては、日本の法例(外国法が日本法と矛盾、衝突する際、どちらの法律を適用するのかという基準を示しています)16条は、「法例14条の規定を離婚に準用する」として、次のように定めています。
(1)夫婦の本国法が同じ場合は、その共通の本国法による
(2)共通の本国法がない場合は、夫婦が通常住んでいる居所の法律による
(3)そのいずれの法律もない場合は、夫婦に最も密接な関係のある地の法律による
ただしこの条文によれば「夫婦の一方が日本に常に居住している日本人である場合は日本法による」-としていますので、日本に住んでいる日本人と外国人の夫婦が離婚する場合は、日本法が適用されることになります。
たとえば「協議離婚」は、夫婦お互いの合意の上で地元市区町村役所に離婚届を提出、受理されることにより成立します。協議離婚が認められている国・地域は、日本の他に中国、台湾、韓国等ごく少数です。こういう国の方と離婚する場合は離婚届だけでかまいません(もちろん本国大使館等に報告する必要はあります)。
協議離婚は日本でおなじみの制度ですが、ただし外国はそうとも限りません。裁判所による「判決離婚」のみしか認めていない国が多いのも事実です。こういう国では家裁による「調停離婚」も認めませんので、家裁の最終判断に当たる「審判離婚」が活用されることになります。このような場合、裁判所を活用した判決離婚のほうが無難といえましょう。日本で協議による離婚が法律上有効に成立しても、相手国でもその効力が認められるかどうかは別問題だからです(しばらくして外国の裁判所から、離婚を認めるための訴状が送られて来ることもあります)。
?2 日本で出会って結婚し、今も日本に住んでいる外国人夫婦(国籍は別)ですが、双方の本国には届出を出しておりません。このような状態でも、日本の役所に届けるだけの協議離婚は可能でしょうか
国籍を異にする外国人同士が日本で結婚はしたものの、双方の本国には届出を出さないまま、日本で離婚という破局に陥った場合、協議離婚届を地元役所に提出することはできるのでしょうか。こうした場合、さきほど説明した法例16条の規定(2)(3)により、日本法の適用が認められる場合があります。しかしこうした場合でも、もし未成年の子供がいればどちらか一方を親権者として選ぶなど、日本の法律の要件を満たさなければ離婚届を受理してもらえませんから注意が必要です。
同じ理屈ですが、外国で結婚した国籍の異なる外国人カップルも、日本に来て長年暮らしている実績があれば、協議離婚の届出が認められる場合があります。
?3 日本人の夫と離婚した場合、外国人である妻はそのまま日本に滞在することはできるのでしょうか
すでに法的に離婚手続きが成立した以上、もはや「日本人の配偶者」ではありませんので、そのまま日本に滞在することはできません(もっとも有効な在留期限までは合法的に滞在できます)。ただし、日本人の実子(未成年であり、かつ未婚であること)を現実に養育、監護していることや長年の日本における在留実績(事業経営や就労など)を勘案して「定住者」への資格変更が例外的に許可される場合があります。また離婚をめぐって調停あるいは裁判中であり婚姻関係が元に戻る可能性があれば、引き続き「日本人配偶者」の資格更新が認められる場合もあります。ただしこれらの審査は大変厳しく、個々の事情により入管の判断も異なりますので、ご相談の件は当事務所までご相談下さい。
当事務所では、国際離婚にかかわる次のような案件(一部)を扱ってきました。 ◆ 外国で協議離婚した前夫との子供を日本人と再婚した外国人妻のもとへ呼び寄せた件 ◆ 現地で結婚した外国人夫との合意による離婚の手続きを日本と現地の双方で有効に成立させた件 ◆ ふとした誤解から日本人夫が勝手に出した離婚届に対する不受理申し出をいち早く行い、 双方の冷静な話し合いにより離婚を回避した件 等等 一般的なご相談はメールにてご連絡下さい。初回は無料です。 電話による具体的なご相談、或いは当事務所における面談をご希望の方は予約が必要です。 事前にメールにて詳しい状況をお教えくだされば、具体的なアドバイスをいたします(ただし有料)。 (ただし離婚訴訟にかかわる案件はお引受できませんので、ご了承下さい) |
※ 退去強制手続きを受けているオーバーステイの外国人でも、日本人実子を養育、監護している事実を証明できれば、「在留特別許可」が与えられる可能性はあります。ただし、これも入管のケースバイケースの判断によりますので、必ず与えられるという保証はありません。詳しくは次の項<オーバーステイ>をお読み下さい。
| ◆ オーバーステイ(不法滞在)について ◆ |
?1 日本で外国人がオーバーステイしていたらどのような罰則や処分を受けるのでしょうか
在留期間を過ぎても更新しなかったり、あるいは偽造パスポートや密入国などにより不法に入国して日本に滞在している外国人は、身柄拘束をともなう行政処分(強制退去)、場合によっては刑事罰(3年以下の懲役と30万円以下の罰金)の対象となり逮捕、起訴されることもあります。
短期滞在でしたら入国後90日の期間を1日でも過ぎると不法滞在の扱いを受けてしまいますから注意してください。合法的な在留資格をもって入国し、かつ相当の理由(急病に罹り入院を余儀なくされたなど)があれば、資格変更あるいは更新にともなう期間経過後の「特別受理」という制度がありますが、「ついウッカリ何ヶ月も過ごしてしまった」といった理由ではまず通用しないでしょう。
強制退去(強制送還)されたら、最低1年間(自主的出頭者の場合。悪質なリピーターは10年)は日本に再入国することはできません。また1年経過しても過去の不法滞在の記録は入管当局に残っていますので、必ずしも入国のビザが下りるという保証はないのです。
?2 オーバーステイが見つかると入管に身柄を拘束されてしまうのですか
一般的にオーバーステイであっても入国管理局警備課に自主的に出頭すれば、強制退去(送還)処分にはなりますが、収容されたり起訴されずに自分で帰国することができます。仮に収容されたとしても保証金を払えば「仮放免」されますので、身柄をそのまま拘束されるケースは少ないです。出頭すると簡単な取調べがあり、2回目の出頭の期日が言い渡されます。2回目のとき出国の日程が言い渡され、その日程に合わせて航空券の手配をすまし帰国するパターンが通常のようです。
? 3
オーバーステイしている外国人が日本に住み続けながら在留許可を得る方法はあるのですか
オーバーステイであっても、「日本人と結婚している」「子供を日本で育てたい」「もう長いこと日本に滞在している」などのやむにやまれぬ事情から、日本に住みつづけたいと思う外国人もいるでしょう。このようにケースバイケースな理由を斟酌した上で法務大臣が与える許可を「在留特別許可」といいます。
しかしこの許可は、あくまで日本の入管法を犯した不法滞在者に対する法務大臣の温情的措置によるものですから、「日本人と結婚したから」といって不法滞在の違法性がなくなってしまうというわけではありません。ですからこの手続きをしたからといって必ずしも許可が下りる保証はありませんし、場合によっては強制送還される危険性すらあるということです。
偽装結婚による特別許可の申し出は論外ですが、「日本に滞在したい」という個々のやむにやまれぬ事情を証拠を挙げて真摯に訴えれば、道が開けてくる可能性は大いにあります。
?4 「在留特別許可」が下りるまでの期間とその条件について教えてください
在留特別許可は個々の事情を綿密に調査した上で、法務大臣の裁量により下される許可ですので、通常は1年近くかかります。数ヶ月で許可が下りる場合もありますが、何分個々のケースによって違ってきます。オーバーステイのカップルですと最低でも合法的に結婚していること、同居の事実が認められること、などの条件が求められます。外国人同士の場合は小学校上級以上の子供がいることなどの条件も加味されます。入管当局によるたび重なる面接調査はもちろん、疑わしいケースですと、入管の調査官が自宅まで出向いて生活の実態を調査することさえあります。詳しい情報についてはここをクリックしてください。要求される書類もまちまちですので、当事務所に事前にご相談くだされば個々のケースに応じてアドバイスいたします。