剱 岳 (富山県) .


 雷鳥沢ヒュッテ → 別山乗越(剱御前小舎) → (剱御前中腹) → 剣山荘 → 一服剱  前剱  平蔵の頭・コル
                                               
2618m    2813m
 
 
→ 剱 岳 → 前剱  一服剱   剣山荘 (泊)
    2998m

    難易度
体力 ★★★★☆
技術 ★★★★☆
危険 ★★★★☆
鎖場 あり、危険
電話 良好に通話


                    (剱 岳)      N    36°37′39.8″
                               E   137°37′02.3″

                                     立山・剱岳(1/25000)


  剱岳(2998m)は、北アルプス北部の名山の一つであり、「雪と岩の殿堂」とも呼ばれる。

  深田久弥は、「(剱岳は)層々たる岩に鎧われて、その剛宕、峻烈、高邁の風格」があり、「全く剱岳は太刀の鋭さと靱さを持っている。その鋼鉄のような岩ぶすまは、激しい、嶮しいせり上がりをもって、雪をよせつけない。」 

  昨日から
「雷鳥沢ヒュッテ」に宿泊した。

  夕方にヒュッテの温泉(風呂)につかりながら、窓から見えるアルプスの眺望は素晴らしく、青空を背景に緑の山々が夕暮れまで、目と気持ちを和ませた。

  8月1日の4時半に起床し、顔だけ洗うと、荷物を詰め替え、昨日受け取った弁当をパックの上部に入れて出発した。

  天気は「曇り」で、前日の天気予報では「曇り時々雷雨」(5:00)

  まだ、薄暗いが、ライトをつけるほどではない。

  雷鳥沢キャンプ場
を通り抜け、称名川の木橋を通り、対岸の分岐点に到着する。

  無条件に指示標どおりに進む。

  「雷鳥坂」は、「雷鳥沢」と平行に作られた登山道で、単調な登りが続く。

  ちょっと・・・、休憩時間を利用して朝食に弁当を食べる。(5:30)

 
「別山乗越」にある「剱御前小舎」に到着し、対面にある公衆トイレで用を済ませ、霧と風が強いため、レイン・スーツを着込む。(6:40)

   (剱御前小舎)   N    36°35′78.5″
               E   137°36′59.8″

  これからのルートは、剱御前の尾根ルート、剱御前中腹ルート、剱沢キャンプ場経由ルートがあるが、時間が短そうな「剱御前中腹ルート」を選択した。

  このルートは、3つほどの雪渓が残っており、南国生まれの私には、夏場の雪(氷)は不思議であるし、凍っている部分はかなり怖い・・・。

  右手下に「剱沢キャンプ場」「剱沢小屋」が見える。

  しばらく行くと、眼下に赤い屋根の「剣山荘」が見えるが、剱岳中腹より上は雲の中に霞んでいる。

  「剣山荘」に着くと、今夜泊まるためにチェックインし、剣山荘の三角のペナントと剱岳登頂記念証をもらい、苦笑しながら、ヒップバッグにレインスーツのズボンと食料(弁当・パン・コーヒー・水など)を詰めて、出発した。(7:45)

    (剣山荘)     N    36°36′55.6″
               E   137°36′72.6″

  天候は悪く、今にも降り出しそうな気配である。

  天気が悪く、戻ってくる人が多い。

  戻ってくる人は、明日のための偵察登山みたいである。

  私も雷が来そうだったら、すぐにでも引き返そうと思っていた・・・。

  剣山荘近くで、剱沢から来た2人組と出会い、行動を共にすることにした。剱岳は2人とも初めてとのこと。
(ちなみに、私は前日の雷鳥沢ヒュッテのビデオ鑑賞で、カニの縦這い・横這いは経験あり・・・(笑))

  手前の尾根は、一服剱(2618m)といい、剣山荘からジグザグに登っていき、クロユリのコルから続く尾根に合流し、その尾根を登っていくと、一服剱の頂上に到着する。

  一服剱から下ってゆき、武蔵のコルに着き、そこからガレ場を登っていくと前剣大岩が現れてくる。

  この日は曇っていたため、突然現れたという感じがした。

  この付近から最初の鎖場が現れてくる・・・。

  この鎖場を超えて、
前剱(2813m)に到達する。

  しかしながら、この濃霧ではどこだか分からないために、頂上の人に聞いて前剱と判った・・・。

  よく見ると「前剱頂上」のアルミ板が設置してあった。

  この付近から、霧から霧雨に変わりつつあった・・・。

   目標物が見えず、どこにいるのか判らない・・・。

  上下のレイン・スーツを着込む。


  この霧雨の中で、
雷鳥のツガイを3〜5m近くまで見ることができた。

  雷鳥は思ったより大きく、近づいてみても、あまり人を警戒することはなかった・・・。

  いくつかの岩場と鎖場を越えていく。

  5mくらいの垂壁(「カニの横這い」に非ず)を越え、平蔵谷源頭の雪渓のところに、避難小屋跡があり、いわゆる、ここが「平蔵のコル」である。

   この付近から、
「カニの縦這い」が始まる。

   霧雨から雨に変わり、岩という岩は濡れて、滑りやすくなっており、用心深く、岩に手をかけ、慎重に足場をとり、補助的に鎖を掴む。

  
カニの縦這い」は、最初のピンに足を乗せ、鎖に捕まり、強引に体を引き上げる。

   岩場を鎖に従い右に回り込み、10mの垂壁を登っていく。

  雨に濡れた岩肌に掴まりながら、途中から引き返そうかなと思うほど、岩場が続く・・・、現実には、途中からは引き返せないが・・・、しかし、所々に岩のステップがあり、思ったほど、難しくはない。

  ステップがないところでは鎖の固定釘に足を乗せて、ステップを確実にする。

  最後のステップが難しく、腕で強引に体を引き上げてしまった。

  岩が濡れていなければ楽だったかもしれない。(・・・逆に、雨だったからこそ、慎重にステップが踏めたかもしれない。)

  そこからが更に長い・・・ように感じた。既に5時間以上歩いているので、エネルギー切れで、先の二人に着いていけない。

  途中でアクエリアスで、ミネラルを補給し歩き出す。

  深い霧の中で、やっと
「剱岳」(2998m)頂上に到着する。(10:18)

    (剱 岳)      N    36°37′39.8″
               E   137°37′02.3″

  剱岳は中央に木造の社があるだけで、芝崎芳太郎の石の立派な・・・「三角点」(三等だから・・・無理かも)を見つけることはできなかった・・・。

  ここで、雷鳥沢ヒュッテの弁当を食べ、水分を十分に補給し、先発の剱沢の二人を送り出す。

  頂上は霧雨から、本格的な雨になったため、雷を恐れ、レインスーツをキッチリと着こなし、出発する。(10:40)

  雨で周りが見えないが、踏み跡だけを頼って、分岐点をペンキの指示どおりに降りていくと、
「カニの横這い」に到達する。

  
「カニの横這い」は、人によっては一番難しいと言われるが、私とっては、雨が足下を滝のように流れていれば、困難どころではなく、雷に打たれれば・・・、それどころではない・・・逃げるのに必死である。

  「カニの縦這い」を雨の日に降ることは出来ない。

  もう、カニの横這いしか、道は残されていない。

  
「カニの横這い」では、鎖を掴み、左足を差し伸ばすがとどかない・・・。

  岩棚を見ると、右にペンキ跡があり、右足を下ろし、着地点を探るとステップを見つけることができた。

  後は簡単で、20cmの岩棚を5mくらいトラバースし、最終が10mの梯子で、カニの横這いが終了する。

  後はそのまま下山を続けたが、ペンキの目印がなく、困ってしまった。

  2〜3人で帰路を探しながら帰っていった。

  宿泊場所の「剣山荘」に帰り着いたのは13時過ぎであった。(13:10、34,000歩)

  雨で、靴の中に雨が少し入ったが、立派なレインスーツのおかげで濡れることは全くなかった・・・。