東京オペラシアター
仮面舞踏会 CG集(3)(作成:久山)



◆◆第1幕◆◆

●17世紀末。ボストン総督リッカルド(ワーウィック伯爵)の家の広間。朝。
 士官達や貴族達がリッカルドを称えつつ待っているが、一方でサムエル、トム等の不穏な動きも認められる。


●リッカルドの登場
 ボストン総督リッカルドが皆に挨拶しながら現れる。小姓オスカルが舞踏会の招待状のリストを彼に渡す。リッカルドは密かに心寄せる女性アメーリアの名をそのリストの中に認めて「彼女に再び!」と再会するその瞬間を心に思い浮かべ、喜びに胸をときめかす。


●リッカルドは皆に退出するように命ずる。
 オスカルと入れ違いにリッカルドの腹心レナートが入って来る。彼はリッカルドに対する陰謀を調査中であり、リッカルドの悲しげな様子はその事を憂いた結果であると勘違いする。だがリッカルドの思い人であるアメーリアはレナートの妻。リッカルドは動揺を抑えつつレナートの勘違いに胸をなで下ろすのだった。
 そんなことは露も知らないレナートはリッカルドの陰謀などを気にもかけない態度に「あなたを失って祖国の光り輝く未来が何処にあるというのですか?」と心配する。


●オスカルが第一判事を伴って戻って来る。
 第一判事はある邪な女を追放に処したいとリッカルドの署名を求める。書類に目を通し、女性を追放にするのか?と驚くリッカルド。その女は何者かというリッカルドの問いに、オスカルは、彼女はウルリカという優れた女占い師であり、皆がその住まいであるあばら屋に助言を求めて押し寄せるのだと弁護する。そのオスカルの話をリッカルドは興味深く聞く。

●リッカルドは皆を呼び戻すように命じる。
 皆の前でリッカルドは「諸君、今日ウルリカの住処に君達を招こう、私も変装して行く」と、「その光景を自分の目で見てみたいのだ」言う。そして自分に漁師の服を用意するように命じ「一日中馬鹿騒ぎをし、ふざけよう!」と提案する。この無謀な計画に恐れおののくレナートは度量の大きいこの人物が守られるようにと祈らずにいられない。そして、一方でこれはチャンス到来と喜ぶ陰謀者達...
 最後に「変装し身分を隠して、3時に!」とウルリカの住まいにて集うことを皆は声高に叫ぶのだった。

◆◆女占い師のあばら屋◆◆

●ウルリカは祈りの最中である。
 ウルリカは霊感を受け神託を呟き始める...とそこへ漁師に扮したリッカルドが登場する。だが神託の邪魔をしたことに怒る民衆達の剣幕に苦笑しつつ彼は隅に引っ込み、ウルリカの祈りが続くのを見守る。ウルリカの託宣に民衆達は歓喜の声を上げるが、ウルリカに「静粛に!」と諭される。


●シルヴァーノが群衆をかき分けウルリカに自分の運命を聞きに来る。
 シルヴァーノはウルリカに手を差し出し、伯爵の為に死も恐れず仕えてきたが15年間何も報酬がなく過ごしてきたのだと言う。ウルリカは「喜べ、間もなく金と地位を獲得するだろう」と予言する。それを聞いたリッカルドは「嘘を付くべきではない」と気が付かれないよう彼のポケットに士官に命ずる巻紙を忍ばせる。シルヴァーノは幸先の良い予言には褒美があるものだが?とポケットを弄りその巻紙を発見する。狂喜するシルヴァーノ。民衆達は予言が的中したことで更に熱狂する。

●扉をノックする音が聞こえ、一人の召使いの登場する。
 ウルリカに自分の主人が内密にご相談したいので人払いをお願いしたいと頼む召使い。その召使いがアメーリアの召使いだと気が付いたリッカルドは隠れてこっそり様子をうかがうことにする。やがてウルリカの希望によって人々が出て行くが...


●人々が退出した後、アメーリアが現れる。
 アメーリアは非常に動揺している。何と彼女はリッカルドに対する恋心を消そうとやって来たのだ。彼女の心の内を知って狂喜するリッカルド。
 一方ウルリカは彼女に郊外の、罪人を処罰する恐ろしい地に生える魔法の草を夜中に一人で抜いてくるように助言する。恐怖におののくアメーリアの姿を見てリッカルドは君一人で行かせる訳にはいかない!と彼女の後を追っていこうと決心する。と、その時奥から民衆の歓声が聞こえ、ウルリカは急いでアメーリアに立ち去るように言うのだった。


●変装した騎士達が登場し、ウルリカに「占え!」と騒く。
 リッカルドは変装した騎士達と合流し、進み出る。彼は自分は船乗りであり、死も恐怖も恐れないのだが、とウルリカに自分の運命を尋ねる。
 その彼の手を取り「軍人マルスの星の下に生きる偉大な人の右手である」とウルリカは言い当てるが、その後の言葉を言い淀む。リッカルドは更にしつこく彼女に言うように求め、渋々ウルリカは彼が「友の手によって死ぬだろう」という予言する。恐怖が皆を支配する。


●リッカルドは「そのような予言は冗談か気違い沙汰だ!」と周りを見渡す。
 そして暗殺者になるのは「今日中に最初にお前の手を握りしめる者」と言われたリッカルドは予言の偽りを証明しようと周囲の者達に握手を求める。だが誰も握手をしようとしない。と、そこへレナートが現れる。リッカルドは彼の手を握りしめ、予言は偽りだと断言する。
 レナートがリッカルドを伯爵と呼ぶのを聞いて、ウルリカも自分が話している相手が誰であるか気が付く。

●シルヴァーノ達と市民達が乱入して来る。
 シルヴァーノ達はリッカルドを認め、彼等はリッカルドを称えて大騒ぎになる。その民の声に彼等に対して些かの疑いも自分は持つことは出来ないと呟くリッカルド。そのリッカルドの身を案ずるレナート。そして民衆の歓声の陰で、サムエル、トム達は暗殺のチャンスを逃したことを歎き、ウルリカは「彼は自分の宿命を信じないが傷つけられ死ぬだろう、その片足は墓穴の中にあるのだ」と、またサムエル・トムの不穏な動きにも鋭い眼差しを投げかけるのだった。


< 第1幕 終わり >

◆◆第2幕◆◆

●ボストン近郊の人里離れた野原。雲がかかった月が辺りを照らしている。
 アメーリアが現れる。彼女は魔法の草を摘みにこの恐ろしい場所にやってきたのである。それを手にしたとき、心の中から愛しい人の姿が消えるだろうと言う魔法の草を...。


 だが彼女は戦慄と恐怖に満ちた場所の雰囲気に怯え、真夜中を告げる鐘とともにその緊張は頂点に達する。アメーリアは神に祈らずにはいられない。

●「君と一緒に私が居るのだ」とリッカルドが突然現れる。
 リッカルドの出現に動揺するアメーリアは「私はあなたの最も信頼する友のものなのです、あなたに命を差し出そうともする人の...放っておいて下さい」と懇願するが、リッカルドの熱意に折れ、ついには自分の胸の内を告白してしまう。
 「あなたを愛しています」、そのアメーリアの言葉に歓喜で打ち震えるリッカルド。
彼は「もう決して日が昇らないように、闇の星よ私を照らしてくれ!」と呟く。一方、アメーリアはここで死んでしまいたいと嘆く。


●何者かの足音が聞こえてくる。
 一体誰が?この死に満ちた場所へ?訝しむ二人の前に何と現れたのはレナートだった。アメーリアは急いでヴェールで顔を隠し、恐怖する。  一方、レナートは向こうで伯爵の命を狙っている暗殺者達をマントで誤魔化し切り抜けて来たと告げる。彼はリッカルドを自分のマントで覆い、この場から逃げるように言うが、リッカルドは彼と一緒にアメーリアを残しては行けないと躊躇う。だがその身を案じるアメーリアは彼が逃げ出さなければヴェールを外すとまで言い出す。  結局リッカルドは「彼女に一瞥も、声も掛けないで街まで送ること」をレナートに誓わせた後、アメーリアに思いを残しながら立ち去るのだった。


●暗殺者達が近づいてくる。
 彼等に鋭く問いかけるレナートの声に、サムエル、トム等、暗殺者達も目の前にいる人物がリッカルドではなくレナートであることを知る。悔しがるトムはせめて女の顔をだけでも拝もうとアメーリアに迫り、レナートは剣を抜く。この展開に驚き彼等を制止しようと我を忘れて両者の間に割って入ったアメーリアからヴェールが落ちる。


●ヴェールの女性が自分の妻と知って愕然とするレナート。
 暗殺者達は自分たちは「夫婦の蜜月を邪魔したのか?」と笑い出し、恥を受け怒りに震えるレナートの目線はリッカルドが逃げていった道に向けられる。絶望に泣き崩れるアメーリア。


●ある決心をしたレナートはサムエル、トムに明日の朝、自分の家に来るよう言う。
 彼等を呼びつける理由は家に来れば分かるだろうと言うレナート。サムエル、トムはレナートの家を訪れることに同意し去る。彼等が笑いながら去るのを聞きながら、レナートは「街の城門までお前を送り届けると誓ったのだ」とアメーリアに震えながら言い、彼女を連れ、去る。


< 第2幕 終わり >

◆◆第3幕◆◆


●レナートの家の書斎。

 怒りに震えるレナートがアメーリアを非難している。


 何を言っても無駄であることを悟ったアメーリアは、死ぬ前に息子を抱きしめるよう、「妻を拒んでも母の願いを断らないでください」と懇願し、許される。


 アメーリアが立ち去ると、彼は伯爵の肖像画をじっと見つめながら復讐を誓い、そしてアメーリアとの甘く懐かしい想い出に思いを馳せるのだった。


●サムエル、トムが現れる。
 彼等に「君達の目論見全てを自分は知っている、リッカルドの死を望んでいるのだろう、だが自分もその仲間に加えてくれ」と言い出すレナート。  突然のレナートの心変わりに戸惑うサムエル、トムだったが「彼は嘘を付いてない」と信じることにし、3人は共に復讐を誓う。


●サムエル、トムに自分が伯爵を殺すことを許して欲しいと懇願するレナート。
 しかしそれぞれがその権利を主張する為、くじ引きで決めることが提案される。
 丁度そこへオスカルが来たことを告げに来たアメーリアが現れ、レナートはくじを引く役を何も知らないアメーリアに命ずる。アメーリアは震える手でくじを引く。

●レナートの名が選ばれる。
 喜びに震えるレナート。その異様な雰囲気に、彼等がリッカルドの死を願っていることを確信するアメーリア。

●オスカルが呼ばれる。
 オスカルは今晩の仮面舞踏会にアメーリアがレナートと一緒に来るよう伯爵が願っていると告げる。アメーリアは断ろうとするが、レナートは暗殺にちょうど良いチャンスと考え、その話を受ける。
 何も知らないオスカルはアメーリアに「宴の女王となるでしょう」と言い、レナート達は暗殺の場面を思い浮かべる。蒼白な美女達に見守られ、ドミノ(仮面舞踏会のフード付きの黒マント)をまとって復讐が成功するその時を!
 アメーリアは何としても前もって危険をリッカルドに伝えようと決心し、またその一方でレナート、サムエル、トム達は衣裳を同じに、合い言葉を「死」と決めるのだった。


◆◆伯爵の書斎◆◆

●リッカルド一人。
 彼はアメーリアに思いを馳せている。レナートをイギリスに赴任させるよう書き記した書類に署名するのを躊躇いつつ「広大な海洋が我等を分けるように、別れの挨拶も無く彼女は夫に付いていくだろう、そして心は沈黙するのか」と彼女への思いを呟く。


●舞踏会の音楽が聞こえる。
 向こうにアメーリアが居る!と思いを押さえられなくなったリッカルド。もう一度彼女と話をしに行こうとするところへ、オスカルが見知らぬ婦人から預かったという手紙を届けに来る。
 その手紙には舞踏会の席で誰かが彼の命に危害を加えようとするだろうと書いてある。だが舞踏会に参加するのをやめれば自分が臆病風に吹かれたように人々に噂されるだろうと、それは自分の望むことではないとリッカルド。彼のアメーリアに再会したいという思いは止まらない。

◆◆豪華に飾られた舞踏会場◆◆

●舞踏会場では密かにレナート、サムエル、トムが合い言葉を交わし合流する。
 だが、レナートはリッカルドが会場に来てないと告げる。そのことを聞いて落胆するサムエル、トム達。


●一人の仮面の男がレナート達に視線を投げかける。
 慌てて、レナートは、サムエル、トムと別れるが、その男はレナートに執拗につきまとう。仮面の男は実はオスカル。レナートはオスカルから伯爵が会場にいることを知らされると、重要な用件があるからと彼から伯爵の扮装を聞き出そうとする。


●なかなか伯爵の出立ちを喋ろうとしないオスカル。
 一旦両者は人混みにはぐれるが、レナートは彼に追いすがり伯爵の扮装を聞き出す事に成功する。

◆◆アメーリアとリッカルド◆◆

●物思いに耽りつつ進み出るリッカルド。その後を仮装したアメーリアが追う。  リッカルドに逃げるよう声を掛けるアメーリア。彼女のしゃくり泣きで本来の声が明らかになり、リッカルドはその女性がアメーリアであることを知る。
 アメーリアは「ここに留まるなら明日には死体となっているでしょう!」と訴えるが、リッカルドは意も介さない。
 だが最後にリッカルドはアメーリアに「君は明日にはレナートと一緒にイギリスに旅立つだろう」と告げる。永遠の別れを告げる2人。


●突然2人の間にレナートが飛び込み、リッカルドを刺し通す。
 アメーリアの悲鳴に大騒ぎになり、皆が集まってくる。殺人者は誰だ?という声を受けてレナートの仮面が剥がされ、皆おののく。
 「死と汚名を裏切り者に!」と激高する人々に、瀕死のリッカルドが彼を放すように命ずる。

●リッカルドはレナートに書類を渡す。
 リッカルドはアメーリアの純白を自分が尊重したこと、レナートをイギリスに赴任させようとしたことなどを語る。
「私は彼女を愛した、だが私は望んだのだ、無傷の君の名前と君の心を! 」

●レナート達は自分のしたことを後悔する。
 リッカルドは為政者としての最後の命令である赦免を言い渡し、皆はその寛大な心に胸を打たれる。リッカルドは愛しいアメリカ、そして人民達へ最後の別れを告げると息を引き取るのだった。


 「恐怖の夜よ!」という人々の叫びで幕が下りる



<オペラの終わり>




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