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〜乙女革命ナナセ〜

ななぴー「というわけで、今回はいつもの(?)出だしネタが不調のため、あたしことななぴーあ〜んどっ!」
茜「…茜です」
ななぴー「の二人のトークでもってお送りする『乙女革命ナナセ』で〜す!」
茜「………作者の手抜き、です」

ぐさあっ!!

茜「…何ですか?この音」
ななぴー「きっと作者の心臓に槍でも刺さったのよ」
茜「…そうですか」
ななぴー「(無視して)なんと今回は第一回ということで、特別ゲストとして『ONE』のヒロインといえばこの方、長森瑞佳さんをお呼びしていまーす!」

(ぱちぱちぱち)←拍手の音

長森「えっと、その、こんにちわ」
ななぴー「どうもこんにちわー!」
茜「…」
ななぴー「さっそくですが、長森さんに質問のお葉書が届いているので、それに答えて欲しいんですけど?」
長森「あ、はい」
茜「…」
ななぴー「では『PN,匿名希望』さんから。

『やっぱ、あのクリスマスのイベントではあの男にやられちゃったんすか?』

だそうですが」
長森「…これ、答えなきゃだめなの?」
ななぴー「(力強く)はいっ!」
茜「…」
長森「あの、わたしも女の子だから、そういうことには答えたくないんだけど…」
ななぴー「わかりました、長森さん。 …というわけで、答えは

『やっぱヤられちゃいました』

ってことだそうで〜す!」

長森「あ、あのぅ…」
ななぴー「というわけで今回はここでお別れですが、何か要望などありましたら作者 までお送りくださいねー。それでは、ななぴーと」
茜「…茜が」
ななぴー&茜「お送りしましたー!」
長森「そ、そのぅ…だから…」

茜「…………………………………………………(にやり)」

ひょっとして、前回(注:第2.5話)のこと根に持ってる?

茜「…はい(にっこり)」



第三話 「嫌いは好きの始まりだもん・前編(?)」


その日はいつものようにいつもの朝、いつもの学校、いつもの教室、そしていつもの授業…とはいかなかった。
現実は常に儚く惨いものであり、あたかもそれは、否応無く人を陥れようとする魔女の姦計のようである。
えてして人は失ってから「日常」と言えるもののありがたさを感じるが、それは結局皮肉以外の何物でもない、そう彼は思った。

「んあ〜、一体コレはどういうことなんだ?」

髭の目の前には、「顔中怪我だらけの三年川名みさき(個人的にこの生徒のことをよく知っている)」、「全く無表情な一年上月澪(この生徒は一応顔だけは知っている)」。さらには「じたばたもがいている二年七瀬留美(この生徒には…よく思い知らされている)」の姿があった。

「んあ〜、一体コレはどういうことなんだ?」

髭は本日12回目の疑問を口にした。しかも、12回全部同じ疑問である。
周りの生徒達も、この三人から発せられる異様な雰囲気にあてられて、ある者は泣き、ある者は嘔吐し、そしてある者は半狂乱になりながら机の上で踊っている。

「んあ〜、川名君、君の教室はここではないと思うんだが?」

髭の言葉はシカトされた。

「んあ〜、上月君、君の教室はここではないと思うんだが?」

髭の言葉は、毛筆で書かれた立派な字によって、

<合ってます>

と否定された。

<どうしてそういうこと、言うんですか?>

半紙を掲げて髭を見る目元がちょっとだけ、潤んでいる。

<私が、…>

髭は慌てて顔を背けた。

「…んあ〜、今日は体調がすぐれないので自習とする」

髭よ、さらば。



この話の原因は前日まで遡る。
前日の放課後。

「ねえ、今日の帰りどっか行かない?キムチラーメンとか」

七瀬は、帰り支度をしている茜にそう尋ねた。つーか、またそれかい?

「…甘いものがいいです」
「みゅ〜」

七瀬は露骨に顔をしかめた。

「う〜ん、甘いものはねぇ…」
「…よかったら、私が奢りますが?」

…そうなると話は別らしい。

「さあ今日は山葉堂へレッツゴウよっ!」

現金なやつ。

「…先に、この向こうにある公園へ行っててください」
「みゅ〜」

山葉堂の前の行列に並んだ茜と繭は、そう七瀬に言った。

「判った、じゃあ先に行ってるね」

七瀬が茜に言われた場所に行くと、そこには三人の先客がいた。

「あら、あなたは二年の七瀬さんじゃない?」
「そうですけど…あなたは?」

話しかけてきた同じ学校の先輩らしい一人に、七瀬は尋ね返した。

「ああ、こっちのことは知らないわよねえ、私は三年の深山雪見。でこっちの二人が…」
「三年の川名みさき、だよ」
(かきかき)<一年の上月澪、なの>
「あ、そうですか、どうも初めまして…」

結構律儀に挨拶する七瀬。

「…それが、私達にとっては初めてじゃなかったりするわけ」
「詩子ちゃんとの『決闘』を見ていたんだよ」
(かきかき)<みてたの>

相手の言ったことに七瀬は驚いた。

「じゃ、じゃあひょっとして?!」
「そう、そのとおりよ」

自分に酔っている深山は大きく肯いた。

「あんた達、そろいもそろって、『盗撮屋』とかそーゆーのなの?!」

七瀬の勘違いに思わずこける深山。

「…あれ、違うの?」
「なんで好き好んでそんなもん盗撮しないといけないのよっ!」
「だって、作者はこの間『トイレで隠しカメラ』を見つけて、つい頭にきて壊してきたことがあったっていうから」

ほんとーです(by作者)。

「…そんな作者の異常体験話なんかどうでもいいけど、私達は違うわよ」
「言ってることがよく判らないけど、違うよ」
(かきかき)<ちがうの>

深山を弁護するように、みさきと澪は言葉を重ねた。

「そうね、簡単に言うなら、私達も『デュエリスト』ってことね」

今度はよく言葉を選んでから、深山は七瀬に説明した。

「じゃあ、ひょっとしてあの詩子って子の仇を討つために、『決闘』の申し込み?」

七瀬の言葉に首を振る深山。どうしてこいつはいちいち芝居がかっているんだろう?

「あなたが詩子に勝ったことは恨んじゃいないわ。…それどころか、感謝したいくらいだったりするわね」
「今日はね、七瀬ちゃんとお話がしたかったんだよ」
(かきかき)<おはなしするの>

そんな七瀬達を見ている女子の姿があった。

「…やっと見つけたわ、七瀬留美!」

木に登って、腕を組みながらの独白は…あまりかっこいいものじゃないな。

「月並みだけど、あなた生意気よっ!!」

それで独白が終わったのか、下にいる三人の女子に向かってこう言った。

「A子、B子、C子、準備はできてるわよねぇ?」

「「「はい、広瀬さまっ!」」」(一人はやけくそ)
「A子、計画の説明して」

広瀬と呼ばれた女子に促されて、下の一人がコピー紙の束を取り出す。

「あのあかねという子がよく山葉堂に行くのは既に調査済みです。そこで、我々がこっそりと七瀬が食べるであろうワッフルをすり替える、というものです」
「B子、仕掛けの説明して」

別の一人が、広瀬に促されて説明を始める。

「七瀬があまり甘いものが得意ではない、という報告を元に我々が開発したその名も、『激甘!当社比100倍ワッフル』をもって仕留めるつもりです」
「ではC子、実行してきて」
「私、詩子なんだけど…」
「…聞こえなかったのかしらC子?…やぁぁっておしまいっ!」
「あ、あらほらさっさ〜」

………………………………

「やってきました〜」
「ごくろう、C子
「だから私は詩子…」

抗議する詩子、もといC子を無視して、広瀬は、七瀬が「ギャフン!」と言うそのときを待った。

しばらくすると、繭と共にワッフルの入った袋を大事そうに抱えた茜が、七瀬達のほうへ向かうのが見えた。

「さあ、それを食べるのよ七瀬留美!」

全員で、いただきますとかなんとか言いながら一斉に食べ始めた、と思った瞬間、

「どっちゅ〜ん!!!!」

爆発が起こった。

「へ?」

………………………………

しばらく呆然としていた広瀬は、三人に尋ねた。

「…あなた達、何か見た?」
「いいえ、広瀬さま」
「いいえ、広瀬さま」
「なんか爆発…いえ、なんでもありません…」
「そう、じゃあ帰りましょうか」

広瀬とその一味は逃げ出した。

「げほげほっ!」
「みゅ〜う」
「…」
「一体何なのこれはっ?!」
「ひどいよ〜」
「…」

各人勝手なことを言いまくっていたが(うち二名除外)、爆発の煙が薄れるにつれて、とんでもない事実が彼女達を襲うのであった!

「うわあっ!目が見えないっ?!」
「みゅ〜」
「一体この格好はっ?!」
「目が見えるよ〜!」
「…」
「…」

「どうやらあの謎の爆発によって、みんなの精神が入れ替わったようね…ってみさきに澪っ、あなた人の話を聞きなさいよっ!」

かなりの説明の入った台詞を間違えることなく、『真剣な繭』は皆に話した。で、その横には

「目が見えるよ〜」

『笑顔で浮かれる茜』の姿があった。そして

「…なんてことなの?!まさか、そんなことになってしまったとはっ!」

頭を抱えて、『深刻そうな顔をするみさき』やら、

「みゅ〜♪」

『走り回る七瀬』(…これは普通かも)や、

「しゃべれるようになったの♪」

なんというか、『はしゃぎ回る深山』、そして怖いというか何というかは、

(さらさら)<どうしてでしょうか?>

毛筆で話す『無表情な澪』がいた。

「…それはわからないけど、ともかくあの爆発に原因があるようね」

『繭』『澪』に答えた。

(さらさら)<まるで、一昔前のアニメです>

うるさい(by作者)。

「で、誰が誰の体に入ったんですか?」

『みさき』『繭』に尋ねた。

「あなたは目が見えないから判らないでしょうけど、おそらくは…」

…説明している繭って、怖いな。まあ笑顔の茜のほうが怖いけど。
とりあえず、『繭』の説明によるとこんな感じだそーです。

七瀬深山みさき七瀬…』

「…というわけよ」
「それは大変だわっ!一刻も早く、みんなを元に戻さなくては…ってぐわっ!」

…いきなり立ち上がった『みさき』は地面とキスをした。

(さらさら)<そうとはいかないようです>

『みさき』の発言に意見する『澪』。…読めないと思うけど?

「目が見えるよ〜」
「みゅー♪」
「しゃべれるようになったの♪」

『繭』は、浮かれている『茜』『七瀬』『深山』の三人を見ながらため息まじりに言った。

「そうね、そう簡単にはいかないでしょうね。…って、あれは?」

『繭』は公園から走り去ろうとする四つの人影を目撃した。

「一人は詩子さんのようだけど…」
(さらさら)<もう一人は同じクラスの広瀬さんです>
「…妖しいわね、これは調べてみる必要があるとみたわっ!」

肯きながら、『繭』はそう宣言した。

「そういうこと言ってる繭ちゃんって怖いよ〜」
「こわいの」
(さらさら)<怖いです>
「それよりも、茜の姿で『笑顔でスキップ』しているほうが夢に出るくらい怖いわよ!」
「(自分を見て)それはそうだね」
「もっとこわいの」
「…」(注:茜)
「…あたし、目が見えなくて良かったかも」
「みゅ〜♪」

七瀬は、運命の神に少しだけ感謝した…今は『みさき』だけど。




で、話はまた戻る。ちなみにこの日は「集団ヒステリー」で休校になった。

「待て〜っ!あたしのドレスを汚すなぁぁぁ〜!!」

廊下を爆走する『みさき』の姿があった。

「みゅー!!」

『みさき』の追う先には、必死で走る『七瀬』がいた。

「お話するの♪」

誰かれ構わず、話しかけてる『深山』もいる。

「って、ぐあっ!」

『みさき』は、本日24回目となる「壁とのキス」を体験した。

「あの人達は当てになりそうも無いから、私達二人だけでもなんとかしないとね」
(さらさら)<わかりました>

『繭』『澪』の二人は、昨日公園で見かけた広瀬と詩子を追っていた。

「…っと、どうやら見つかったわね」

やがて二人は、中庭でこそこそと話をする広瀬と詩子の姿を見つけた。

「…だから、きっとあの爆発のせいで!…」
「…爆発?何のことか知らないわ…」

『繭』は隣の『澪』に相談した。

「どうしたらいいかしら?あの様子だと、しらばっくれられるのがおちね」
(さらさら)<いい方法があります>
「どんな手?」
(さらさら)<それには、みさき先輩の協力が必要です>
「…あの子が協力してくれるかしら?」
(さらさら)<私が説得してみます>

無表情で話す『澪』。なんか、いつもの茜より多弁になってないか?

(さらさら)<そんなことないです>


「目が見えるようになったみさきは、おそらくここに来ているはずだけど…?」

そこは、学校の図書室だった。

「…流石みさきね。こんなところに出入りできるのは、この学校ではあの子くらいのものだわ」

しかし、そこには『幾千、幾万』もの本が乱雑に積まれており、しかも相次ぐ増改築によって、まさに『ダンジョン』と化していたのだっ!

(さらさら)<皆で手分けしたほうがいいと思います>
「…そうね、そうしてみるしかないわね」

続く!!



次回予告(かなりほんとう)

茜「…いきなりの『リテイク』によって、作者はこの話を二つに分けることになりました。それもこれも、澪ファンである雪踏が悪かったのです。

澪をもっとしゃべらせろ〜!』by雪駄

…しかし『ブレンパワード』の返却期限が迫った作者は、ある手段に出るのです。

次回、乙女革命びくとりぃナナセ、『嫌いは好きの始まりだもん・後編?』

…見てください。(ぼそっ)」


茜姐さん、こんな感じでいいっすか?(by作者

「…はい(にっこり)」

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