Back

〜乙女革命ナナセ〜

ななぴー「とゆーわけで今回もあたしこと、ななぴーあ〜んどっ!」
茜「…茜です」
ななぴー「でお送りする『乙女革命ナナセ』で〜す!」
茜「…今回は読者からのリクエスト特集第1弾です」

ななぴー「大体リクエストなんて来てるの?」
茜「…」
ななぴー「ま、まあそんなことはさておき、まずは1枚目のリクエストから。 『着ぐるみ繭をイラストにしてほしい』ですか…あ、これ雪踏からだわ」
茜「…」
ななぴー「確かに、あれは見てみたいものがあるわね」
茜「…そうですね」
ななぴー「じゃあ、『俺がやってやるぜっ!』ってな人がいたら、別に作者に断りを いれなくても構いませんので、ぜひやってくださいっ!」
茜「…見たいです」
ななぴー「では次のリクエスト、 『乙女革命よりも、ながもりだよもんっ!のほうが面白そうだからやってくれ』…こ れって…」
茜「…(怒)」
ななぴー「あ〜はいはい、これは捨てておきます」
茜「…ふぅ」
ななぴー「では最後のリクエストにいきま〜す、 『お願いですから感想のメール下さい』…これは作者からだって(雪駄注:作者寄生中の為、メールは雪駄の方にお願いします。…あさりよしとおの漫画に感化されたらしいですな)」
茜「…」
ななぴー「なんか、これって悲しいものがあるわね」
茜「…」
ななぴー「茜、なにか言ってくれないと、ツッコミもできないんだけど?」
茜「…」
ななぴー「茜?」
茜「…………………(すぅすぅ)」


第三話 「嫌いは好きの始まりだもん・後編(?)」


前回までのあらすじっ!
突如出現した広瀬の姦計によって、あろうことか体が入れ替わってしまう六人!
そのせいで、「超人機オトメダー」に変身することができなくなった七瀬の前に、今 までで最強の敵「だよもん星人」が現れるっ!
…はたして、オトメダーは地球を守ることが出来るのであろうかっ?!
それとも「一億総だよもん化計画」を図るだよもん星人の手の中に、僕らの青い地球 は落ちてしまうのだろうかっ?!

茜「…冗談です」

あ、そう。

「まさか、学校に来てこんな探検をやるとは思わなかったわ」

先頭をいく『繭』は、後ろからついて来る皆を気遣って振りかえった。

「ま、前が見えない〜!」
(さらさら)<大丈夫ですか?>
「…ここ、怖いの」
「みゅ〜!」
「茜〜どこにいるの〜?!」
(さらさら)<ここです>(わかんねえって!)

図書室に踏み込んでから、およそ十分。『繭』は173回目のため息をついた。

「あのねえ!入り口からまだ5mも進んでいないのに、どうしてあなた達はそこまで 騒げるのよっ!」
「だって前が見えないから」
「だって、怖いの」
「みゅー」
「…」(注:茜)

『繭』は174回目のため息をついた。

最初に予想していたのよりも、図書室の中には色々なものが置かれていて、そのせい か皆の足取りは遅々として進まなかった。

「怖いのー!!」

『骨格模型』やら、

「うわっ!なんか踏んだっ!!」

『演劇部の大道具』やら、

「みゅー!」

『キャラメルのおまけのカメレオン』やら、

(さらさら)<あれは何ですか?>

『充電中のメイドロボット』まであったりする。

…えっ?

「ここ怖いの〜」
「みゅ〜」
「ところで、怖がりの澪をよくここに連れて来れましたね?」

『みさき』『繭』にそう尋ねた。

「ああ、それは澪に『来ないとおしおきするわよっ!』って言ったら簡単について来 たわ」
「…おしおき?」

『みさき』『繭』の言葉を聞き違えたかと思った。
「『おしおき』のほうが怖いの〜!」

『繭』の言葉に反応して、これまで以上におびえる『深山』
…一体どんな『おしおき』なんだ?

「目が見えないと、なんか凄く時間が経ったような気がするわ」
「そうでもないわ…もう一時間は経ってるもの」

徐々にこの迷宮の最深部に近づいている探検隊。

「怖いから、みんなで歌うたうの」

『深山』がそう提案した。

「…そういえば、上月さんの歌なんて聞けるのは今くらいしかないわね」

『繭』は少し寂しそうに言った。

「じゃあ澪。ここはあんたのリサイタルってことで、何か歌ってくれない?」

『みさき』がそう促すと、『深山』は恐怖を忘れて恥ずかしがった。

「…恥ずかしいの」
「あら、私も澪の歌を聞きたいわ」
「みゅー!」
(さらさら)<聞きたいです>

皆に励まされて、『深山』は歌い出した。

………………………………

「…なんというか、その…」

『繭』は慎重に言葉を選ぼうとしたが、それは大変難しかった。

「…みゅ〜ぅ」

『七瀬』も同じらしい。

「耳がっ!耳がっ!」

露骨に『みさき』はもだえ苦しんでいる。
『深山』の歌を聞いた者は、皆とある言葉を思い浮かべた。

『音痴』

そんなことに気がつかない『深山』は、とても楽しそうに歌っていた。

「…ところで、茜は大丈夫?」
(さらさら)<もう耳栓してます>

それはひどい。

(さらさら)<いました>

それから『深山』の音の暴力にさらされること二時間と七分、ようやく一行は目的の 場所である学校の図書室の最深部にて、体全体で喜びを表現するかのようにして 『茜』が本を読んでいるのを発見した。

「…あの子、本が好きだから」

思わずしみじみとしてしまう『繭』

(さらさら)<このままでいいんですか?>
「…やっぱりそうはいかないわよね」

決心して『茜』の前に立とうとする『繭』、と、それを『澪』がとめた。

(さらさら)<私一人でやってみます>
「出来るの?」
(さらさら)<私が失敗したら、深山先輩にお願いします>
「…わかったわ」

『澪』『茜』の前に立った。そして何事かを『澪』が言うと、みるみるうちに 『茜』の顔が青ざめていくではないかっ!

(さらさら)<協力してくれるそうです>
「…それはいいんだけど、あなた、みさきに何て言って説得したの?」
(さらさら)<秘密、です>
「(半泣き)ごめんね雪ちゃん、私みんなが元に戻れるように頑張るよ!」

「…あたし、目が見えなくてよかったって思ったの何度目だろ?」
「みゅ〜」
「なんか、図書室より怖いの」

…妙に張り切る『茜』。ほんとに何があったんだろうか?

(さらさら)<秘密、です>

「で、みさきに協力してもらうって、何をさせるつもりなのかしら?」
(さらさら)<もうみさき先輩には説明してあります>
「詩子ちゃんと、少しお話ししてくるだけだよ」

…ほんとにそれだけか?

「詩子さんがいたの!」
(さらさら)<ではお願いします>
「わかったよ」

「ねえ、詩子ちゃん?」
「あ、茜?!…あなたは大丈夫なの?」

その気持ち、判らなくはないぞ詩子!

「うん、私は平気だよ」
「そ、そう。それならいいんだけど…」

いいのか?

「それはそうと詩子ちゃん、昨日の爆発のこと知ってる?」
「ししし、知らないわよっ!公園になんて昨日行ってないからっ!」
「…私、公園なんて一度も言ってないよ?」

詩子は、『茜』の指摘に言葉をつまらせた。

「別に詩子ちゃんのことを責めようって気はないよ。それよりなんで爆発が起こっ たのか、それを知りたいんだよ。」
「…そうなの?」

『茜』の言葉に、少し安心する詩子。

「教えてくれたら、前みたく『アレ』やってあげるから」

詩子は0.1秒で魂を売った。

「あれは茜と同じクラスの広瀬っていう子の差し金でね、なんでもあの子達が開発 した『激甘!当社比100倍ワッフル』っていうのが、あの爆発を起こした原因らし いわ。…そうそう、余ったのを幾つかもらっておいたから、あげるわね」

頼んでもいないのに、親切にワッフルまでわけてくれる詩子。いきなり協力的すぎる んじゃないか?

「で、『アレ』だけど…」
「今は忙しいから、また今度ね詩子ちゃん」

詩子の雰囲気に押されて、そっこー『茜』は逃げ出した。

「…っていうわけで、これがそのワッフルだよ」
「それはいいんだけど、茜…『アレ』って何?」

「あ、それあたしも知りたい」
「みゅー」
「知りたいの」
「私も知りたいな」
「…」

また答えないつもりか?

「…というわけでこのワッフルを食べれば、もう一度爆発が起こってみんなの体が元 に戻るはずなのよっ!」

『繭』が解説した。つくづく解説とかが好きらしい。

「…じゃあ、この状況はどういうこと?」

『みさき』は険悪な目で『繭』を見た。いや、見えてないけど。

「そうね…どういうことかしら?」

先ほどから、何度か試してみたものの、爆発どころか煙一つ起きなかった。
おかげで、茜(今は『澪』)以外の人間は、もう少しで吐きそうなくらいまで追い詰 められていた。精神的にではなく、肉体的に。
場所に問題があったからではないか?と公園まで行って試しても、結果は同じだっ た。

「何が問題なのよ〜っ!」
「昨日食べたのと味が違う気がするの」

『みさき』の絶叫が響く中、『深山』がぽつりと漏らした。

「…」
「それよっ!」

しばらくの沈黙のあと、『繭』が叫んだ。

「でも詩子ちゃん、嘘を言ってるようには見えないよ?」

『茜』は詩子を弁護した。確かにあんな目をした人間が嘘をつけるとは考え難い。

(さらさら)<思い出しました>

『澪』はスケブに書いた。

(さらさら)<途中で味見をしたのですが>
(さらさら)<いつもより甘さが足りないような気がしたので>
(さらさら)<少し砂糖とか練乳とかを足しました>

皆は笑った。『そんなことが原因であるわけがない』と思いたいから。


…その日の帰り道は、七瀬一人で帰った。



夜空に一筋の星が流れた。
少年は持っていた本を机の上に置いた。

?「…それは誰にでも訪れる世界。恐れればどこまでも追いかけ、受け入れればただ優しく見守るだけの…永遠の世界」

風に吹かれたのか、置かれた本のページが捲れる。
しかし、そこには何も書かれていない。

?「彼女たちはその甘さがその身を脅かすものと知った」

…いやはやまったく。

星明かりが消えるその瞬間、不可思議な文様が白紙のページに浮かび上がり、そして消えた。

?「もう、僕が影響を持ってもいいころだね。…進むべき道の用意は出来ている。そう。黒い茨に彩られた花道を」




次回予告(大嘘)

七瀬「一体なんでこんなに『決闘』が多いのよっ!」
茜「…『黒ワッフル』に魅入られた者は、『花嫁』を消すために存在します」
七瀬「あんたねっ?!…あんたがみんなを影で操っていたのねっ!!」
茜「…ちなみに『黒ワッフル』の黒は、黒砂糖の黒です」
七瀬「次回乙女革命ナナセ、『黒ワッフルの誘惑』」
茜「…えいえんはあるよ」

七瀬「…今回はまともねぇ?」
茜「…次回から、『黒ワッフル編』です」


Back