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《雑記帳1月a b c d e

1月20日 HMX-12

 掲示板でちょっと面白いやり取りがあったんで転載。

マルチは「まずああいうキャラクターを出そうというのがあって、でも人間だとそういう娘は嫌味すぎるのでロボットにしました」というような製作者のインタビューがあって、人格、性格先行でロボであることは後づけらしいんですよね。

伊奈さんや君みたく、人格としてのマルチを見て評価して上げることが正しい見方である模様。
あんなんロボとして駄目だイーヴァを見習え!! とか言ってる俺は間違い。
(中略)

ちなみに私は「まだ何も知らないだけの白い純粋さ」は嫌いです。
「全部知った上で、その上で白、或いはを黒を選ぶ純粋さ」は好きですが。
マルチはいい娘だと思うし、むしろ実際に傍にいたら好きになるでしょうが、「汚れる前の無垢な白い子供(ロボ)」として信仰する一部ファンは好きになれません。
「汚したくない」「汚したい」といって人を枠の中に閉じ込めるような病的な白、透明信仰はどうも好きになれない。

あのシナリオは内容はともかく、そういう信仰を生み出しやすい構成がどうもね。
ロボスキーとしてはロボ=無垢はいいんだけど、無垢という残酷さや黒さ、自然と汚れを知った上でも白を選ぶ強さの表現が欲しかったところ。

しかし、マルチという本当に良い子を表現するシナリオとしては、18禁だからって無理にマルチを汚させなかった優しさ(?)を評価してるし、全てを善く解釈する、決して汚れさることや悪意で傷つくことのないマルチというキャラクターが、それでも愛する相手との別れには傷つき、再会に涙するという、素晴らしく優しく温かいシナリオだとは思うのです。
ロボ少女じゃなく、マルチというちょっと変わった女の子のシナリオとしては凄く好きかも。

<まるちネタは反響出やすいですねぇ 投稿者:AK - 2000/01/21(Fri) 02:04:44 >

雪駄 wrote:
>マルチはいい娘だと思うし、むしろ実際に傍にいたら好きになるでしょうが、
私も、いま「実際にいたらどうだろう」って想像しようとしてみました
そしたら、想像できなかったです
私の中では、彼女は存在しえない人格、っていう結論でした
実際ああいう人を見たらたぶん
「演技で周りの人間を騙してるに違いない」
とか思っちゃうんじゃないかなー。

“♪どこに純白な心などあろう
どこに汚れぬ雪などあろう…”ていう歌があるんです
私好きなんですよねこの歌。


○マルチという人格は存在し得るか否か?
 事象の全て(悪意ですら)を好意的に受け止め、その上で人の為に尽くしたいと願う純粋少女、マルチ。
 ある意味、人間の考える理想の人格である。
 故に、人としてマルチが存在した場合どうなるかを試されたケースは既に数多く存在する。
 例えば「雫」における瑠璃子さん、「オネアミスの翼」のリイクニ…
 前者は電波受信して壊れてしまい、後者は宗教にハマっており、どちらも現実社会からドロップアウトしてしまっている。
 マルチのような娘が人として存在し得るかは、既に多くの人間、そしてリーフは思考実験し、出来ないと結論づけている。
 だからマルチはロボで、ベルダンディーは女神だったのだろう…?

○やさしい、嘘を
 さて、高屋奈月「フルーツバスケット」というコメディー漫画がある。
 素直に笑えて良い作品なのだが、同時に、マルチのように純粋な少女「本田透」が、トラウマを抱えた人物たちと関わり、その優しさで相手と読者を癒して、或いは追いつめていく物語でもある。
 彼女の存在を試すかのように、様々な人の思惑が彼女に向く。
 その存在にある登場人物は縋り、ある登場人物は守ろうとし、ある登場人物はそれこそ「演技で周りの人間を騙してるに違いない」と悪意を持ち、ある登場人物は温かさを感じるゆえにその喪失を恐怖して離れようとし、ある登場人物は、その離れようとする彼の為に彼女を利用する。
 彼女は全てを受け入れて、笑って、一生懸命に彼ら全てに優しさを示す。

 マルチがロボである事がクッションとなった為、ToHeartには皆無だったマルチという理想人格が世界に存在する無理、痛さが本作品では垣間見られる。
 マルチやベルダンディーや透のような存在は、理想でありながら決して存在し得ない物である。
 それ故にその存在はユーモアとなり、そして安らぎと嫌悪と不安を同時にもたらす。
 「ToHeart」ではマルチはロボとして、「ああっ女神様!」ではベルダンディーは女神として、初めから異物として存在するが故にその存在にある種の安心感をもたらすことに成功しているが(代わりに、異種族間恋愛という別の不安要素が生まれているが)、フルーツバスケットの透は飽くまで普通の人間だ。
 ダイレクトにその存在の緊張感が伝わってくる。
 ある意味、北杜夫の「さびしい王様」三部作に通じるような作品(…というのはちと言い過ぎかもしれないが)。
 というわけで、マルチについて考えるという話のどさくさに紛れ、本来のこのページの目的である漫画紹介を行ってみたり。
 いや、本当に素直に笑えたり泣けたりする娯楽作品でおススメです。
 そうそう、逆「とらハ2」でもあるんで、とらハ好きもチェックしておきましょう。

 …しかし、花とゆめ最新号(4号)は読んでいて非常にイタかった。
 師匠が勝手に透君にぶつけてる期待が。
 透の気持ちなどお構いなしに、その優しさと癒しを夾、いや自分のために欲しがっている。
#あれは、俺ら読者の身勝手な視線でもある。
 夾は透が好きだから、自分を背負わせたくない。
 だから離れたいのに、周囲は夾のために透を利用しようとする。
 多分、透は夾を救ってくれるでしょう。夾を背負ってくれるでしょう。
 平気な顔して、さも当然のように。
 夾も皆も(読者も)、どこかで分かってるんですよね。そういう娘だって。
 だからこそ、それを当たり前だと感じてしまいそうな自分が夾は耐えられないというかなんというか。

 …なんというか、長森シナリオにおける夜の学校での浩平の気分でした。


1月23日 DEATHと学園EVAの関係

○今ごろエヴァの俺説
 碇父子は、目の前で碇ユイを喪いました。
 父ゲンドウは耐えられず、<永遠>を求めました。
 綾波レイと<永遠の盟約>を結び、来るべき約束の日にもう一度ユイと巡り合える<永遠>が訪れるように活動を始めました。そして綾波はそれまでのユイの代用品でした。
 一方、シンジもまたユイを失った衝撃に耐えられず、記憶を閉ざし、その所為か父に捨てられました。
#父が連れてきた綾波を拒絶したために捨てられたという説がある
 数年後、シンジは父に<永遠>実現の為に呼び戻され、綾波と出会います。
 彼女はシンジに閉ざしていた母への記憶を思い起こさせました。
 ゲンドウが作り出したユイの身代わりなのです。当然でした。
「お母さんて感じがする…」
 しかし彼女が母ではないことにも気付きます。
 彼女に同時に抱く母への安らぎに似た想いと、そうでない一人の異性への想いにシンジは戸惑います。
 やがて、目の前に現れたもう一人の少女、惣流アスカを女性として意識したときにシンジははっきりと気付きます。
 綾波に抱く想いの中に恋愛感情とは別種の何かがあると、そしてそれとは別に、確かに恋愛対象としての綾波レイにも惹かれていると。
 綾波レイもまた、<永遠の盟約>を果たす道具、そしてユイの代用品としての自分でなく、一個の人格として自分を見てくれるシンジに惹かれていきます。
 そんな中、ゲンドウの準備が整い、約束の時が迫ります。
 綾波は<永遠の盟約>に従い、<永遠>を世界に実現させようとしていました。
 ゲンドウではなく、好意を寄せたシンジのために。
 世界が綾波の導きの元、シンジを中心として<永遠>に満ちていきます。

 気が付くと、シンジは<永遠のある場所>に立っていました。
#いわゆる学園EVAや「DEATH」はこの部分

 そこには喪われたはずの母、碇ユイがいました。
 父、ゲンドウがいました。
 ずっと求めていたもの、無くしたはずの温かい家族がありました。
 気になる女の子の惣流アスカがいました。
 友達も足を喪うことなく笑っていました。目の前で消えたミサトさんも生きていました。笑っていました。
 大好きな人が皆、自分に笑いかけてくれるのです。
 幸せでした。
 あの日無くした幸せな<永遠>がそこにありました。

 でも、誰かが足りません。
 気になっていた女の子。アスカじゃなく、もう一人。
 青い髪の…

 <永遠のある場所>に一人、登場人物が増えました。

 綾波レイ。転校生。元気で活発で、可愛くて、気になる…少女。
 綾波、レイ…。
 違和感がありました。
 彼女は永遠の無い世界で<永遠>をもたらす為に母に似せて父が作った存在です。
 盟約を完遂させれば消えてなくなる存在であり、ゲンドウの望んだ<永遠のある場所>では不必要、初めから居ないはずの存在なのです。
 でも、シンジは彼女の存在を望みました。そして生まれたのがこの、元気な綾波レイです。
 自分と同じようにゲンドウに愛されようと、敢えて利用される事を望み、結果的に道具としか愛されなかったもう一人の自分であり、母の匂いを持った少女、綾波レイ。
 彼女は、ユイの死がもたらした存在。
 ユイが生きているこの世界では存在できない性格と人格と匂いをもった存在だったのです。
 シンジはこの偽の綾波レイを見て気付きます。
 この世界には自分が好意を寄せた綾波レイがいない。惣流・アスカ・ラングレーがいない。…自分自身もいない。この幸せな世界は、全部自分が作り出した都合の良い偽者の人間しかいない、自分に都合の良い嘘だということを。

 シンジは、この<永遠>を見せてくれた本物の綾波に出会います。
 彼女は、彼の中にいました。

「ありがとう」

 礼を言って綾波から離れます。

「……ここにはイヤなことが無い。でも、いい事もなかったんだ。
 だって、僕がいないもの……
 誰もいないのと、同じだもの」

「それは見せかけに過ぎない。
 自分勝手な願いにすぎない。
 ただの祈りにすぎない。
 永久に続かない想いなんだ。
 いつかは裏切られるんだ。
 僕を見捨てるんだ。





 ――でも、ぼくはずっと好きだと思っていた。






 その時の気持ちは
 本当だと思っているから――」

 <永遠のある場所>から帰還したシンジが見たのは、大好きだった皆が死んでしまった世界。
 母も、父もいなくて、好きだった青い髪の少女も人であることをやめ、いなくなってしまった、哀しい世界でした。

 そこでシンジは出会います。
 惣流・アスカ・ラングレー。
 幸せな嘘を否定し、たった一人、この残酷な世界で<永遠>に抗い、虫の息の少女に。

 <永遠のある場所>で出会った彼女とは違い、自分を救ってくれなかった、大好きで大嫌いな彼女に。

 シンジは、愛されることばかり望んで自分を愛してくれなかったアスカの首を絞めます。
 アスカは、愛されることばかり望んで自分を愛してくれなかったシンジの頬をそっと撫でます。

 シンジは泣きます。
 アスカは吐き捨てます。

「あんたなんかに殺されるなんてまっぴらよ」


○なんで今更こんなものを?
 ONE徹底レビューの続き、七瀬考察を書こうとしてたら、なんか、EVAについて書きたくなりました。
 なんででしょうね。
 …あ、<永遠>て言葉を使ったのは別に「ONEってEVAのパクリだよね」とか思って欲しいわけではないです。
 ただ、ONEが遠藤浩輝の「EDEN」と同じ位置にある作品でもあると、そう知っておいて欲しかった…んだと思います。

■僕はこぼれ落ちた感情を繋ぎあわせたら「EDEN」の一部になった。つぎはぎだらけの作品から、またつぎはぎだらけの作品が出来た。同じ事のくりかえし。でも「いい事」は何度でもくりかえすべきだと思う。自分でそう信じられるうちは。

そういえば、本格的なWeb活動の起点となったWhiteさんに捕捉される事件は、「EVAの二次創作家の著名人が次々とONEやKanonにハマっていくなぁ…」というような事をここに書いたことが始まりだったのでした。
 EVAというムーブメントを体験していなかったら、これほどまでにONEに対して強い感情や想いは抱いていなかったような気もします。

1月24日 ときめいている………!!

 「ふぁんデラ」2月号見たですか?

 つーか、本仁戻

 …駄目っすよ。ていうか駄目すぎ(注:褒めてます)

 コイツってば、女の平野耕太ですよ。<意味不明だよ…

 この前の読み切りでは猫被ってたんやね…
 これから過去作品当たってみようかと思います。殆ど全部ホモ漫画らしいんだけど。

私信:
To:ぐっちー師匠
 はわわわ、丁寧な御返事、ありがとうございました――。
 次回作はマルチなのですね。そちらも期待してますです。
 いや、どこかで書いていますが、私は自分の主義主張や好き嫌いや理想に反していても、一個の考え方や作品として纏まってさえいれば、そんなものは無視して面白がれますので(むしろ、自分と違う考え方だからこそ興味を引かれる部分もあるし)、本当に楽しみにしてますですよ。
 煙草が嗜好的に嫌いだからって、煙草吸ってる人を好きにならないかっていうと、そんな事はないですし(坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって言葉もありますが、裏を返せば、袈裟に惚れてしまえば坊主だって好きになれるかもってことですし<なんじゃそりゃ)。
 かといって、自分が煙草を吸うかどうかはまた別問題なのですが、少なくとも、たまたま自分の苦手な物を嗜好、志向してるだけでその人や作品を好きにならない、楽しまない理由は私には無いです。


To:たきをん師匠
 先ほど、サク11Bを読み終えました。
 はぅ――
 心、ざわめきました――

 …あしゅかが書きにくくなってきた理由は、サクにもあるんじゃないでしょうかと思ったり(^^;;


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