雑記 、或いは喪われた雪駄の物語。

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4/8 : 


 母方の祖父が逝く。
 母は嫁いだ人間だから、実の親よりも嫁いだ家の葬儀のために働かなくてはならない。
 俺達が焼香に行くのも、あまり褒められた作法ではないのだという。
 よくわからない。
 わからないが、母方の実家へと行き、挨拶をする。
 叔父の奥さん(俺が幼稚園のとき面倒を見てもらった保母さんだったりもするのだが)が色々と動いていた。

 家に戻ると職場の上司が香典を置いていってくれていた。
 頭が下がる。


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4/9 : 


 祖父は「えふりこぎ」だったという。
 津軽弁だ。訳すなら、ええかっこしい、とでもなるだろうか。
 葬儀は、それに相応しい盛大なものになった。
 祖母はすぐ泣く。
 祖父の話をしていて泣く。
 息子達や孫達が集まる。
 姉の子供が場を和ませた。
 兄弟で久方ぶりに話をした。
 呑まずに、運転手をした。

 祖母がおかしい、という話をする。
 体調もわるいが、日付を間違えたり、同じことを繰り返したり、後片付けができなかったり、少し、おかしいと。
 祖父が寝たきりになってからも、栄養を取らせようと、眠る祖父の口に無理やりにバナナを突っ込んだりということもあったそうだ。
 一歩間違えばそれで祖父は死んでいたかもしれない。
 おかしくなる前からも、祖父や子供達の愛し方が少し間違っていたひとだから、そういうこともありえるだろうと思えた。
 喪失が自分を壊すほどの夫がいた祖母も、それほど愛されていた祖父もきっと幸せで、すこしうらやましい。


 祖父がいない家も少しずつ日常になっていく。


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