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《雑記帳10月》

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10月6日 輝く季節へビジュアルファンブック

 どうも、未だ永遠の世界から帰ってこられない雪駄です。
 一年経つっつーのにしょうがないですね。
 つーわけで、当然「輝く季節へビジュアルファンブック」購入です。
 どう見てもオリジナルのいたるさんでもキッドのだれかさんでもなく娘田丸師匠なイラストの表紙ですが、これはこれで良いです。裏表紙の澪や七瀬のなんとラブリーなこと! 氷上の格好良いこと!! 茜や先輩が切れて顔が見えないのが死ぬほど悔しいぞコンチキショウ!

 …それはともかく。

 肝心の本の内容ですが、えーと、攻略記事が載っているので今度さつきシナリオをやり直す際にでも使わせてもらいます。
 日記風のキャラクターイラスト掲載は好き嫌い別れるでしょうが、私は結構好きですね。日記帳そのものをキャラクターに合わせて設定しているのが凝っていますし、設定された日記帳が七瀬のが可愛らしいクマさんのキャラクター商品だっり、澪のがスケッチブックだったりと非常に「らしい」のは好感を持ちました。
 みさき先輩の日記帳のタイトル「I'LL TOUCH THE BLUE BLUE SKY」とその下にある「Try if you dare,you can walk on air」っていうフレーズはなんかで使わせてもらうこと大決定です。
 ただ、キャラクターの書き文字風の部分があるんですけど…、みさき先輩が普通の字を平気で書いている(?)とか、澪が何故かひらがなばっかりつかっているとか、一部の人は怒るかもですね。

 KIDの企画の人の他、YET11さんこと吉沢務さん、折戸伸治さん、みらくる☆みきぽんさん、久弥直樹さんといったオリジナルスタッフへのインタビュー記事が載っているのが目立ったところでしょうか。

 YET11さんの記事は「Tactics設定原画集」の時と内容的には被っていますが、タイトルに込められた意味や「向こうの世界」についての談話なんかが載っていて面白かったですね。
 ONEというタイトルには「たった一つの大切なもの」との意味が込められているそうで、対抗タイトル候補に永遠に変わらないもの「EVER GREEN」なんてのがあったそうです(なんとなくMy little loverなんか思い出しました)。
 向こうの世界については、スタッフ間でも統一見解というのは実はなくて、YET11説では言霊みたいなもの、言葉上の世界が現実化したものとの捉え方だそうです。
*YET11さんはインターネットなどで出回っている色んな説を読んで楽しんでいるそうですね。有名な亜蘭さんのONE論評を読んだときはきっとひざを叩いたと思われます。

 続いてキッドの移植チームの企画担当、柴田さんのコメントが載っていますが、PS版オリジナルキャラの清水なつきへの言が主体、「タクティクスさんと何度も打ち合わせをして、主人公と妹・みさおの関係や、この世界のしくみを補足説明する役割としてなつきは適任だろう」、「コンセプトとして“原作に忠実なストーリーでありながら、よりこの世界を分かりやすく遊んでもらおう”というテーマがありました」など、ナカナカ興味深い発言が飛び出しております。

 あとは「茜シナリオはラストシーンが浮かんでそれから作っていった」という茜・先輩・澪シナリオ担当の久弥さんの私的に予想通りだったコメントや、澪シナリオに関しては時間が無くて納得いかなかったという、うがーなコメント(いや分かるんですけどね)、みきぽんさんの七瀬ラブ、折戸さんの「ONEのBgmは10点満点中4点」発言など、ここら辺の記事は面白く読め、満足でした。
 ONE企画・脚本の麻枝さんのコメントがないのは残念ですが、フレデリック・ブラウンの言にもあるとおり、物語製作者が物語以外の場所でその物語について語るのは作家や物語自体を貶める結果にもなりかねませんし、企画書が既に発表されている以上、この程度の露出がちょうど良いのかもしれませんね。

 私的には2100円分の元は取れたかな。

10月7日 ジャンル

 SF、ファンタジー、ホラー。
 ジャンルと呼ばれるこれらは何だろう?
 物語だのゲーム形式だのいったもの以外でジャンルというカテゴリ分けがなされているものの代表格は音楽と料理だろう。
 音楽よりは料理の方が私にはまだ分かるので、料理に当てはめてジャンル論という物を考えてみる。
 料理のジャンルっていうと、揚げ物、炒め物、煮物…といったおおざっぱな調理方法なのか、前菜・主食・デザートといったものなのか、日本料理、中華料理なのか迷うところだが、ファンタジーだのSFだのというものがジャンルであるなら、映画だの漫画だの小説だのといったメディアの違いに関係なく適用されるそれらに近いのは、多分最期の料理国籍みたいなものだろう。

 というわけで、「ジャンル:ファンタジー、SF」っていうのは「屋号:ラーメン屋、フレンチレストラン」みたいなものと考える。

 〜をファンタジーではないといって怒るのは、中華料理店で「冷やしラーメン」を出されて怒るようなものなんだろう。

 ONEというのは、「ラーメン屋(18禁エロゲ)」で「味噌ラーメン(恋愛美少女ゲーム)」を頼んだら、「美味しい冷麺(ファンタジー)ベースの創作料理」が出てきたというところか(冷麺がファンタジーっていうのはちょっと違うけど便宜上)。

 それを食べたとき、騙されたことを気にせず「美味しい!」と絶賛したのがはじめにONEを認めたプレイヤーなわけですな。
 そうした人がその創作料理を人に薦める際に、味噌ラーメンだと思ってたら違うものが出されて困るであろう多くのお客さんに「これは冷麺だよ、冷麺だと思えば美味しいよ」と教えてるのが、ONEはファンタジー発言ですね。
 で、味噌ラーメンじゃないのはどうかと思うけど、中に入ってるこのシナチクは上手いと絶賛しているのが前半説の方々で、あと他に「味噌ラーメンでも冷麺でもどうでもいいじゃん、美味いんだから」という人がいる、と。
 しばらくすると市井の評判が固まってきて、評論家が「味噌ラーメン注文してラーメンではないものを出すなんて駄目な店」とか、「冷麺としては最高だ」とか、「こんな美味い料理をラーメンだの冷麺だのというカテゴリで評価するのは間違ってる。ナントカ冷麺ではなく、ONE、或いは別のカテゴリ名称を決めるべきだ」とか言い出す…と、そんな感じですか。

 まぁ、私は料理なんて美味しければジャンルなんぞどうでもいいんですが、初めて来たお客さんに常連さんが「お品書きと違うものが出るけど美味しいですよ」というのはどうかと思うわけで、料理人へ「取り敢えずラーメン作る気が無いならラーメン屋(18禁)やめなさい、紛らわしいから麺に拘るのもやめちゃいなさい」とアンケートに書いてしまったりはしました。

 この料理人の魅力は良く出来た冷麺(ファンタジー)を作ることじゃなくて、冷麺っぽい美味い料理を作ったことだろう、ONEは冷麺として美味いじゃなくて、料理として美味いと正当に評価してやりたい人は、冷麺として考察して、冷麺としてここは変だとか言っている人には違和感を感じてしまう、と。

 やはりONEはファンタジーとして受け入れなければ楽しめないってことは無いなぁ(^^;
 やっぱり徹底レビューはそこら辺を修正しなくちゃ。

10月8日 ファンタジーというジャンル

 昨日のつづきっぽく。
 ファンタジーだのSFだのホラーだのいった言葉を使う難しさについて考える。
 雪駄的にはファンタジーっていうのは科学で説明のつかない法則や存在で成り立っている世界の物語であり、SFは仮定も含めた科学法則に基づいているフィクションで、ホラーっていうのは受け手を恐怖させることを目的とした物語っていうことになる。
 だから私にとっては「スレイヤーズ」も「指輪物語」も「誰も知らない小さな国」もファンタジーなんだよな。山岡屋のラーメンもインスタントラーメンも、やっぱ同じラーメン。味や値段やお手軽さは違うけど。

 インスタントラーメンもラーメンと認めてる人間がラーメンの弊害とは、とかなんとか書いてたら、そりゃインスタントラーメンを認めないラーメン通の人には眉をひそめられるよなぁ。とかなんとか色々考える。
 本当に美味しいラーメン食っちゃたら、インスタントラーメンなんか食えないっていう原理主義者の気持ちも分かるし、インスタントしか食ったこと無いラーメン嫌いに美味しいラーメン食わせようとする気持ちも分かるし、この人は美味いラーメン食ったことないのかもなぁと溜め息を吐く気持ちも分かる。
 でも、ラーメン観の違いをインスタントしか食ったこと無いからだと片づけられたらちょっと困る。そうじゃなくてと言いたくなる。そう説明しても「貴方は〜のラーメンを食ったことが無いからそういう風に言えるんです」とか言われると、それを食うまで反論できなくなる。
 結果、それを食う為に四苦八苦するはめに。
 …評論家が偉そうになったり性格悪くなったりする理由は、きっとここら辺の苦労の代償を求めちゃうせいなんだろう。
 大人が子供の質問に対して「歳をとれば分かる」という論破不可能な命題を出すのに似てなくもない。ある知識、経験を共有したものでないと語り合うことすら出来ない議題ってたくさんある。
 ここら辺を解決する手段として論文、レポート、記録映像、小説や映画といった仮想現実などがあるわけで、究極的に仮想体験(ゲームって不完全だけどこれなんだよね)というものが存在する。
 人が分かり合うための機械は作れないけれど、分かり合う可能性を生み出す機械は作れるかもしれない。
 コンピュータゲームという仮想共通体験について個々の考えを議論し合うのは、実は凄いセンス・オブ・ワンダーなのかもしれない。

「〜みたいのが欲しい」

 と発注者や受け手が(主に)製作者にいうときに必要なのがジャンル名だろう。
 物語を発表する程の自意識、プライドの高い語り手に対して「今流行っている〜さんの〜みたいなものを書いて下さい」というのは非常に言いづらいわけで(相手がプロフェッショナルなエンターティナーなら問題無いんだけど、作家様であるとなると言えない)、ポスト・ロードス島戦記が欲しかったライトノベルの編集者はきっとお抱えの作家に言ったんじゃないかと思われる。「ファンタジー書きませんか?」と。
 結果、ファンタジー通の嵩峰龍二さんが嬉々として「雷の娘シェクティ」をドラゴンマガジンで始め、周囲から浮いてしまって後書きで困惑しているとかいう事態が発生するんだろうなぁ(シェクティ自体は面白かったんでちゃんと人気出て別に問題はなかったけど)。

 料理に置き換え。

 創作料理研究家に「北京ダックが流行ってるんですよ。それ作ってくれませんか」っつーは言いづらいので(そんな事はないだろうが仮定として)、「中国料理の鳥肉っぽいの作ってくれませんか?」とアジア料理の専門家に言ったところ、「蛙料理」を出される。
 …ちょっと喩え間違ったか。

 ともあれ、同一ジャンルがどんどん細分化していくのは間違いを防ぐ為なんだろうな、とか思ったり。

 ファンタジー嫌いだからパス、SF難しいからパスっていうのは分かるけど、〜の法則に乗っ取ってるから素晴らしい物語だとか、法則に外れてるからつまらないとかいうのはなんなんだろうかとか考える。
 注文と違う料理が来たらそれがたとえ美味しくても怒るのは当然だろうけど、冷やし中華を見て、ラーメンとして、温かくないからペケ、麺がシコシコしてるのは良い、ちゃんとしたスープに入れて味噌ラーメンとして売ればいいのにとかいう評論ってなんだろうな、とか。
 すず歌やWAは噺的には良いけれどゲーム部分が邪魔だよね、とかいう自分の発言は、無理してラーメン作らんでも、飲みやすいスープにすればいいじゃんというところか?
 これはファンタジーじゃないっていうのは、Webページをホームページと呼ぶな! っていうのと本質的には同じなんじゃないかな、て思ったり。

10月9日 電脳天使の腕に抱かれて

 Whiteさんのゲーム評論本に投稿する予定で、これをベースに書き進めている「プレイヤーを必要とする映画、物語表現としての<ゲーム>」についての関係でメタルスレイダーグローリーについて調べていたところ、物凄いファンサイトを発見。掲示板に調べていた件について質問すると、メールでの詳しい情報提供のほか、成沢大輔氏の文章だと思っていたものが実は手塚一郎氏のものだという勘違いを指摘される。訂正訂正。

 情報が早く正確で、文章的にも読みやすくて面白く、ONE関係のファンサイトとしては個人的に群を抜いていると思う「ONE〜輝く季節へ〜 私的応援ページ」の kojimaさん(暴走野郎の小島さんとは別の方)が舞シナリオの母親の生死について情報を求めていたのでメール。
 kojimaさんの10月8日の日記にそこら辺のやり取りから生まれた舞シナリオの解釈が載っていますが、非常に分かりやすく纏まっており、いつかKanon徹底レビューをやる時(やるのか?)には参照させてもらいたいほどでした。
 舞が魔物と戦い続ける理由を「嘘」で片づけず、「約束」だと分けて書いてあるところに感心。

 最近、ウチのサイトにhttp://www2.odn.ne.jp/~aab17620/ではなく、http://www4.odn.ne.jp/~aab17620/でやってきたりリンクを貼ったりしている人を見掛け疑問に思っていたところ、Sparkling eyesの亜蘭さんからメール。DNSで検索すると、www4.odn.ne.jpはwww2.odn.ne.jpのCNAME(ようするに各ホストの別名)になっているらしい。なんでODNがそうしているのかは良く分からないが、別に問題はなさそうなので一安心。

 それと、亜蘭さんは「輝く季節へビジュアルファンブック」の"I'll touch the blue blue sky"と"Try if you dare, you can walk on air" はアラン・パーソンズ/オン・エアーというCDに収録されている "Blue Blue Sky", "One Day To Fly" からの引用だということも教えて下さった。
 なんと親切な方だろう。明日該当のCDを探してみようと思い立つ。
 にしても、亜蘭さんが「輝く季節へ」関係でアラン・パーソンズについてメールを下さるって、なんかいいなぁ。
 勿論メールの内容も丁寧で、以前から氏のサイトや文章のファンであったけれど、さらにファンになってしまいましたよ私は。

 しかし、いつものことながら何処で誰に読まれてるかは分からない。何時の間にかSTG談義でBiTmap Publishingのsugichさんに小島さんとこの真・掲示伴忠太で捕捉されたり、雑記にリンクして頂いたり(…R-TYPEはハードが分けわからなくなって追いかけてなかったんで見逃してた、ぐわー。コンパイル10周年記念作品といえば、これに出てくるボスキャラの一つが何故かレイフォースにゲスト出演(?)してるんですよね。攻撃方法までそっくりで…)と、昨日まで遠くからサイトを眺めてるだけだった方と何時の間にか対話しているという、Webの面白さを再度実感する今日このごろ。
 私と今木さんなんか、実生活は勿論、メールどころか掲示板でも対話したこと無いのに日記をリンクしあってるんだものな。なんか不思議。
 ちょっと前ならSFのセンス・オブ・ワンダーだよね、こういうの(今でもセンスオブワンダーだけど、現実に体験してるのが凄い)。



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