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《雑記帳10月》

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10月10日 永遠の無いこの世界で

 大好きな人に、大好きだから、
 だから自分からさよならをしたことはありますか?
 僕にはあります。
 相手に依存していることが分かったから。
 相手を失った自分が弱いことに気づいたから。
 喪うのが怖くて、ヒステリックに関係に固執している自分に気づいたから。
 だから、さよならをしました。

 一方的な別れで、彼女を傷付けました。

 その夜、僕は泣きました。
 涙の理由は大好きな人を傷付けた罪悪感ではありませんでした。
 彼女を想って泣いたわけでもありませんでした。
 支えを喪い、穴の開いた自分の胸がとてもとても痛くて、その痛みで、泣きました。
 勝手な涙だったと思います。

「強くなって、大好きな君に縋らずにすむようになったら…、
 君に固執せずに、醜く君にしがみ付かないでいられるようになったら。
 君を妹の身代わりでなく、純粋に君だけを好きでいられるようになったら…。
 そうしたら、もう一度君に好きって言うよ」

 勝手な約束。
 一年。一年経ったら、もう一度君に会いに行くよ。
 本当に自分勝手な約束です。

 一年が経ちました。

 僕は強くなったと思います。
 一人で生きていけるようになりました。
 余裕と、自信があります。
 大好きだった妹がもういない事実を、
 僕と妹を捨てた母親を、
 僕を護ってくれるはずの家族も、
 護りたかった家族も無くなったこの世界を、
 許すことができるようになりました。

「無くしたなら、また始めればいいんだよ」

 それは、誰の言葉だったでしょう。
 春に出た新芽が夏に伸び、
 秋に朽ちて、
 冬に埋もれても、
 また春に緑が芽吹く――
 輝く季節はやってくるんだよ。

 一年が経ちました。

 僕は彼女に会いに行きます。
 彼女は、どうしているでしょうか。
 待ってるわけが無い。
 新しい恋人がいるに決まってるさ。
 そう誰かが言いました。
 そうかもしれません。

「一人の寂しさは、お前が一番知っているだろう?
 待っているわけが無い」

 ええ。分かっています。
 でも僕は知っているんです。
 彼女が僕に縋ったことが一度も無いことを。
 僕に頼ったことも無いことを。
 だからきっと、彼女は一人でやっていける。
 その強さを持っています。
 だから、きっと大丈夫です。

「それは、お前なんか必要じゃないってことなんじゃないのか?」

 なおさら、待ってるわけないじゃないか。
 ちゃかすようにして、また誰かが言いました。
 そうかもしれません。
 でも僕は知っているんです。
 いつだって彼女は、あの冬の日だって、
 僕を信じて待っていてくれた事を。
 僕に縋るんじゃなく、頼るのでもなく、
 ただ信じてくれていたことを。
 そして、彼女はいつだって、
 どんなときだって、あの酷い夜だって、
 ――星の奇麗な夜だったけれど――
 僕の一番欲しかったものを僕が信じる通りに…、
 ――白い息とともに――
 くれるんです。

 どうして彼女が僕を信じてくれたのか、
 今なら分かる気がします。
 自分を信じてくれた人なら、
 信じることが出来るんだね。

「えいえんはあるよ」

 I believe her breath.



 僕は信じます。
 今までと同じように。
 たとえこの世界が全部嘘でも、
 彼女だけは僕の真実。

 一年が経ちました。

 僕は、相変わらず彼女を信じています。
 彼女が、僕を信じていたように。
 教室の扉を静かに開けます。
 彼女の前へ歩いていきます。

  「…ずっと前から好きだったんだ」 

 確信があります。
 それは、彼女が信じて、待っていた言葉だって。

「…付き合ってくれ」

 僕は彼女の言葉を待ちます。
 彼女の気持ちが、今なら分かる気がします。
 信じたい相手なら、
 信じてくれる相手なら、
 信じられるって。
 信じた相手なら、
 ただ待っているだけでいいんだって。
 待っていられるんだって――





「私がずっと一緒にいてあげるよ、これからは」

だから一緒に遊ぼうよ…。
それが、僕らのはじまり。










「うん…いいよっ」











それは、かつて僕が
今、彼女が
紡いだ言葉








始まりの挨拶。






10月11日 上のアレは二次創作…なんでしょうかねぇ

「大好きだから、大切だから、一旦ぶち壊さにゃあかんのですよ!」

 雪駄、酒を飲みながらONE知らん人間に長森について語る。

 長森シナリオっていうのが自分にとっては凄いリアルで、ヤバイことを再確認する。
 幼なじみという安らいだ関係。
 最高に居心地の良い関係。
 そこから恋人という、一歩進んだ状況…大人の関係に持っていきたいときにしなくちゃいけないことについて考える。

「先輩は変わりませんねぇ」
「ひどいなー。少しは変わったと思えるから戻ってきたのに」
「…すいません」
「ふふ」
「……」
「…いろんな事があった。いろんな冒険をした。そういう事を繰り返して仲間の繋がりも強くなった
でもね、月光洞から帰ってきた時はね、強い仲間意識に対して日常が小さすぎたのかな。耐えられなかったのよ、そのギャップに」
「……」
「あの子達はまだそれが分かっていないのね。仲間からの自立。その上で自立した人間の集まり。
…もっとも、小さかったのは私の器の方だったけどね」
「それで学園を出たんですか?」
「“さよなら”から始まる関係もあるのよ」
米村孝一郎「蓬莱学園の卒業」より


 俗に自立した人間の関係を大人の関係と呼び、相手に依存した関係 しか送れない人間を子供だと呼ぶ。
 子供の関係は、それが深い関係であればあるほどに脆い。
 依存は人間を弱くし、弱くなってしまった人間は依存する対象を失ったとき一人で立てない。
 自分が依存していることに無自覚でない子供は、それ故に依存対象を喪う恐怖に気づき、対象に固執し、それを壊さないようにヒステリックなほどに気を使う。
 それは神経を摩耗させ、良好だった関係を徐々に締め付けていき、些細な亀裂で関係を瓦解させる。
 依存対象に固執し、夫婦、組織、親子、仲間といった状態に依存し、固執して足掻き、結局関係を壊してしまう人間を描いた物語はいっぱいある。
 ONEの長森シナリオやToHeartのあかりシナリオは、ある意味そのフォーマットを踏襲している。
 浩之や浩平は幼なじみという関係に固執し、無様に足掻く。
 相手が本当に大切だから、喪うのが怖いから。
 彼らは相手を傷付けてまで、幼なじみという関係に固執した自分に気づいた時、自分を駆り立てた喪失への恐怖を自覚する。
 孤独への恐怖を。
 浩平は孤独に耐えられない弱い自分に気づき、その弱さが自分を包んでくれる大好きな相手にすら猜疑心を抱いていることに、その猜疑心から大好きな相手を傷付けた事に気づく。
 だから浩平は、大好きな相手を傷付けない為に強くなることを、大人になることを望むのだ。
 そのために彼が選んだ方法。
 それは依存してしまっている大好きな相手から一旦離れ、孤独に一人で耐えられる強さを身につけることだった。
 だから彼は長森と一旦別れる事を持ち掛ける。
 大好きだから。本当に大好きな人だから。

「すげえよく分かるんだわ、ここら辺」
「…実体験か?」
「でもよぉ、普通は別れた相手って、そこら辺を理解してくれてはいないわけよ」
「…そりゃおめえ、大好きだから別れるって言われたってよう、ていのいいゴメンナサイぐらいにしか感じねえわな」
「でもよぉ、長森は分かってくれてるんだよそこら辺」
「だって幼なじみだろう」
「幼なじみでもいねえよ、高校生のガキでそんなん」
「お前、ゲームのキャラクターと現実の女を比べてるんじゃないって」
「……」
「…黙んなよ」
「でも、そー考えてみると志保はリアルだよな」
「そうだなぁ。あかりっていうアクセントはあるんだけど、浩平と同じで、浩之が好きだからって、一人でも平気なように遠くへ行ったっていうアレ、多分あるもんな」
「そうそう。それで大人になって自立した人間として昔好きだった相手の前に現われる」
「貴方がいなくても生きていける。貴方は必要じゃない。でも、貴方が嫌いなわけじゃない」
「…大人だねぇ」
「私には貴方が必要です、ていうのは結局、相手への依存してるから子供なわけよ。互いに必要じゃない相手同士で、それでも好き合えるっていうのが恋愛の終着点だな」
「ONEのラストって、まさにそれでさ。女の子が浩平がいなくても、一人でも歩いていけるようになって、浩平も誰かとの盟約を必要なくなって、互いに一人で生きて行けるようになって、それでも一緒にいたいと思った時、輝く季節がやってくるわけよ」
「…またONEですかい」
「凄く上手いんだよ。七瀬が王子様を待つのを辞めたら、そのときに浩平は帰ってくる。澪が一人で舞台を成功させたら、茜が待つのを辞めたら、みさき先輩が外の世界を歩けるようになったら、そうしたら浩平が帰ってくる。繭のエンディングで、見守ってくれる人って浩平のことを言ってるだろ?」
「知らねえよ、やってないんだから」
「助けてくれる、支えてくれるじゃなくて、見守ってくれる、ていう言葉が凄く重要なわけよ」
「ははぁ。でも、困ってたら助け合いたいとか思わん? 好きな人ならさ」
「思うよ。思うし助けるさ。でも頼らない。頼ってるうちは駄目なんよONEは。七瀬シナリオがそこら辺をけっこー何気に示してる」
「お前、いいからONEの話題から離れろ」

 すまんです、すまんです>関係諸氏
 しかし、何故に録音してますか。


10月12日 リーフの言うビジュアルノベルって、画面演出のことなのな

 こここのような立脚点にて書かれた、とらハ2に関する対談がすごく面白い。

 未プレイ者でもノベルゲームっていうシステムに色々考えるところがある方ならば項目「☆ホームコメディ」まではネタばれも少ないし、是非読んで欲しいところ(致命的なネタばれを一つ含むんだけど…)。

>ごう: そういう“作業”要素いれないと、各女の子へどう流れていくかの調整がねぇ…。ノベル系だと分岐させてしまえばいいからね。
>Hos: うい。
>ごう: でもそのあと、シナリオからはずれた「日常」はむしろ描写できなくなっちゃう>ノベル系
>Hos: 割と(出来事=イベントを)抽出してしまうからね。

 等など、同人でノベルゲームを作ってる方たちだけあって、システムにちゃんと踏み込んだ見方をしているのが非常に興味深いです。
 そうそう、n部構成のゲームというものについても触れていますね。

 
 本年度のPCゲーム界のエピソード1とも言える「こみっくパーティー」(ちなみにエピソード6は「ToHeart」と思われる)。

 …なんていう出だしで「こみパ」シナリオライター三宅章介のインタビューが郵便RPG大手のホビー・データ社の機関誌に載っていた。
 結構レアだろうが、内容は郵便ゲームの話が大半だし、それ以外の内容も「ギャル好きじゃないとリーフに入らないよ」「“ラブひな”で好きなのは素子とはるかさん」などどうでもいいものばかりで、こみパの話は全く出て来ないし、ギャグページなのでこみパファンにはどうでもいいインタビューだと思われる。たった1ぺーじだしな。
 三宅氏は過去に同社の郵便RPGにシナリオライターとして参加、そのノベライズ「黒魔法ラブラブ大作戦」も角川スニーカーから出している。
 野尻砲介、新城カズマ、賀東招二等、郵便ゲーム業界からヤングアダルト小説や漫画のメジャーシーンに飛び出し成功した人間といえばもう大して珍しくも無いけれど、コンピュータゲーム業界で成功した人間の話といえば結構珍しいかもしれない。三宅氏の場合はマスター上がりじゃなくシナリオライターからなのでちょっと性質が違うけれど。
 しかし、今となってはTRPGもそうだけど、電源無しゲームってクリエイター志望の人間が他のメディアに出て行く為のステップでしかないな。…考えてみれば昔からそうなんだけど。
 商売でやるにしても同人でやるにしても実に小さなマーケットだけど、マニアックなジャンルであるだけに受け手の反応が分かりやすいから修行にはちょうど良いのかもね。
 ライトノベルだのSFだのコンピュータゲームだのといった、基本的にマニアを相手とするマーケットに挑むなら普通のメジャーなマーケットと違って、少数のマニアの意見を聞くことが無意味とは限らないわけだし。


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