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<SETTA'S COMIC FANCYCLOPAEDIA+・遠藤浩輝>

関連サイト:It's an Endless World! (サイトマスターのWhimさんの文章のほか、「At 3rd ; Somebody thinks」から様々な方の遠藤漫画への言及へ飛べます)

●EDEN
 
/遠藤浩輝/講談社/B6版/530E(税込)
 “世界を救う”のさ
 お前も一度はやってみたいだろ?

 一度滅びた世界。
 そこで生き残った人間達の物語である。
 プロローグでは世間と隔離されたシェルターのような場所で生き残った二人の子供と一人のゲイの隠遁生活とその終焉が描かれる。
 タイトルで詠われたEDENというのはこのプロローグの主人公である少年が自分たち3人が生きてきた小さな世界を揶揄した言葉だ。
「私たちが子供を作らなかったら人類は滅びるのかな?」
 そう問う少女にゲイの男は答える。
「外の世界で他の生き残りと出会わなければ劣性遺伝でどのみち人類は滅びる」
 3人は自分たちがいる場所がいずれ出て行かなければならない楽園であることを知っているのだ。
 EDENを出た二人の子供の息子が本編の主人公となり、物語は荒廃した世界を見つめていくこととなる。
 ウィルスで人類の過半数が死に絶え、身体を機械化した者と生まれつき抗体を持った選ばれたといってもいい者、彼らの抗体から作り出したワクチンを打った者の三種の人間が生きる世界を。
 EDENというタイトルや設定だけを聞けば少女漫画系の紫堂恭子「ブルー・インフェリア」(最終巻は一体いつ出るのだろう)なんかを思い出す向きもあるだろうが、絵柄や最近の展開から連想されるのはむしろ士郎正宗「アップルシード」である。
 アップルシードが完結せず、その後継と目された山下いくと「ダークウィスパー」も進まない現在の状況に業を煮やしているそれ系の漫画読みなんかが飛びつきそうな気もするんだが意外とそうでもないようなのが興味深い。

 客観評価 B 主観評価 A

 
●遠藤浩輝短編集1
 
/遠藤浩輝/講談社/B6版/530E(税込)
「自殺を考えたことってあるか?」
『何思いつめてんだよ
 悩んだって腹は減るし
 泣いたって朝は来るんだぜ』
「本気にすな
 ただ、自分はいつだって死ねる、と思うとけば
 ひょっとしたら生きるのが楽になんのかなぁと……」
『大して苦労もしてねぇ奴が そういう事を言うんだよ』
「本当の事ばかり言うてると 友達なくすでお前」
 

「カラスと少女とヤクザ」
「きっとかわいい女の子だから」
「神様なんて信じていない僕らのために」

 この3タイトルが収録されている本である。
 この中の一つを本のタイトルにするでなく単に「短編集1」と銘打ち、 表紙に3タイトルを掲げている。タイトルのインパクト、センスと効果から考えてこれは非常に正しい選 択といえよう。
 内容はそれぞれのタイトルから想像して下さい。
 ちなみにEDENとは違って3作ともまっとうな現代劇で人間描写が秀逸。
 北野映画なんか好きな人にもお勧めかな?
 
 客観評価 A 主観評価 A

 




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