●若草一家で行こう
/船戸明里/角川書店/B6版/540E(税別) |
優しい痛みにくらくらします。 先行きが非常に不安な「ふぁんデラ」で小説タイアップの集中連載として1話完結、姉妹それぞれの恋愛を4回にわたって描いた同名作品をまとめたものである。 「星の砂漠」から引き継いでの友谷蒼のスニーカー文庫原案作品。 姿は地球人と変わらないが怪力を誇る異星人の若草四姉妹が巻き起こすハイテンション・ラブコメディーってことで、身も蓋もない言い方をすれば創竜伝の亜流。 原案の小説は読んでいないので何ともいえないが、本漫画ではそのたいして魅力的でない創竜伝ライクな設定を恋愛の気持ちの触れ合いに対するイベントガジェットして上手く用い、良質な恋愛漫画として描き出すことに成功している。 しかし個々の一遍一遍は非常に完成度が高いのだが、まとめて連作短編として読むとたった4回しかないということもあって物足りなさは残る。 関連して、最後の長女「マリエ」の話は連載のまとめという意味合いからか、最後の最後にとってつけたような展開があって少し残念。 絵は奇麗だし、キャラクターの設定や性格を最大限に活かす何時もの船戸演出、船戸節は健在なので氏のファンも敬遠の必要無し。 しかし何度もいうけど、船戸明里はオリジナル読んでみたいっすねぇ…。 追記:しかしカバーデザイン、もうちょっとなんとかならんのか。 客観評価:B 主観評価:A
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