半月ばかりのことだ。
たったそれだけだ。
一体そこからどんな物語が発想できるだろう。
何があのとき、始まっていたというのだろう。
一瞬で過ぎ去った出来事の、そのひとつでしかない。

なにもない。
夢なんて見ていない。
そのはずだった。




















-Kanon-
《予告編》
:fake No.6

from
LoveOneProject





















「春が来て、ずっと春だったらいいのに」
























目の前にそいつは居た。
待ち伏せていたのだろう。
全身を使い古した毛布のような布で被い、顔も確認できない。

「誰だよ、おまえ」
「ずっとつけていただろ」
「やっと見つけた…」

だが意外にも声は少女のものだった。
ただならぬ空気が漂う。
少女は纏っていた布を投げ捨てた。

「…あなただけは許さないから」

一体どんな見知った顔が暴かれるか、と思っていれば、まったく見覚えのない顔だった。

「おまえのような奴に恨まれるような覚えはないぞ」
「あるのよ、こっちには」










「…覚悟!」












沢渡真琴
年齢、本名、共に不祥。
記憶を喪った少女。
唯一覚えているのは、相沢祐一を憎んでいる事だけ。

相沢祐一
高校二年生。水瀬家の居候。
気は多いが、真琴に何かした覚えはない。
やがて七年前の記憶が不確かであることに気付く。

















ぽこっ。












「はい?」










「許さないんじゃなかったのか」


「お腹が空いてるからっ…それで調子が出ないのよぅっ」
「そりゃ残念だな。今がチャンスだっていうのに」
「あぅー」





「おまえは一体何者なんだ…?」
「………」
「…それは真琴も知りたいよ」





「で、どうするつもりなんだ、これから」
「…記憶が戻るまで、ここに居る」
「名雪、警察を呼べ」
「わぁ、なんでよーっ!」









水瀬名雪
高校二年生。祐一の居候先のねぼすけ娘。
ついでに従姉妹でクラスメイト。
祐一の7年前を知っている少女。
好物:イチゴジャム。










【祐一】「な、名雪」
【名雪】「じゃあ、この家の最年長者であるお母さんに訊いてみる?」
【祐一】「こらっ、あのひとに訊いたら、了承するのが目に見えてるぞっ」
【秋子】「了承」
【祐一】「見ろ、一秒で了承されてしまったじゃないかぁ…」
【名雪】「良かったね」










水瀬秋子
年齢・職業他、色んな物が謎・謎・謎。
名雪の母親で祐一の居候先の女主人。
趣味:ジャム製作。
特技:了承。











「で、今日も俺の部屋で寝るのか?」
「そんな訊き方しないでよぅ… まるで真琴が祐一の部屋で寝たいみたい」
「違うのか?」

「ま、来るんだったら、早くこいよ。もう寝るから」

「ヤだ」
「温かいぞ」
「寒くていいもん」
「いいから」
「ヤだ」

「わぁ、温かいよ」
「だろ」

「悪戯さえしなければ、おまえも可愛いもんだしな」
「え…?」
「…ほんとに?」





「ああ、わかったわかった。わかったから、そんなにくっつくな」
「そんなに離れたら見えないーっ」
「手に息をかけるな、気持ち悪いだろっ」
「いちいちうっさいーっ」
「ほら、読むぞ」
「『恋はいつだって唐突だ』…げ、なんだこれ、少女漫画か?」
「私語、挟まないのっ」
「『下痢もいつだって唐突だ』」
「そんなこと書いてないっ!!」
「バレたか…」





「結婚は人生の墓場って言うんだよ。よく憶えておけ」
「もーっ、そんなに真琴の夢、ぶち壊して楽しいっ?」
「おまえが、理想で固めすぎなんだよ」
「現実を知ったときにショックを受けないように、今からレクチャーしてやってるんじゃないか」
「はぁっ…祐一と結婚する人は最悪ね…」
「おまえとはしないから、安心しろ」
「されたら、舌噛みきるっ」







【名雪】「なにかあったら言ってよね。同じ屋根の下に住んでるんだし」










………。
……。
…。
楽しい日々…。
ずっと…
ずっと一緒にいられると思ってた。
ただ、一緒に居たかった。



























【名雪】「うそつき…」























【真琴】「ねぇ、真琴は…」
【祐一】「ばか、思い出すなっ」












でも、だから   












「そんなの可哀想」
「なまじ人に飼われて平和な暮らしを知るよりは、このまま野に返してやるべきよ」


「そんな無責任な話があるか、ばかっ!」
「おまえ、あれだけのことをしておいて、どうして冷静でいれるんだよっ!」
「な、なによ、あれだけのことって、大したことじゃないわよっ!」
「無責任も何も関係ないっ!」
「最初からそんな責任なんて負ってないものっ!」

「ばかぁっ!!」

「いいもん…もう祐一のことはわかったから…」
「なにがだよ」
「もぅ、祐一となんか一緒にいないっ!」

























アナタになんか、会わなければよかった。





































「あれ…箸落としちゃった」
「ごめんね」


























 温かさなんか知らなければよかった。
 そうすれば、『寂しい』なんて気持ち、知らずに済んだのに。
 奇麗な雪を冷たいだなんて、嫌いだなんて、思わずに済んだのに。




































 会わなければ、そうすれば   































ゆーいち…




























あなたといきたい…



































「じゃあ出かけよう」



























「いくぞ、真琴っ」
「わ、まだ靴、履いてないよっ」
「諦めろ」
「なにを?」
「靴履くの」
「それぐらい待ってよぅ!」





























「寒いな…」
丘は一面、靄に覆われていた。
吐く息さえも、それに混じって見えない。
俺と真琴はしばらく黙って、風を受けていた。
ただ、手の温度から伝わる互いの存在を感じながら。
空を見上げると、人工物が視界から消え、世界が変わる。
互いだけが信じられる、そんな世界だった。






























今日が終われば、月が変わり、一歩春に近づく。






































「春が来て、ずっと春だったらいいのに」


























企画
久弥直樹
脚本
久弥直樹
麻枝准
原画
樋上いたる
CG
ミラクル☆みきぽん
樋上いたる
鳥の
しのり〜
背景
鳥の

システムサポート
生波夢
黄昏首吊り男

コーティングアシスタント
ぶりりあんと2でぃる












【祐一】「一体、何なんだ、あいつは。何が目的で、こんなことをしているんだ」
【天野】「あの子は、ただ本当に相沢さんに会いにきただけでしょう」
【天野】「それ以外に、理由はないはずです」




















オープニングテーマ「Last regrets」
作詞・作曲:KEY
編曲:I've
歌:彩菜
音楽
折戸伸治withKEY
OiakeS
エンディングテーマ「風の辿り着く場所」
作詞:KEY
作曲:折戸伸治
編曲:I've
歌:彩菜


















【祐一】「会いにくるって…会ってどうしたかったんだよ」


















広報
Kiliko
Lennon-ma

スペシャルサンクス
戸越まごめ
しもりん狸

イベント背景原画
EIJI

制作著作
KEY
株式会社ビジュアルアーツ





           


















【天野】「会いたかっただけです」




































  “思い出に還る”物語   































「始めるぞ」
「………」

すぐ前の真琴の顔に向かって囁く。

「俺たちの―






















- Kanon -





























陽の当たる場所で、僕らは夢の種を蒔く。

































ドリームキャスト専用GD-ROM
2000年移植・発売予定


































”贋”予告編制作:雪踏withLoveOneProject
ごめんなさい:KEY様、NECインターチャネル様、たきをん師匠、やまむらはじめ先生、桐生チカコ先生…

注:KanonがDCで出るのは本当ですが、この予告編はKEYやNECインターチャネルとは全く持って無関係の贋物です。