シルエット工場 異聞
丘に立つと街は眼下にあった。
隣街や、遠く拡がる丘陵地帯の様子が窺えた。
陽は傾き、夕暮れの街並に灯が点り始める。
女の子は父親に訊ねた。
「あれはチョコレート工場?」
「そうだね。」
「じゃあ、あれは?」
「どれ?」
「あそこ。鉄塔の近く。」
「あれの事? あれも、工場だよ。」
「ふ〜ん。何を作ってるの?」
「シルエットを作る工場だよ。こんな感じの。」
と父親が指差す向こうに、シルエットの街が浮かんでいた。
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