施設長コラム「つれづれ草」

つれづれ草

●平成30年5月

 一回の採血しかも一滴の血液で、癌を発見する夢のような医療の実現が迫っているという。癌による死亡を防ぐには、早期発見が重要なことは言うまでもない。現在癌を発見するために、内視鏡検査や画像診断などが使われているが、初期段階の小さな癌を見つけるのは困難が伴うし、検査等で放射線を浴びる事で逆に癌が発症してしまう恐れもある。こうした問題点の解決に向け、血液中にある「マイクロRNA」という成分に着目した研究が進められているという。
 「マイクロRNA」は血液や尿など体液に含まれているが、癌細胞の自らマイクロRNAを分泌する性質に着目し、その変化によって癌細胞の有無を確認できるとのことだ。従来の診断ツールの「腫瘍マーカー」は初期段階の罹患では診断が難しかったが、「マイクロRNA」は初期段階でも高い確率で癌の発見・特定が可能だという。
 国の支援を受けた複数の企業によるこのプロジェクトは、十三種類の癌を一度に判別できる技術を目指していて、試算によれば検査費用は二万円程度で済むという。更にこの技術は認知症や心筋梗塞・脳梗塞の発見にも応用できるらしい。私の命のあるうちに実現すればとても嬉しい話である。
文芸春秋 5月号「病気にならないからだ」より抜粋 落合孝広 著

●過去のつれづれ草

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