■愛は4年で終わる

『愛は4年で終わる』 との学説がありますが、
本当でしょうか?

あなたの家庭は、どうですか?

 

●愛は終わるのが自然?●

   「愛は4年で終わる」この驚くべき学説は、アメリカの人類学者へレン・E‐フィッシャーが発表したものです。自然界に見られる雄雌間の愛は一時的なものであり、人間も生物学的に見れぱ、愛が4年で終わるのが最も自然であるというのです。
   鳥類の多くは1対1のつがいを作ります。ロビンという鳥は春にぺアを作り、夏の間に1、2度、卵を孵します。そして、8月にヒナが巣立つとつがいも別れてしまうのです。キツネの場合も同様で、アカギツネは未成熟な子を産むため、メスは数適間は授乳のため付きっきりになります。その間オスが餌を運んでくれるわけですが、やはり、1対1の絆は、繁殖シーズンの間しか続かないのです。
   このような自然界のパターンを人間に当てはめると、子供を産み青て、乳離れするまでが約4年。父親の助けが必要なこの期間だけは愛が持続するようになっているというのです。

●離婚は4年目がピーク●

   「そんなパカな」と思われるかもしれませんが、これを裏付けるような統計が出されています。世界62の国、地域、民族を対象に離婚のピークを調査し、グラフにすると、4年目が最も多かったというのです。
   「やっぱりそうだったのね」どこからともなくそんな声が聞こえてきそうです。「結婚前はあんなに優しかったのに、一緒に暮らし始めたらまるで人が変わったみたい」という奥さん。夫に希望を失って、唯一の望みは子供だけ。赤ちゃんからオシッコをかけられても汚く感じないのに、夫のパンツは箸でつまんで洗濯機に放り込む。食事のときは新聞を読みつづけ、話しかけても生返事ぱかり。たまに「愛しているよ」と言ってくると、浮気してるんじゃないかと疑ってしまう。
   長く連れ添った夫婦でも、愛情は冷め切っているのに、子供がいるから仕方なくとか、社会的対面を気にしてかろうじて別れずにいるということも少なくありません。こんなことから考えても「愛は4年で終わる」というのは本当なのでしょうか。

●20代夫婦に離婚の危機●

   今しぱらく、国連の統計年鑑を見てみましよう。女性の離婚者は81%が45歳以下。男性では74%が45歳以下であり、とりわけ20代がピークになっています。「子供の数と離婚の関係」については、全離婚の39%は子供のいない夫婦、26%は子供1人、19%は子供2人、7%が3人、3%が4人で、5人以上子供のある夫婦の離婚はきわめてまれでした。
   また、再婚については、男性では30〜34歳、女性では25〜29歳がもっとも多く、アメリカ人に限っては、離婚した男性の80%、女性の75%は再婚しています。日本では、男性が70%、女性が60%となっています。
   これらのデータから分かることは、結婚後4年以内で、子供が少ない20代の夫婦に、最も離婚の危機が訪れやすいということです。逆に、この段階を乗り越えた夫婦は、容易に別れないということも言えるのではないでしょうか。
   けれども、ただ別れなかったことがイコール結婚生活の勝利ではありません。「夫と伺じ墓に入りたくない」という声を聞きます。嫁と姑の問題は人生相談やテレビドラマなとでもおなじみです。また、心の交流がはかれなくなった夫婦間で、いやいや性関係を持ち続けていることが離婚の動機になることもあります。

●愛の教師がいなかった●

   愛を4年以上続かせようとするなら、相当の努力が必要なようです。しかし、努力だけでは無理だということも言えるでしよう。先頃、23回結婚したという男性がテレビで紹介されていました。「その時その時は本気なんだけれど、なぜかうまく続かない」と本人が語っていました。
   この人もきっと、自分なりに努力はしているはずです。けれども、夫婦のあるべき姿や正しい愛し方といったことが分からないのではないでしようか。学校で教えてくれるわけでもなく、自信を持って子供に教えられる親もいません。というのも、親自身が誰からか教えられたわけでもなく暗中模索してきたに違いないからです。
   このように、親から子へと、正しい愛の在り方を教えられてこなかったところに、結婚生活の悲劇や苦悩があるのです。離婚した人の多くが再婚していることから見ても、人間は誰しも愛を求めているのです。それも、一時的なものではない、永続する愛を欲しているのではないでしょうか。真実の愛を教えてくれる人がいたなら、より幸福な家庭を築けたかもしれないのに、そのような先生や父母がいなかったという事実。これは、自分のカではどうすることもできなかったのです。

●人間の愛は責任を負う●

   人間と他の動物との違いは何であるかが論じられてきました。それは、言語であるとか、文明であるなどと言われてきました。ここでは、「愛に対する責任」を付け加えたいと思います。
   生物学的に見れぱ、愛は子孫を残し、種族を維持するためのものであるかもしれません。それゆえ自然界ににおいては、生殖の必要に応じて愛が発現し、オスの助けがいらなくなれぱ愛が終わるようになるのでしよう。人間はどうかというと、愛が単に自然法則に従属したものであることを願わないのです。愛を一時的なもので終わらせるのかどうかが、人間と動物を分かつものとなるのではないでしようか。人間が人間らしくあるために、愛を愛らしく育んでいく責任があると思われるのです。

(「新天地」より)