頼れる街の法律家 愛知県一宮市の総合法務事務所
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遺言をめぐる争いで一番多いのは、遺留分に関するものです。自分の財産だからといって、そのすべてを自由に相続させることはできません。遺留分とは、被相続人(亡くなった人)が兄弟姉妹を除く相続人にこれだけは残さなくてはならないという遺産の最低限の割合をいいます。
遺留分算定の基礎となる遺産の総額は、相続開始時の被相続人の財産の価額に相続開始1年以内の贈与の価額を加え、そこから寄与分、債務を控除して計算します。
妻と子 | 自由に処分できる 2分の1 |
妻と親 | 自由に処分できる 2分の1 |
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妻 4分の1 | 子 4分の1 | 妻 6分の2 | 親 6分の1 | ||
子のみ | 自由に処分できる 2分の1 |
妻のみ および 妻と兄弟姉妹 |
自由に処分できる 2分の1 |
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子 2分の1 | 妻 2分の1 | ||||
親のみ | 自由に処分できる 3分の2 |
兄弟姉妹のみ | 自由に処分できる 1分の1 |
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親 3分の1 |
遺留分減殺請求権は、相続開始と減殺すべき贈与または、遺贈があったことを知ってから1年で時効になります。遺留分減殺請求は遺産分割協議の席でもできますが、内容証明郵便や家庭裁判所に対する手続きの中で明確に請求する方法をおすすめします。
ときどき相続人となる方の相談で、生前に相続の放棄を約束したというケ−スがありますが、これは契約書にしてあったとしても、法律的には何の意味もありません。法律上は、生前に相続の放棄の約束をしても無効ということになります。このような場合、遺留分の放棄という制度を利用するしかないのです。
遺留分を侵害する遺言や贈与も、それで無効になるわけではありません(遺留分を侵害した公正証書も作成できます)。遺留分を侵害された人が、侵害された分を取り戻したいときは遺留分減殺請求をすることになります。