むち打ち損傷と脳脊髄液減少症との関係(鞭打ち むちうち) 交通事故相談ガイド

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むち打ち損傷と脳脊髄液減少症との関係



むち打ち損傷

むち打ち損傷は、自動車に乗っていて追突されたとき、首回りの筋肉、関節などが損傷を受ける頚椎捻挫、あるいは頚部挫傷(他には、頚部外傷、外傷性頚部症候群)と考えられ、通常は1ヵ月程度で症状は改善に向かいます。
しかし、半年以上、頚部痛、背部痛、めまい、耳鳴り等で苦しんでいる被害者も少なくないのが実情です。この時期に入ると、多くの場合は同じ診療、投薬が何か月も継続しますので症状固定とされ、医師に後遺障害診断書を記載してもらうことになります。

被害者からすれば、後遺障害慰謝料や逸失利益をもらっても、頚部痛等は残存する訳ですから、最低限、「後遺障害等級を認定してほしい」と願うのですが、現実には、自覚症状はあるものの、X-P、MRI検査や神経学的異常所見が認められないことを理由に、「後遺障害等級には該当しません(非該当)」とされてしまうケースがあります(後遺障害診断書の書き方や検査方法に問題があるケースも考えられます)。もちろん、後遺障害等級が認定されたからといって、直ちに症状が治癒、軽快する訳ではありませんが、非該当の場合、自覚症状が残存することに加え、損害賠償もされないことになります。

むち打ち損傷は、頚椎の外傷ですから、脊椎外傷といえます。脊椎、脊髄を専門とするのは、主に整形外科、脳外科、脳神経外科です。
ほとんどの被害者の方は、整形外科のみで治療されていますが、最初の治療が適切に行われていないときなどは、捻挫(頚部痛等)だけでは済まなくなり、自律神経(肩こり、吐き気、めまい)にも支障を来すといわれています。
半年経過しても症状が改善しないときは、転医、あるいは整形外科だけでなく、脳外科、脳神経外科で診てもらうことも必要だと思われます。

むち打ち損傷と脳脊髄液減少症との関係

脳神経外科では、むち打ち損傷で長期に苦しむ被害者の訴えと脳脊髄液減少症(のうせきずいえきげんしょうしょう)の患者の訴えとが似ていることがわかり、検査をした結果、多くのむち打ち損傷の被害者から髄液の漏れが確認されたことから、この関係に着目した治療が現在では行われています。

脳脊髄液減少症

脳と脊髄は、脳脊髄液の中にあり、脳はこの髄液の中に浮いた状態になっています。
脳脊髄液減少症は、脳と脊髄を満たしている透明な髄液が漏れ出し減少する病気です。髄液は、健康な成人で、常時180mlほどあるといわれ、減少すると脳の位置が下がったり、血液で補おうとして脳の表面の静脈が拡張などし、頭痛、頚部痛、めまい、吐き気といった症状を起こします。交通事故によるむち打ちやスポーツによる外傷、出産、転倒などのショックで起こることが多いとされています。

脳脊髄液減少症の治療法

脳脊髄液減少症の基本的な治療は、横になり水分を1日に2リットル以上摂取することから始まります。これで脳脊髄液の生産を促し、漏れ出す部分に圧力がかからないことが期待でき、穴が塞がる可能性があります。これでも症状が改善しないときの治療法は、ブラッドパッチ療法といい、被害者自身の血液を漏れ出す部分に注入(症状により、注入回数は異なります)し、血のりで穴を塞ぐ方法で、この治療がむち打ち損傷にも有効(ただし、効果がないケースもあり)とされています。

下記表で、3項目以上、3ヶ月以上継続し、立っている状態が特にひどく、横になると軽減する方は、脳脊髄液減少症を疑い、検査を受けられることをおすすめします。

項目 症状
痛み 頭痛、頚部痛、背部痛、腰痛、四肢痛
脳神経症状 めまい、耳鳴り、顎関節症(がくかんせつしょう)、視力障害、顔面違和感、味覚障害
自律神経症状 微熱、脈拍異常、動悸(どうき)、胃腸障害、手足冷感、発汗異常
大脳機能障害 記憶力・集中力・思考力の低下、睡眠障害、うつ
その他 倦怠感、リンパ節腫脹(しゅちょう)、内分泌障害

現在、ブラッドパッチ療法には、健康保険は適用されませんので、治療費・入院費は高くなります
(厚生労働省は、検査は保険適用になるとの見解を明示しています)。
ブラッドパッチ療法は、間隔を空けて2、3回継続しないと効果がでないケースが多く、治療期間は半年〜1年に及びます。

むち打ち損傷と脳脊髄液減少症との関係を認める医師は、まだ少数とのことから、治療を受けられる病院は少なく(全国で50ヵ所程度)、また交通事故との因果関係についても、問題になることがあります。

脳脊髄液減少症状の診療が可能な病院一覧(愛知県)PDFファイル
脳脊髄液減少症状の診療が可能な病院一覧(岐阜県)
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