人身事故・死亡の慰謝料・損害賠償請求

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人身事故・死亡の慰謝料・損害賠償請求

死亡事故の慰謝料

死亡事故の慰謝料は、被害者本人はもちろん、被害者の死亡が遺族に与える精神的な苦痛の大きさを考慮して算定します。

自賠責保険基準 任意保険(参考)基準
一家の支柱 350万円 1,500万円〜2,000万円
18歳未満(幼児・児童・学生) 1,200万円〜1,500万円
高齢者(65歳以上) 1,100万円〜1,400万円
上記以外 1,300万円〜1,600万円

自賠責保険の場合、本人の慰謝料350万円に遺族の慰謝料が加算されます。

遺族の慰謝料

請求権者1名の場合550万円、2名の場合650万円、3名以上の場合750万円。被害者に被扶養者がいるときは、さらに200万円が加算されます。

死亡までの医療費など

交通事故から死亡までの間にかかった費用で、入院費、付添人費用などがこれにあたります(傷害事故の損害賠償請求を参照してください)。

葬儀関係費

原則として、100万円程度は認められます。かかった全額が請求できるのではなく、相当性が必要です。

死亡事故の逸失利益

逸失利益とは、被害者が亡くなったために、将来にわたって得られるはずであった利益を失ったことによる損害です。死亡事故の逸失利益は、あと何年働けたかを基準にして、死亡して働けなくなったための損害額を算定します。

逸失利益の算定方式の統一

死亡および後遺障害による逸失利益の算定方法については、東京、大阪、名古屋地裁の各交通部において異なる方法が採用されてきましたが、平成11年11月、協議の結果、以下のような共同提言が公表されました。

原則として、幼児、生徒、学生の場合、専業主婦の場合、および比較的若年の被害者で生涯を通じて全年齢平均賃金または学歴別平均賃金程度の収入を得られる蓋然性(がいぜんせい)が認められる場合については、基礎収入を全年齢平均賃金または学歴別平均賃金によることとし、それ以外の者の場合については、事故前の実収入額によることとする。中間利息の控除方法については、特段の事情のない限り年5分の割合によるライプニッツ方式を採用する。

中間利息の控除

将来、当然に得られるはずであった利益(得べかりし利益)の喪失を、交通事故発生時に一括で支払を受けることになるため、年5%の中間利息を控除して現時点での価額を算定します。

逸失利益=収入金額(年収)×1−生活費控除率×就労可能年数に対するライプニッツ係数

収入金額

休業損害(傷害)と逸失利益(後遺障害・死亡)の算定に必要です。

給与所得者

原則として、事故前の収入を基準とします。給与所得者の収入額は、収入証明書または源泉徴収票を基にして算出します。収入証明書を発行してもらえない等の何らかの事由により、収入を証明する資料を集めることができないときは、賃金センサスの第1巻第1表の男女労働者別平均給与額または年齢別平均給与額によって算定することができます。現実の収入額が統計の平均給与額よりも低い場合には、原則として、特別な理由のない限り、その低い収入額になります。

将来の昇給については、公務員、大企業の従業員などのように給与規定、昇給基準が確立されている場合には、考慮されます。なお、中小企業であっても将来昇給することが明らかであれば、昇給が認められる余地はあります。将来のベースアップについては、その時の社会情勢や景気という要素が不確定で、予測し難いと否定される例が少なくありません。

役員報酬については休業損害と同様、労務対価部分についてのみ逸失利益として認められる場合がほとんどです。ただし、遺族に利益配当的部分の承継がないような場合には、これについても逸失利益として認められます。

退職金については、将来定年まで勤務していたら得られたであろう退職金と、現実に事故死亡時に支給された退職金との差額が逸失利益とされます。

退職金=定年時に支払われる退職金の現価-死亡時に支払われた退職金

事業所得者

個人事業主や農業従事者等で家族従業員を使用している場合には、事故前1年間の売上額から必要経費を控除した純益について、家族の寄与分を考慮した上で、被害者の寄与分を定め、それに応じた被害者本人の収入を算定します。寄与分は、誰々は何パーセントという決まりはなく、その事業者ごとに異なるので、その事業の規模、形態および関与者の状況を考慮して、その具体的な割合を個別的に決定します。

売上額−必要経費=純益  純益×被害者の寄与率=被害者本人の収入

収入の証明としては、所得税申告書等によりますが、必ずしもこれに限ることなく、帳簿や伝票などでもOKです。無免許事業については、事業内容が公序良俗(こうじょりょうぞく)に反しない限り逸失利益が認められる例があります。

主婦(家事従事者)

家事従事者とは、性別・年齢を問わず、現に主婦的労務に従事する者をいいます。現実に収入がなくても逸失利益が認められます。主婦の逸失利益は、原則として賃金センサスの第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計の平均給与額が使用されます。女性労働者の全年齢平均給与額をとるか年齢別平均給与額をとるかについては確定されていませんので、有利な方を選択して構いません。しかし、東京・大阪・名古屋の各地裁交通部の取扱いについては原則として全年齢平均給与額によります。

パート収入等がある兼業主婦の場合には、現実収入額が統計の平均給与額より高い場合は、現実収入額を収入とします。逆にパート収入等の現実収入額が統計による平均給与額より低い場合は、平均給与額を収入とします。

高齢の女性の場合であっても、余命年数、健康状態および家族関係を検討して、家事労働を行うことができる場合には、統計の平均給与額または相当程度に減額した額を収入額とします。あまりにも高齢の場合には、収入額を認定することが困難になります。

幼児などの年少者・学生

幼児、学生の逸失利益は、原則として賃金センサスの男女別の全年齢平均給与額を用います。最近では、女性につき女性労働者の平均給与額ではなく、全労働者の平均給与額を基準として算定すべきだとする考え方があります。

【男女は同等の判決確定 最高裁上告を棄却】
中学生の二女(当時14歳)を交通事故で亡くした奈良県の両親が、加害者に賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁は、両親と加害者双方の上告を棄却した。逸失利益(将来得られたはずの利益)の算定で、男女に格差をつけず、同等と判断した大阪高裁判決が確定した。

就労年齢に達するまでの養育費は控除しません。

無職者

無職者であっても、労働意欲・能力がある場合に限り、賃金センサスの平均給与額を収入として逸失利益を算定します(後遺障害・死亡とも)。68歳以上の高齢者であっても、労働意欲・能力があり、就労の蓋然性があれば、収入を認定できることがありますが、大幅に減額されることになります。

生活費の控除

被害者が生きていれば、生活費を支出する必要がありますが、死亡すれば生活費がかからなくなりますので、逸失利益の算定においては、収入から被害者本人の生活費を控除します。生活費の控除額は、性別、年齢、家族構成等を考慮して決定します。年金についても生活費を控除し、その率は給与などより高率とすることがあります。

扶養家族が2名以上いる家族主宰者の生活費控除率は、30%が原則ですが、扶養家族が1名の場合には40%程度とします。

生活費控除率表
区分 生活費の割合
家族主宰者
(男女を問わず実質上、生計の中心となる人)
30〜40%を収入額より控除
(総体的には30%が多い)
女子
(主婦・独身・女児を含む)
30〜40%を収入額より控除
(女性の収入の低いことを考慮に入れた結果)
男子
(独身・男児を含む)
50%を収入額より控除

就労可能年数

原則として67歳までを就労可能とし、60歳以上の高齢者(主婦を含む)については、就労可能年数を簡易生命表により求めた平均余命年数の2分の1とします。定年が55歳ないし60歳で、退職する人についても、67歳までは再就職が可能と考えられ、就労可能年数とすることができます。ただし、定年後は、一般的に収入が減少すると見込まれますので、特別の理由のない限り、定年前の収入の60%〜70%程度を基礎とする例が多くなっています。

就労可能年数表
区分 就労可能年数
18歳以下の幼児、生徒 18歳〜67歳までの49年間
大学生 22歳(大学卒業時)〜67歳までの45年間
60歳未満の者 死亡時から67歳まで
60歳以上の者 平均余命年数の2分の1
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