りりかSOSの凄いところ


りりかSOSの凄いところはどこでしょうか?いくつか挙げてみました。

☆テーマ〜生と死、生の尊厳、平和な日常の素晴らしさ

 りりかSOSのテーマは、非常に重いものです。それはつまり、生命の尊厳です。りりかが戦うのは、正義のためでも平和のためでもありません。それらを超越した、もっと根本的な、生命を守るためなのです。生きとし生けるものすべてを滅ぼそうとするものから、自分の大好きな人たちを守るためなのです。これは生と死の戦いであり、りりかは言わば生の保護者です。それは敵に対してさえも同じで、りりかの攻撃というのは相手を傷つけるためのものではなく、悪い心を癒すためのものなのです。やっつけるのではなく、悪い心に取り付かれた人を癒すこと(あるいは、実体のない死の権化を浄化すること)が、りりかにとって敵を倒すことなのです。つまり、りりかが敵を倒そうとするときの決まり文句が、「お手当てしてあげる!」とかいうのも、りりかの変身した姿がナースであるのもそういう意味合いなのです。さらにここで注目すべきなのは、りりかの用いる生の力「緑のワクチン」と、りりかの敵である死の力「黒のワクチン」が同じ材料の”命の花”から作られるものであるということです。つまり、それを使うものの心次第で、生の力にも死の力にもなり得るということにほかなりません。そして最終回では、これまで誰かの生命を救ってきた、りりか自身の生命の尊さを描いています。りりかひとりが死ねば、全宇宙が救われるわけですが、しかしりりかひとりの命も、星夜や加納、そしてりりかを愛する我々にとっては、全宇宙と同じくらい重いのです。それでもなお自分の命を捧げるりりか。全宇宙は救われました。そして、奇跡としか言いようがありませんが、りりかも生きていたのです。自分が生きていることを悟ったときの、りりかの表情と、「生きてる・・・・」という言葉が、生きる喜びを全て表しています。人が、生きているということの素晴らしさ。普段は滅多に気づかないことですが、当たり前の日常を当たり前に過ごすことのできる素晴らしさ。それも、命あってこそなのです。それを、りりか自身も、我々も教わったのです。

☆音楽

以下の文は、大地丙太郎監督の言葉からの抜粋です。

「泣いたり、笑ったり、落ち込んだり・・・・・・叱られたり、腹を立てたり、ホッとしたり・・・・・・こんないろいろな表情が、自由にいつでもできるのが「幸せ」であり「平和」なのではないでしょうか。りりかのたたかいは、そんな何気ない日常の中、ほんの小さな「幸せ」や「平和」を壊そうとするものとのたたかいです。やさしい家族や、大好きな友達を守ることが、りりかにとっては地球や宇宙の平和を守ることなのです。傷つき、倒れても、もう一度立ち上がって、目の前の敵を倒さなければ、りりか自身が家族や、友達のもとに戻れないのです。そして、このたたかいはナースエンジェルであるりりかにしかできない事なのです。まだ10才のりりかにとって、これは少し重い「運命」かもしれません。第一話の冒頭にかかった”生命(いのち)の輝きは永遠(とわ)に”は、これからりりかを待ち受けるその「運命」の序章として使われました。りりかが、次々に降りかかるその「運命」に対しても、決して逃げようとせず、彼女のやさしさと強い意志でクリアしていく度に、きっとこの曲の聞こえ方が変わってくるでしょう。そして、最後に明らかになる、りりかの最大の「運命」が知らされた時にも・・・・・・りりかが、また、あたたかい、いつもの光景に戻れて、エンディングテーマを聞きながらホッとする時に、もう一度、りりかがたたかったことの意味を感じてみて下さい。」

 いまさら言うまでもないことですが、りりかSOSの音楽は非常に素晴らしい出来です。クラシカルなオーケストラ・サウンドという、いわば正統派であり、光宗信吉氏による華麗で、壮大で、格調高いオーケストレーションによって、テーマの重さ、あるいは反対に日常の平和な日々などが見事に表現されています。さらに特筆すべきなのは、劇中における音楽の使い方が絶妙ということです。たとえば、同じ変身シーンでもりりかが戦う意味によってかかる音楽は違います。音楽の使い方によって感じ方がまったく異なり、音楽がひとつの言葉となっているのです。最終回にいたっては、ひとつの組曲が最終回のために作られたほどです。これほど音楽が重要な位置を占めるアニメも少ないでしょう。

☆演出

 上述のように、りりかSOSの根幹に流れるテーマは重いのですが、作品全体の雰囲気は暗くなく、むしろ極めて明るいものです。これはつまり、平和な日常と熾烈な戦いの対比が、見事であるからです。全体的にはシリアスでありながら、局部的にはコミカルで、2つの要素の融合が素晴らしいのです。さらに、変身シーンですが、これは毎回登場するにも関わらず、飽きるどころか、話数が進むにつれて、単なる変身シーンなのに、涙が込み上げてきます。どんなに辛くても、戦おうとするりりかの強さが、我々を感動させるのです。「聖なる力、聖なる願い、ここへ!」とか「まばゆき光、気高き白。聖なる大地の、命の叫び。」といったセリフ、また、構図や音楽なども見事です。

☆ストーリー

 りりかSOSのストーリーはテンポが非常に良く、同類のアニメにありがちな、ストーリーの中盤でダレることがまったくありません。無駄な話が一話もなく、戦う意味も変わっていきます。常に動いているのです。そしてなんと言ってもクライマックスの盛り上がり方は凄まじいばかり。

☆オープニング、エンディング

 オープニングの素晴らしさは、卓越したメッセージ性です。ここには、平和な日常と熾烈な戦いの対比や、守るべき愛する人々の笑顔、りりかの明るさ、強さ、そして、ナースエンジェルであるということはどういうことかが示されています。逆にエンディングはイメージ性が強く、第1話を効果的に構成し、りりかのイメージを展開したエンディングは絶品でした。


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