りりかの強さ
りりかSOSを見たときに誰もが感嘆するのは、主人公の森谷りりかの心の強さでしょう。もちろん、りりかはいたって普通の女の子だし、彼女の魅力はほかにも沢山ありますが、その強さだけは別格です。どう考えても普通とは思えないのです。
☆ナースエンジェルとしての使命
戦う理由がなんであれ、普通の女の子が、平和な日常を犯して次々と卑怯な戦法で襲ってくる敵との熾烈な戦いに、挫けずに戦い続けることができるでしょうか。しかもりりかは、常に前向きに戦い続けます。心が傷つき、悩んでも、必ず立ち直ってきました。りりかは、最初のうちは、ただ加納のために戦っていました。しかし戦っていくにつれ、戦う意味を知るようになります。大好きな命を守ること、それができるのはナースエンジェルであるりりかしかいないということ。そんな、10歳の女の子にとっては重過ぎる運命を背負いながらも、けなげに戦っていく姿に、我々は感動を覚えるのです。
☆加納の死
戦う意味を教えてくれた、憧れの人、加納。しかし彼は、あまりにも早く死んでしまいます。りりかを支えてくれた存在、あるいは戦う理由ですらあった加納の死を前にして、彼女は深く傷つき、戦うことができなくなるのです。りりかにとって過酷な試練でした。しかし、この試練も彼女は乗り越えました。彼女には、一緒に戦ってくれる、星夜がいました。ここでは彼の存在が大きかったのは事実ですが、乗り越えたのはやはりりりか自身の、強さなのです。
☆デューイを救う
これまで手強い敵だったデューイが、目の前に傷つき、倒れています。りりかは、たとえ敵であろうと、そんなデューイを見捨てることができませんでした。貴重な、最後の緑のワクチンを使って、彼を癒したのです。しかし、彼を癒したのは緑のワクチンの力だけではなく、彼の心もまた、りりかのやさしさそのものに癒されたのです。
☆敵となった加納
りりかに、容赦なく過酷な運命が襲いかかります。死んだはずの加納が、ダークジョーカーとして生まれ変わったのです。しかも加納は、過去の記憶を持っていました。だから、りりかの最大の弱点が自分であることを知り尽くした上で、それを利用してりりかを倒そうとするのです。りりかにとっては、加納が敵になったとは、夢にも思いません。そして、加納の正体が暴かれたときの、驚愕。憧れの人に、信用しきっていた人に裏切られたです。しかし、りりかはそれでも負けませんでした。加納に敢然と立ち向かっていきました。そして激闘の末に、加納を倒し、悪の手から救ったのです。加納がこの後、クイーンアースに帰ってしまうのは、りりかがナースエンジェルとして立派に成長し、りりかにはもう自分の助けは必要ない、と見込んだからなのでしょう。
☆最後の運命
りりか最大の悲劇が、最後に待っていました。黒のワクチンを浄化するのに必要な、命の花が、実はりりか自身の中にあったのです。かつて、ナースエンジェルが、悪用されないように自分の体の中に封印してしまったのです。これを取り出すには、りりか自身の命を捧げなければなりません。加納が、この運命をりりかに告げます。「君は明日、死ぬんだ・・・・。」地球は明日にも滅ぶ、だから君の命が欲しい、と憧れの人から言われるのです。その日は、折りしもりりかの11歳の誕生日です。りりかが命を捧げても、捧げなくても、いずれにしてもりりかは死ぬ運命なのです。まだ10歳のりりかにとっては、余りにも過酷で非情な選択です。そして、遂にりりかは、自分の命を捧げることを決断します。そして、運命の日、りりかの愛する家族や友人たちが、温かく誕生日を祝ってくれる中で、言うのです。「あたし、生まれてきて良かった・・・。」りりかの凄いところは、自分が死ぬというのに、最後は笑顔がいいな、と思ったところです。りりかの運命を知った星夜やデューイがいくら止めようとしてもりりかの決心は揺るぎません。すべての生命を救えるのは、ナースエンジェルしかいないのです。そして、ナースエンジェル自身を救えるのは、誰もいないのです。ここに到っては、ずっと一緒に戦い、りりかを支えてきた星夜でさえ、無力です。そして、りりかは自分が死んだあと、みんなが悲しまないように、みんなから自分の記憶を消して欲しいと加納に頼みます。この気高さが、強さが、全宇宙を救い、そして奇跡を起こしました。りりかは、生きていたのです。