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共産主義のもたらしたものー秘密警察による言論封殺(1)

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秘密報告

 

…ウラジーミル・セミチャストヌイ元(ソ連国家保安委員会)KGB議長(73)の風ぼうからは、かつて国民を恐怖で締め上げた巨大秘密警察長官のイメージはわかない。

だが同氏は、今も、旧KGBの過酷な反体制派迫害は、「罪を犯す前に更正させようとする“人間救済”の努力だった」と確信している。

後のアンドロポフ議長によって国内流刑された反体制物理学者・故サハロフ博士や、国外追放された作家ソルジェニーツィン氏に関し、「彼らは手遅れで、予防措置では救済できなかった」と真顔で語る。

「サハロフ(博士)が反体制派になったのは、ボンネル(夫人)に吹き込まれたせいだ。彼女の影響から博士を引き離すのは、トラクターでもKGBでも不可能だった」

61−67年の議長在任期間を振り返り、「私の手は血で汚れていない」とスターリンの片腕ベリヤ内相らとの差異を強調する。

だが、同氏の議長時代にも、精神病院が政治異端抑圧に用いられ教会閉鎖を伴う宗教迫害が行われた。

17年の十月革命直後に創設された「反革命・サボタージュ投機行為取締非常委」(チェカー)以来、党独裁を支えた恐怖機構の系譜の一角を占めたことに変わりはない。

「テロを活用し、反革命分子を即座に射殺しなければ何事も達成できない」−。

このレーニンの方針に基づき、チェルジンスキー長官指揮下のチェカーは大規模な反革命掃討に着手し、摘発した者の多くを裁判もなく銃殺。

18年8月にチェカーの地方幹部が暗殺されると、市民500人の銃殺で報復するという徹底ぶりだった。

脅迫によって膨大な数の労働者、聖職者、軍人らを協力者とし、同僚や隣人を密告で売るよう強制した。

チェカーは瞬く間に監視・弾圧網を全国に広げ、21年末までには、反革命とスパイの摘発、軍部の動向監視や国境警備などにいたる強大な権限を獲得、後年の史上最大の秘密警察KGBの基礎を築いた。

政治学者アレクサンドル・ツィプコ氏は「住民の10%余りの支持しか獲得できない少数派だったボリシェビキが革命に勝利できたのは、ひとえに人間の限界を超える残忍さで恐怖支配を貫徹させたからだ」と語る。

秘密警察こそが、恐怖支配の原動力だった。800万人が逮捕されたというスターリン独裁下の大粛清(34−38年)を含め、国家政治保安部(GPU)、内務人民委員部(NKVD)など歴代機関による粛清犠牲者は2000万以上に達する、とされる。

「20世紀どんな時代だったのか革命編」(読売新聞社編)P97〜98