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精神病院の隔離・拘束は1万4000人 厚生省全国調査

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(朝日新聞2000年4月26日より)

精神病院で腕や体を縛られたり、隔離されたりしている患者は全国で約1万4000人と推計されることが25日、厚生省の研究班の調査でわかった。

行動制限の実態が明らかになったのは初めて。

全国の精神病院を調査したところ、約7割の病院から身体拘束などの制限を受けているのは計約1万人との回答があり、これをもとに推計した。

4分の1が痴ほう性の患者で、残りが精神分裂病など精神疾患の患者だった。1カ月以上行動制限を受けている患者も約1200人いた。

主任研究者の浅井邦彦・浅井病院院長は「外国に比べ、長期間行動制限を受ける患者が多い。制限が安易に行われていないか点検する必要がある」としている。

 

全国の1548の精神病院に、昨年6月末時点での行動制限の実態を尋ね、1090病院から回答があった。

 

それによると、行動制限を受けていた患者は1万55人。病床数に占める割合は4.1%。病院区分別では公立病院が7.6%と最も高く、国立病院・療養所が6%、総合病院が4.6%、日本精神病院協会所属の民間病院が3.8%だった。公立病院などに重症の患者が多いとみられる。

 

痴ほう症の患者が受けている制限の9割は身体拘束で、転倒などの防止のためが63%、点滴など医療行為のためが22%。身体拘束の4割は車いすに固定するものだった。

精神疾患の患者の行動制限は3割が身体拘束で、7割近くが隔離。

隔離の理由は9割以上が精神症状を挙げた。

 

また、1カ月以上の行動制限は、痴ほう症患者の隔離22例、身体拘束250例、精神疾患の患者の隔離607例、身体拘束261例など1200例近くにのぼった。

 

1996年に世界保健機関がまとめた精神保健ケアについての基本10原則では、身体拘束の場合、必要性を30分ごとに再評価し、継続時間は4時間までであるべきだと定めており、米国などでは日本より厳しい基準が設けられている。

浅井・主任研究者は「世界の基準からみれば、日本は長期間の行動制限をいかに減らしていくかが課題」と指摘する。

研究班は、第三者を含む審査機関の設置を求める「行動制限の最小化に関する指針」もまとめた。

この種の指針も初めてだ。

行動制限は、代替方法がない場合に必要最小限に行うことを原則とし、行動制限をしないで起きた転倒などの事故について医療関係者に過剰な責任追及を行わないという社会的合意も必要、とした。