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目 次
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1.はじめに
当社では実際に鋳造工場で鋳造品を生産する立場から鋳造工場全体の建設に携わってきているが、造型、砂、模型の3要素が原則にのっとって進化していく時、次世代の競争力を持つことが可能であると実感している。
こうした考えで、鋳造品に対する高精度化と鋳造工場における生産の高効率化の要請に応えるために、生型造型の要素技術を進化させるべく、以下の開発を行なってきた。
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2.造型設備の要素技術
(1)ネットシェープ化
模型の転写性向上と鋳型の高強度均一性の確保を行ない、同時にバリレス化に対応するダブルスクイズ造型法の開発。ダブルスクイズ造型法と抜型機構の概念図を図1、2に示す。
ダブルスクイズ造型法は鋳型背面側からのスクイズ(上スクイズ)にみきり面である模型面側からのスクイズ(下スクイズ)を付加して鋳型の強度の均一化を図ったものである。
従来の水平割の造型法においては、生型砂の投入後の造型工程は鋳型背面側からエネルギーを加えることが多い。従来の上スクイズ、ブロー(エアレーション)後の上スクイズ、流気加圧、そして衝撃波等の造型法の開発によって、より大きなエネルギーを加えての鋳型の高強度化が図られているが、これらは全て鋳型背面側からの加圧である。
ダブルスクイズ造型法では模型面を直接動かすことから、高効率でみきり面側が成型されている。使用する生型砂についてはその性質を変更せず、また、既存の模型を使用することが可能となった。
又、模型面側を動かして模型を直接転写するという特徴を生かし、造型後に模型を鋳型から離すという工程を抜型の第1工程とすることが可能となった。これによって微細な転写を行ない、角欠けを防止することができる。こうした転写(造型)を忠実に実現する機構としてシンクロナイズド抜型機構を開発した。
| 図1 ダブルスクイーズ概念図 |
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| 図2 シンクロナイズド抜型機構概念図 |
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(2)複数形状及び多数個込めへの対応
多数個込めを可能とするにはダブルスクイズ造型による枠近傍部のみならず、模型間及び鋳型内部の強度確保が必要となる。これに対応する下スクイズ距離可変技術を確立した。下スクイズ距離を変えた場合の強度の変化を図3に示す。
| 図3 鋳型形状及び鋳型強度測定ポイント |
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表1 鋳型強度測定結果(下スクイズ距離15%) SO : Scale Over (20N/cm2以上)
| A | B | C | D | E | F |
G | H | I | J | K | L | M |
N | O | a | b | c | d | e |
f | g | h | i | j |
鋳型強度 (N/cm2) |
17 | 18 | 15 | 19 | 18 | SO | 17 |
19 | 16 | 18 | SO | 17 | 18 | SO |
18 | 13 | 13 | − | 12 | 13 | 12 |
14 | SO | 19 | 19 |
表2 鋳型強度測定結果(下スクイズ距離20%) SO : Scale Over (20N/cm2以上)
| A | B | C | D | E | F |
G | H | I | J | K | L | M |
N | O | a | b | c | d | e |
f | g | h | i | j |
鋳型強度 (N/cm2) |
SO | SO | SO | SO | 20 | SO | SO |
SO | SO | SO | SO | SO | SO | SO |
SO | SO | SO | 19 | SO | SO | 12 |
SO | SO | SO | SO |
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(3)方案形状に阻害されるシマ部の強度確保
ダブルスクイズの前に先行スクイズを行ない、個別制御されたスクイズフットで選択的にシマ部の強度を上げる新ダブルスクイズ造型法の開発。
実際の模型は凹部周辺に湯口をはじめとする凸状の突起が林立しており、砂の流入が阻害されること、模型材質によっては凹部の摩擦抵抗が大きいこと、そして鋳型背面からの加圧は砂を媒介とするので圧力の伝達が弱く、その上に砂が流動拡散することが考えられる。
そこで鋳型背面側のスクイズ工程において、個別制御を利用して、セグメント化されたスクイズヘッドをフラットな状態で先行スクイズを行ない、その後、ターゲットの上のフットを凸状態として造型を行なうことによりシマ部の強度を上げることに成功した。
図4にセグメントフット高さと鋳型強度の関係を示す。
| 図4 セグメントフット高さと鋳型強度の関係 |
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(4)設備の統合
鋳枠の高さによる生産可能製品の制限をなくし設備を統合するには、みきり面を枠面とする規制をはずさねばならない。これを可能にするみきり可変技術の開発。 従来技術の問題点を図5に、みきり可変技術で解決した状態を図6に示す。
図示する形状の製品を仮定した場合、枠面でみきる場合、縦方向に造型不可能な部分ができる。又、オフセット鋳型とした場合、有効面積の減少から横方向に造型不可能となり、もし他の平面的に造型可能な場合でも、既存の模型を改造しなければならない。既設の造型ラインで使用していた模型を流用する場合には、枠面にかかわらず合わせた枠の内部でみきり面を設定する必要があり、この考え方をみきり可変と称することとする。
みきり可変において、みきり面が枠面でないためには、鋳型高さを高く設定した型では、枠面から設定量だけ砂型が突出した状態となる。これは上型、下型いずれかに設定されてもよい。一方、前述の鋳型と合わせられる方は突出した高さと同一量だけ枠内にへこんだ状態で造型される。
これらの鋳型を枠合わせするのであるから突出した砂型側面はストレートに造型され、かつ、表面も鋳型外周も高い精度で安定している必要がある。鋳枠の内面も砂持ちと呼ばれる加工が施されることなくストレートな造型でなければならない。
| 図5 みきり面と枠あわせ面の関係(従来技術) |
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| 図6 みきり可変 |
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3.造型設備の進化
こうした技術は健全な鋳造品を生産する上での大前提であるが、鋳造工場での「使う立場」の視点から更なる進化を図ることとした。
現在、鋳造工場において問題となることとして次の事が挙げられる。(1)設備の垂直立ち上げの困難さ、(2)大型設備の維持管理と費用、(3)エアーを使う造型法における、砂性状の厳密な管理、(4)大きなエネルギーの使用量。
これらを解決する為に機械の工程を分析し、造型機及び造型ラインを新しい概念で開発することとした。
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3−1 開発の内容
(1)造型機
- 砂投入にエアーを使用する工程があると砂管理が難しくなり、一次充てん不良が出る。砂の投入不良は造型条件をいかに変更しても改善されない深刻な問題を発生させる。又、これらを防止する砂管理は実際の稼動中に維持管理することは不可能である。従って、本機ではエアーを使わない事
- 造型機の各工程で重複しているものは分離し、負荷を軽減する事。
- これらの条件を満足し、かつ前述の要素技術を取り込めるように開発する事。
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(2)造型ライン
- アクチュエーターを極少化し、従来のプッシャー→ホールド→トラバーサーのくり返しをやめる。これによって使用するエネルギーを減少させると共に部品点数の減少で管理項目を少なくする。
- モールドコンベヤのような大きなスペースとメンテ性の悪さを排除する考え方で開発する。
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3−2 開発の成果
(1)新工程高性能造型機KDH型造型機
KDH型造型機の外観を図7に示す。
砂投入は造型と別なステーションでキャリヤプレート内に投入される。この砂は造型ステーションにおいて、下方向より鋳枠内に送り込まれる。これにより砂投入はエアーを使用せずに確実に行なわれる。
造型は要素技術をいずれも採用できる。
各工程は余裕を持ち、従来であれば20秒/上下枠の造型には2台の造型機が必要であるが、本機は1台で対応できることからシンプルな設備となる。
| 図7 KDH型造型機の外観 |
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(2)新型造型ライン サークルトラム
サークルトラムを図8に示す。
造型ラインを動かすアクチュエーターは1つとすることができ省エネとなる。又、鋳枠の載った定盤の駆動は内周部にあり、中央部に連結機のあるモールドコンベヤと比較して大幅な省スペースが可能となる。冷却時間を増やすためにサークルトラムを並列に設置して製品を選択的に冷却することもできる。
| 図8 サークルトラム図 |
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4.まとめ
以上のように、今回の開発で、設備をコンパクトでスリムなものとすることにより、設備導入時の垂直立ち上げが可能となり、日常の維持管理が容易なものとなる。
冒頭で述べた様に、造型機と造型ラインについて、原則通りの無理のない工程を要素技術で確立し、同時に実稼動上の問題点を克服することで鋳造設備は進化するものと考える次第である。
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