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色別着こなしのヒント ウーステッドとウーレン = 梳毛と紡毛 服地あれこれ
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ウーステッド / 梳毛(そもう) と ウーレン / 紡毛(ぼうもう)


 この仕事に携ると、「梳毛」と「紡毛」という言葉をよく聞きます。しかし、どっちがどう?と聞かれると答えに困ってしまいます。今一度、この2つを考えてみたいと思います。



ウーステッド / 梳毛 (そもう)

 ウールを糸にするには、長めの原料を梳いていくか、短い原料を紡いでいくか、の2方式がある。原毛のままからみあわせていき、板状にするのがフェルト。大きく分けると3つの仕組みがある。
 主流をなすのは「梳毛(そもう)」である。英語では「ウーステッド」(worsted)。薄く、軽く、しなやかなスーツ地に向く。その工程は極めて長く、複雑だが、概略すると… 

@羊毛を選別する (選毛) … 原毛(脂付羊毛)一俵毎に太さ、長さ、不純物の混入などを調べて、不要なものを取り除く。

A羊毛を洗う (洗毛) … 羊毛には8〜20%の脂や、土砂が含まれているので、せっけんとソーダで洗い落とし、18%程度の水分を含ませる(洗い上げ羊毛)。

B洗った羊毛をほぐす (カード)
 … 洗い上げた羊毛を、表面に針を植えたローラーで構成するカード機にかけて繊維1本1本にほぐし、薄い毛膜にし、これを重ねてロープ状の篠(スライバー)にする。

C羊毛をくしけずり、揃える (インター、コーマー) … スライバーを6〜10本合わせ(ダブリング)、くしけずりながら引き伸ばす(ドラフト)作業を繰り返し、均一な太さのスライバーを作る。そして、コーマーで不要な繊維や不純物を取り去る。ここで出来あがるのが中間製品である「ウールトップ」である。最近はここまでの工程を海外で行う企業が増えている。

D糸に紡ぐ準備をする(前紡) … 1メートルにつき25グラム程度、赤ちゃんの腕ほどのスライバーを、箸の太さほどまでに引き伸ばす。

E糸を紡ぐ(精紡) … 1分間に一万回転もするスピンドルにスライバーをかけ、一気に糸の太さにまで引き伸ばすとともに撚りをかける。ここでできる糸が「単糸」である。

F単糸を2本合わせて撚りをかける(合糸・撚糸) … 撚りをセットし、2組み合わせ、逆の方向に撚りをかける。ここでできるのが「双糸」。

 この後、織物にされるのである。




ウーレン / 紡毛 (ぼうもう)
 最近は高性能単糸紡績技術が開発され、単糸のままで織物にする方法も増えている。
 紡毛は「繊維原料を手で紡ぐ」方法を工業化した伝統的手段。
 梳毛にはかかりにくい短いウールや、梳毛工程で発生する副産原料(ノイルなど)、毛糸屑、非ウール繊維などを混合して糸にすることができる。カシミアやアンゴラは梳毛で糸にするのが普通である。
 紡毛糸は梳毛糸に比べて太く、表面の毛羽が多い。原料を選ばないので、その表情は多彩。ツイードやフラノをはじめ毛布やカーペットにも向けられる。羊毛工業の原点である。イタリアではビエラを梳毛、プラートを紡毛の産地と区別し、日本でも尾州の梳毛、泉州の紡毛と色分けしている。

 梳毛と異なり紡毛の場合、原料をせっけんとソーダーで洗った後、希硫酸に浸して乾燥する。繊維の間にまぎれこんでいた植物性の物質(種やトゲ)は炭になり除去される。火に強い動物繊維ならではの方法だ。この工程を「洗化炭」という。最近は希硫酸を使わないナチュラルな加工も開発されている。
 また、糸屑や織物の断片屑はもう一度繊維の状態に戻すため、専用の機械を通す。これが「反毛」工程。ウール製品のリサイクルにも使われる。

 さて紡績だが、紡毛では何種類もの原料を混合して糸にするため、、最初に「調合」工程がある。
 調合された原料は紡毛カードにかけられる。梳毛カードと同様に、ローラーとローラーの間に原料を通し、繊維を切らないように毛のかたまりをほぐしていく。均整な毛膜を作り、60〜240本に分割して揉み丸め、篠状にする。ここまでが「カード工程」
 篠を引き伸ばして撚りをかけるのが「精紡」工程。梳毛にはみられないのが、「ミュール」紡績だ。これは篠の細いところに早く撚りがかかり、太いところは引き伸ばされる仕組みで、均整な糸が作れる。6番から20番の比較的細い紡毛糸ができ、主として織物用に使われる。
 もうひとつの精紡法が「リング」式である。これは梳毛と同様に高速回転するリングで篠に小さな撚りをかける。2番から7番といった太い糸に向いており、毛布やカーペットに適している。


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