平成9年11月に宇治市菟道に小児科医院を開院しました。私が医師になってから20数年になりますが、この間にも小児医療はずいぶんと変わりました。今小児科医、小児科外来に求められているのはなんでしょうか?風邪症候群や伝染性疾患は今も多く見かけますが、その多くは確かに軽症化し、一方でアトピーや喘息などのいわゆるアレルギー性疾患は増加しています。小児科外来の中で今一番気がかりなのは外来のお母さん方が迷っていることです。情報は湯水のようにあります。テレビから、新聞から、育児雑誌から、、、。
しかしそれを整理する術を知らないのです。情報におどらされて迷っています。おじいさん、おばあさんも自信をなくしています。時代が違うと言われたらもう助言が出来ません。核家族、少子化がますます進んでいます。歩行や言葉が少し遅れていると、ほかのお子さんと比べてお母さんはパニックになることがあります。今こそ育児支援、健康増進支援が必要なのではないでしょうか。一方で直接病気とは関係ないような主訴が増えているのも最近の外来の傾向です。母子分離不安、精神発達遅延、情緒障害、年長になってきますと食欲不振、不眠、不登校、などなど。子供の心の悩みは、その多くは体の変調を伴います。それらのサインを外来で多く感じるにつれて何とかしてそれらに小児科外来で対応できないだろうかと考えるようになりました。いくつかの事例では児童相談所や保健所との連携を模索しましたがいつのまにかドロップアウトしてしまう例が多いこともわかりました。それらの子供たちが時には外来にやってきますのでどうしているの?と聞きますと実はなにも変わっていないという現実があるのです。現在午後の予約外来を利用して対応できるように準備中です。私の力は微力ですが発達検査やカウンセリングの出来るスタッフも入れています。少しずつですが子供の心身を見る外来の充実化をはかりたいと考えています。
もう一つの希望があります。最近知り合いになった6カ月の子供さんのお母さんですが、近くに同年齢の子供さんがいないので私の予約外来にやってきた時、他のお母さんと交流できるのを楽しみにしているということでした。これがまさしく私の希望なのです。病気の時だけに来るのではなく、健康相談や予防接種の機会を利用して私の医院を舞台に交流をしてほしいのです。”なんとかの会”みたいなのが出来てくれたらいいなあとも思っています。必要がなくなった、まだ十分使えるおもちゃや衣類の”あげます、ください”情報、”売ります、買います”情報があってもいいのではないでしょうか? 育児情報はあそこへ行けば手に入る、そんな場の提供をめざしたいと考えます。 |